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レビュー:THE KING OF FIGHTERS-i

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タイトル:THE KING OF FIGHTERS-i
ジャンル:格闘アクション
価格:900円
販売元:SNK PLAYMORE | Version:1.0 | GameCenter:実績・ランキング対応 | 対応機種:iPhone/iPod touch

トシの評価: 3.5(すごい面白い)

+ストリートファイターIV に負けない良好な操作性
+イラスト・カードのコレクション要素
+充実したチュートリアルとオマケ要素
+派手な連続技

THE KING OF FIGHTERS-iの詳細・DLはこちら(itunes)

ゲームセンターで格闘ゲームが流行っていた頃、カプコンと人気を二分していたのが SNK。
THE KING OF FIGHTERS(以下KOF)はそんな SNK の人気キャラクターが一同に会して戦う人気シリーズで、ストリートファイターに並ぶほどの人気を誇っていた。
堅実なゲームバランスだが派手さに欠け汗くさい雰囲気のストリートファイター、ゲームバランスは悪いが連続技がバシバシ決まっておしゃれな雰囲気の KOF は当時の格闘ゲーム双璧。
そんなストリートファイターのライバル、KOF がストリートファイターIV Volt(以下、ストIV)に時代を超えて AppStore で再びストIV に挑戦状を叩きつけた。

先に SNK PLAYMORE から出た METAL SLUG TOUCH は操作性最悪で、KOF にも昔を懐かしむ程度しか期待していなかったのだが、実際にプレイしてみて評価が一変。
ストリートファイターIV Volt(以下ストIV)に負けないクオリティの格闘ゲームだ。

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バーチャルスティックの操作性はストIV と比べてもまったく遜色なく、キャラクターのクイックな反応は操作して気持ちいい。
プレイヤー補助システムとしては1ボタンで必殺技が出せる簡易必殺技、オートガードシステム、ゲージタップで超必殺技が出せるなど充実した内容で非常にプレイしやすい。

上記のように、操作性やプレイヤー補助システムはストIV 丸パクリと言ってもいいほどなのだが、格闘ゲームとしてのシステムや演出は KOF のもの。
ボタン「パンチ」「キック」「必殺技」まではストIV と同じだが「回避」「HD」ボタンは KOF オリジナルのもの。
パンチ・キックは文字通り、必殺技はゲージを使う必殺技や簡易必殺技、回避は投げ技以外に対して無敵になって移動するいわゆる「回りこみ」。
HD はゲージが多いときだけ使えるパワーアップで、必殺技ゲージを1ゲージ使用する超必殺技をキャンセルして MAX 必殺技を使えるようにしてくれるが、一定時間が過ぎると必殺技ゲージがなくなってしまう諸刃の剣。
使った瞬間に全ての隙をキャンセルしてくれるので、連続技にも使用される。

KOF の特徴である3人1組のチームを作って入れ替わりで戦うチーム形式のバトルも健在で、ロード時間にいたってはストリートファイターIV Volt より短くストレスが少ない(iPhone 3GS、iPod touch 4G で確認)。
今回はこれに加え、1対1で戦うモードと、ひたすら戦い続けて連勝数を競うエンドレスモードを搭載。

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そして、KOF の華と言えば連続技。
通常技から必殺技へ、必殺技から必殺技へと派手に連続技がつながるのは爽快。

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超必殺技を使うためのゲージも溜まりやすくて、どんどん使っていける。
難しいことをしなくても十分に派手で強い連続技が出るのは嬉しい。
ただ、高難易度で強い連続技も多く全体的にストIV よりもテクニカルな操作を要求される。
特にHDボタンを絡めたコンボは難易度が高く、この点では少しゲーマー向けと言えるだろう。

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トレーニングモードの連続技もストIV と比べると明らかに難易度が高い(CPU と戦う上では簡単に出せる連続技だけでも大丈夫)。

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演出やストーリー重視の KOF とあって対戦前にはキャラクター同士の掛け合いがあり、ギャラリーではゲームのストーリーノベルを読むこともできる。

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必殺技で女性キャラクターに勝ったときの脱衣も再現。
演出の SNK らしさはばっちり。

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それ以外にもオマケ要素として、ゲームをクリアしていくと増えいくイラストギャラリーがある。
過去の公式イラストなどを収録しており、KOF ファンには嬉しい内容。
さらにゲームプレイで貯まるローズコインを消費してキャラクターのコスチュームとトレーディングカードを購入可能で、カードは総数100枚以上の上に1枚1枚が iPhone の画面いっぱいに使ったイラスト。
KOF 最新作のムービーを見ることもできてファンサービス満点以上。

Blue tooth での対戦はスムーズにプレイ出来るし、それ以外にもリプレイデータの送信や前出のトレーディングカード交換ができるのも嬉しい。
オンライン対戦がない部分を出来る限り補うようにサービスが好印象。

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キャラクターが14キャラクターとストIV と比べれば少なめだが、10月までに無料で20キャラクターまでアップデートされるとのことで死角はオンライン対戦がないだけ。
強いて言えばゲーム用語の説明が少し足りないように感じるが、イラスト・カードを集めることを考えると1人用でやるという点ではストIV を凌駕している
1人用で連続技を極めるというのもまた、ストIV よりも長く楽しめるチャレンジになるだろう。

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この完成度、格闘ゲーム好きは買っても損なし

ゲームセンターが衰退して久しいが、iPhone を舞台に再び「ストIV派」と「KOF派」に分かれる時代を楽しめそうだ。

動画