レビュー:戦術+射撃のタクティカルFPS、レインボーシックス:Shadow Vanguard
タイトル:レインボーシックス:Shadow Vanguard
ディベロッパー:Gameloft
プレイ時Version:1.0.0
ジャンル:タクティカルFPS
価格:800円
特殊部隊の隊長となり、テロリストの撲滅や人質の解放を目指すFPSシリーズ。
FPSの中でも隠密行動、チームメンバーの行動指示など戦術面が重視されているタクティカルFPSというのが売り。
iPhoneでは初となるタクティカルFPSというジャンルだけでなく、オンライン協力プレイ、対戦搭載など意欲あふれる挑戦作だ。
レインボーシックスとは
原作は小説家『トム・クランシー』の特殊部隊もの。
『レッドオクトーバーを追え』など有名作品の作者で、政治・軍事物に関して有名小説家である。
ゲームのレインボーシックスはPCから家庭用機まで何作もリリースされている人気シリーズFPS(1人称視点のシューティングゲームの略)。
基本的には一般的なFPSを踏襲しているものの、戦術性の高さという点に重点を置いて製作されていることが特徴。
プレイヤーは超人的な能力のない、敵に撃たれれるとすぐ死ぬ一般兵。
マップを見て敵の状況を上手く探り、チームメンバーに指示を出して突破するのがこのシリーズの醍醐味だ。
ゲームの基本
仮想スティックで移動、射撃ボタンで銃を撃つなどゲームの基本操作は非常にスタンダードで同じゲームロフトの『モダンコンバット2』とほぼ同じ。
だがプレイヤー1人の力は弱く、同社の他のFPSのように敵の目の前に出ようものなら数秒で蜂の巣にされて即死。
物陰に隠れ、敵を確認し、仲間に指示をして敵に気付かれないように一気に片付ける必要がある。
敵に気付かれないように上手く立ちまわるプレイ感覚は『スプリンターセルコンヴィクション』に近いと言えるだろう。
このゲームの基本的な展開はこうだ。
まず、作戦マップで地図と目的を確認し、侵入ルートを決める。
つづいて仲間に指示を出しつつ、目標となる場所まで移動。
そのまま扉や障害物の陰からカメラを通じて敵の様子を確認。
敵の様子や状態に応じて判断し、仲間に指示を下して戦っていく。
作戦がうまくハマれば敵は一瞬で倒れていくし、見つかっていれば隠れながら戦う。
乱戦になっても仲間の位置をうまく指示して戦局を変えて行くことが重要になる。
地形や状況に応じた戦術が重要になるまさに「タクティカルFPS」だ。
1人用はかなり新鮮で楽しい
1人用としては11ミッションからなるストーリーモードが用意されており、これはかなりのボリューム。
毎回冒頭でミッションが説明され、目的に応じた救出・暗殺作戦などを行うこととなる。
室内が多いものの、ロケーションは野外やビル、軍事施設など様々で使い回し感のないのが好印象。
ときどき入るムービーシーンの雰囲気もいかにもUS軍事ものという感じだし、ストーリー的にもきっちりしている。
ゲーム的にも敵に気付かれず倒していく潜入、そして仲間を指揮して戦う「集団戦」の2つが楽しめるので単調にはならない。
ミッションごとに成績が表示され、結果に応じて階級が上がっていくシステムもなかなか良い。
階級が上がると武器などが増えるのでやりがいがあるし、「パーフェクトリーダー」や「潜入成功」はそこそこ難しく、高い難易度でチャレンジするとやりがいがある。
飽きずに楽しめる良作だ。
面白いが課題が残るCo-op
レインボーシックスもう1つの売りはCo-op。
同時に3人までのプレイヤーと協力してステージをクリアできるようになっている。
CPUではなく人間同士が協力して作戦を展開できるのは大きな魅力。
1人用とは異なる戦術が生まれる箇所もあり、特にBlue toothで声をかけながらプレイするのは楽しい。
これは一緒にプレイする人がいたら是非試して欲しいほど。
が、wi-fiとなるとラグが発生したり、仲間が突然オフラインになって1人でプレイするハメになったり、iPhoneであれば電話などが割り込むとそのままゲームに復帰できないというのもつらい。
腰をすえて長時間遊ぶタイプのゲームなので、このあたりは解消して欲しかった。
また、「協力」よりも「対戦」を全面に押し出しているため、知り合いとプレイするのでもなければ同じステージをどんどん競争するように進んでいき、より敵を早く倒すアクションゲームになってしまうのも残念。
ストーリーモードと同じように話も展開されるのに、ステージをクリアーしても次ステージへいけないのもイマイチ。
もう少し協力を楽しませて欲しかった。
まだ内容を知らないステージを2人で手探りで楽しめたら間違い無く楽しいはずなのだが。
対戦は普通
対戦モードはデスマッチのみで、操作は「ダッシュ」ができない以外1人用と差はない。
ストーリーモードのステージをベースとして大きく改変された5ステージはそれぞれに面白そうだし、「障害物に身を隠す」という要素が新しい遊びを生むかと思ったのだが、結局普通のFPS対戦であった。
しかも、モダンコンバット2の方が動作がスムーズな印象。
回線の差もあると思うが、同じ場所・同じwi-fiでレインボーシックスの方がラグが発生する。
同じメーカーなのでそこまで変わるとは思えないのだが、Co-opも落ちやすいし、ネットワーク部分では劣っているとしか思えない。
それでも楽しめるし、問題があるというほどではない。
が、オンラインプレイを楽しみたいならばこちらよりもモダンコンバット2がおすすめ。
楽しいがオンラインに難
タクティカルFPSという性質上、1人用のミッションは考えることも多く充実している。
ステージも多いし、環境も様々だ。
1人用のFPSとしてはトップクラスに充実している内容と言えるだろう。
が、オンラインとなると一変、普通のゲームとなってしまう。
対戦が普通程度なのもあるが、それ以上に目玉のCo-opの環境がいまいち。
戦術重視なのに、戦術も何もなく競争するだけになるので、Bluetoothで知り合いと声をかけながらやる以外は楽しみが薄い。
iPhoneで初めてのタクティカルFPSということで、1人でなら新鮮に楽しめるFPSとして非常におすすめできるが、オンラインはオマケ程度に考えたほうがよい。
トシの評価(5段階)
iPhoneのゲームであれば『スプリンターセルコンヴィクション』、ちょっと異なるが有名ゲームなら『メタルギアソリッド』のように楽しめる「潜入」、そしてチームプレイ重視のFPSバトルが楽しめる1つぶで2度美味しい作品。
ただ、wi-fiでのオンラインは不安定なことが多く、オンラインには過剰な期待をしないほうがいい。
1人用、もしくはBlue toothで話しながらのプレイはかなり楽しいのでおすすめ。
特殊部隊の1人として建物や戦場を攻略するタクティカルFPSとしての面白さななので、アクション重視のFPSとは少し違うのでそちらを求める方はモダンコンバット2やN.O.V.A2をどうぞ。
追記:
以前バグと遭遇したと書いたが、iPhone3GS、iPhone4では確認できず、iPod touchでもそんなに多発しなかったので安心して買っていい。
総合:3.5(かなり面白い)
+戦術が求められる戦術FPS
+評価を高めること=より良い戦術に繋がる
+Co-opはBlue toothなら楽しい
-オンラインが不安定