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『テイルズオブルミナリア』2022年7月20日でサービス終了。キャラと映像、毎週ストーリーを配信する体制は素晴らしかったが……

テイルズ オブ ルミナリア (App Store 無料 / GooglePlay 無料)
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スマートフォン向けRPG『テイルズ オブ ルミナリア』が、2022年7月20日でサービス終了になることが発表された。
本作は、バンダイナムコエンターテインメントとコロプラが共同開発した作品で、『テイルズオブ』シリーズのスマートフォン向け完全オリジナルタイトル。
アニメが動いているかのようなキャラクター表現、21人のキャラクターそれぞれに異なる遊びを用意したアクションRPGとして気合の伝わる内容ではあったが、2021年11月4日にリリースされておよそ8カ月半で終了となる。
当初予定していた物語は完結しないが、1月に公開されたアニメ『テイルズ オブ ルミナリア The Fateful Crossroad』とつなぐ、ユーゴが帝国へ亡命した真相について語られるエピソードが配信されて物語の区切りになるとのこと。

最初に書いておくと、本作は良いところも多いゲームだった。
美しい背景、それをバックに動くキャラクター、縦画面を活かしたカメラワークなど映像表現が良かっただけでなく、オンラインゲームらしからぬ歩き回れる町の表現など「テイルズオブらしさ」を出そうと必死に工夫した様子が見て取れた。
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キャラクターデザインは良いし、そもそもプレイ中に自然と語られるストーリーの語り口も良かった。
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▲プレイしていると勝手にキャラクター性が伝わってくる語り口が良かった。

しかも、アニメ1話分程度のボリュームがあろうストーリーを1週間に1話配信する(しかも、映像クオリティは高い水準を保っていた)ことをやりきっており、制作体制についても綿密に作られていたこともわかる。
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こんな感じで「キャラと映像は良い」ゲームだったのだが、私の見るところそもそも基本設計に問題を抱えていた。
本作は縦画面で遊ぶゲームなのに、縦画面で遊ぶ上でストレスフルな遊びが多く、ゲームプレイ部分に致命傷を抱えていて、どれだけストーリーが追加されてもストレスの元であるゲームプレイも同時に追加されてしまうため、覚悟が決めないとついていけないゲームでもあった。
運営型前提の仕組みで物語を提供する意欲作『テイルズ オブ ルミナリア』レビュー。随所に光る箇所があるも、土台に欠陥を抱える惜しさ
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▲画面外からトラップが飛び出す

『テイルズオブ』シリーズで1年未満のサービス終了は驚くが、上記に加えてリリース最初期のバランス調整ミス(修正済)、一番最初に体験するストーリー第1話だけが特にいまいちなどの問題もあるし、何より映像の製作コストがとびぬけて高いことは予想されるので、多くの要因が重なった結果としては仕方ないのだろう。
ただ、「テイルズらしさ」は確かに出ているし、物語面に気合が入っているのは遊べば伝わるので、まだプレイしていないファンの方は終わる前に体験しておくといいだろう。

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