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レビュー:戦略性の高いバトル、そして粗さも味!? The-world

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タイトル:The-World
ディベロッパー:TheWorldProject
プレイ時Version:1.0
ジャンル:RPG
価格:450円
The-Worldの詳細・DLはこちら(itunes)

The-Worldは高度な戦略性のあるバトルシステムが売りのRPG。
日本語対応だが、画面・操作共に不親切なので普通のRPGを求める方には向かない。
が、ちょっと理不尽系でやり込みができる昔ながらのRPGを求めていれば逆にストライク。
粗いが楽しめる、そんなRPGだ。

バトルが主体
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The-worldはダンジョンを突き進む、ウィザードリィ風な雰囲気をもつダンジョンRPG。
16種の職業から選んでキャラクターを作り、最大12人パーティーを組むことができる自由度とそこから生まれる戦略が売り

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バトルシステムはかなり特徴的で、基本となるのは細かく条件付けしてキャラごとの行動を設定したオート戦闘。
その設定は多種多様で、やり方次第では人間が操作しているのとそこまで変わらない戦闘が可能。
コマンドを入力することもできるが、実際は仲間が多いと面倒でやってられないのでこちらはボス戦など専用のオマケ程度。

それ以外についてはダンジョンを進み、戦い、アイテムを発見・購入してパーティを強化する昔ながらのRPGである。

こだわりのバトル
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バトルシステムはファイナルファンタジーのようなアクティブタイムバトルに、ヘイトシステムを加えたもの
ヘイトシステムとは「モンスターは自分に大ダメージを与えたキャラクターを狙う」システムのこと。
魔法使いなどのキャラクターは1撃で与えるダメージが大きいかわりにモンスターに狙われやすく、防御も弱いのですぐ死ぬ。
「挑発」コマンドを使用してモンスターの注意をそらして弱いキャラを守るなどの攻防が展開され、戦略性は高い。

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その上で、最大12人のパーティーメンバー全員に対して、職業ごとに覚える「特定の特技」を、「どの優先順位で」、「どんな状況なら」使うかをいちいち設定するのがまた楽しい。

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例えば、上から順に
「自分自身に」「プロテクト」
「HPが40%未満の仲間がいれば」「ヒール」
「最もHPが低い敵に」「攻撃」
と指定した場合。

まず自分自身にプロテクトを使用する。
プロテクトがすでにかかっていた場合、HPが40%を切っている仲間がいればその仲間にヒール(HP回復)、そのどちらにも当てはまらなければ弱っている敵を攻撃する、と言った具合。
実際にはさらに細かく指定するようになるが、前記の攻防の戦略と合わせてかなりこだわれるようになっている。

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自分の戦略でパーティーの戦力が向上し、勝利したときの喜びはひとしおだ。
ただ、これは面倒くささと紙一重なのでマニアプレイヤーの自負がないと厳しいかも。

粗い!が楽しめる
イースが「ゲームは優しさの時代へ」と言ったのはいつのことだったか。
The-worldは昨今の「RPGは簡単で誰でもできます」という風潮に真っ向から逆らったゲーム。
グラフィックはファミコン級、画面のレイアウトも洗練されておらず、最低限しかないストーリー、そしてゲーム中は操作の説明ほぼなし。

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ダンジョンは一見ウィザードリィ風の3Dだが、画がイマイチなので2Dのマップを見なければ勧めない。
そのマップも異常に細かくて見づらい。
ゲームの情報はほぼすべて下部のメッセージウィンドウに表示されるが、文字が小さくて見づらいし、戦闘中は異常な早さで流れるので見ていられない。

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アイテムの能力や固有のパラメータ(重さ・間隔など)、キャラクターの技にも一切の説明がなく、大昔のゲームをプレイしている気分だ。
正直に言うと今の常識では到底受け入れられない。
特に表示関連は見づらいのでRetinaディスプレイ必須と言いたい。

ただ、それでもRPGのお約束を知っているプレイヤーならプレイできないことはないし、「ちょっと理不尽なゲームを力でねじ伏せる」系統の面白さがあるのも確か。
ダンジョンが進むたびにインフレする敵、組み直されるキャラへの命令、敵が落とすバランスを破壊するほど強いレアアイテム、そして最終手段「自動レベルアップ」(操作しなくてもキャラが自動で戦ってくれるので、アプリを起動してダンジョンに入るだけで経験値を稼いでくれる)。

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もう少し操作系、文字表示など丁寧にしてくれれば間違いなく楽しめるゲームの一つなのだが…。
昔のような理不尽系RPGをプレイしたければおすすめ。
そうでなければ回れ右の一作。


トシの評価(5段階)
大昔のRPGをプレイしているような感覚に襲われるRPG。
ファミコンのウィザードリィよりも少し粗い感じ。
はまる人はハマる、普通のRPGを求めているなら絶対にやってはいけない、そんなゲーム。
やり込み系だが、いつでもどこでもセーブして中断できる「携帯RPG」という枠は守っており、波長が合えばかなりいいはず。
ただ、450円はちょっと高いか。

総合:2.5(楽しめる)
+ヘイトシステムを採用した戦略性の高いバトル
+理不尽なバランスを打ち負かす楽しさ
-文字が細かすぎる
-ダンジョンが見づらい。
-操作やガイドが不親切