レビュー:あなたの脳はチンパンジーに勝てるか!? Human Devolution
タイトル:Human Devolution
ジャンル:脳トレ
価格:115円
ディベロッパー:nagisa works | Version:1.0 | GameCenter:対応なし
評価:3.0(面白い)
+チンパンジーへの知能テストを再現
+単純だがテンポよく気持ちのよいゲーム
+人が複数いるとなお楽しい
−成績を残せない
−シンプル過ぎる
チンパンジーの知能テストを人間がやるためのゲーム。
一見単純な移植だが、ゲームとして楽しめるように細部を詰めてありその作りはゲームの教科書のよう。
他人とプレイすると盛り上がる、人を巻き込むパーティー的な仕組みもあるのも良い。
しかも、アイデア出し含めて全てを1日で作成したという。
チンパンジーに挑め!
よく訓練されたチンパンジーはモニター上に並ぶ9つの数字を0.2秒で記憶できるという。
その実験をそのままiPhone/iPod touchに持ってきたのがこのアプリ。
画面に最大で1〜9までの数字が表示され、順番にタップしていくだけ。
ただし、制限時間が過ぎると数字は四角で覆われてしまって見えなくなる。
つまり制限時間内に画面上の数値の位置を記憶するゲームだ。
ステージをクリアするごとに数字が増えて制限時間が短くなって難易度が上がっていき、最終的にプレイヤーの記憶力がレベルで判定される。
本当にこれだけで、1ゲーム1分もあれば終わるのだがこのゲームは楽しい。
「脳トレっぽいしやってみるか」と思ってやってみるとテンポはいいし、クリアするたびになる効果音も気持ちいい。
ゲーム自体は脳トレのミニゲーム1つぶんなのだが、2度、3度プレイしてしまう中毒性があるものになっている。
ゲームの教科書と言っても良い作り
良いゲームには共通の決まり事がある。
1.プレイする気にさせる仕組みがある。
2.障害がある。
3.障害を乗り越えるとご褒美がある。
1がなければ誰もプレイしないし、2と3のバランスが悪ければいわゆるクソゲーになる(ものすごい障害をクリアしても、全然ご褒美がなければつまらない)。
例えばRPGなら「魔王を退治するために」「戦闘する」「クリアするとレベルアップして街の人がほめてくれる」というような形でこの仕組みが用意されている。
その点でHuman Devolutionはこの基礎が非常によくできた教科書のようなゲーム。
脳トレのように「自分の能力を知りたい」という人間の欲求を刺激する「プレイさせる仕組み」、記憶力ゲームという障害をクリアすると「あなたの知能LVがわかる」というご褒美がもらえる。
記憶力ゲーム内でも、1ステージクリアするごとに気持ちのいい音が鳴り響いてプレイヤーに達成感を与える仕組みがあり、「自分の能力を知る」大きなご褒美の前に、「ステージをクリアする」小さなご褒美を積み上げる「障害」と「ご褒美」の入れ子構造。
シンプルな中にゲームとして王道とも言える仕組みを持った「ゲームの教科書」とも言えるゲームに仕上がっている。
パーティーで真価を発揮
「科学者の実験で、チンパンジーが9つの数字を0.2秒で記憶できることが判明しているんだって。
その実験に使われたゲームのiPhone版がここにあるからちょっと試してみない?」
こう切り出すと大抵の人は乗ってくる。
ゲームがよくできていることもあって良い成績を出すために2度、3度プレイする人もいるだろう。
なにより「チンパンジーと知恵比べ」というのが絶妙で、人間のプライドをくすぐるのだ。
当然、次にくるのは成績の比べ合い。
人間、2人いれば序列が生まれるというが脳レベルの比べ合いはやっぱり盛り上がる。
あなたが勝っていればよし、負けていても慌てずにこう言おう。
「人間は道具を使う生き物だから、進化している人間ほどこのテストの成績は低いんだよね。
成績が良い君は、いちばんチンパンジーに近い進化していない人間ということだね」(得意げに
その後あなたがどうなるかはわからないが、とりあえずこのゲームはパーティーの落ちまで提供してくれる完璧ぶりだ。
是非、試してみてほしい。
さあ、あなたはゲームキャストの23LVを超えられるか。
超えた方にはもれなくチンパンジーの称号をプレゼント。