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10年の沈黙を経て登場したバイクゲーの巨星『BIKE BARON 2』レビュー。気持ちよさを優先した非リアルな挙動で、トラップだらけのデスロードを走り抜ける爽快死にゲー

Bike Baron 2 (App Store 860円 / Steam 予約受付)
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物理シミュレートされたトラップ満載の、何が起きるかわからないデスロードを走るバイクゲーム『BIKE BARON』。
その10年ぶりとなる完全新作『BIKE BARON 2』がついに登場した。
初代作品は2011年に登場するや各ゲームサイトで絶賛され、当時の月間ベストゲームの賞などを大量に獲得したが……実は今作も基本的な遊び方、コンセプトは一切変わっていない。
だが、10年の歳月=スマホの性能進化がゲームを大幅に面白くしている。

グラフィックが進化し、走る爽快感はアップ。
スマホ性能の向上で配置できるトラップが増えてよりコースは多彩に。
コースがぶっ壊れたり、障害物の動きを見る物理シミュレートの面白さも進化。もともと爆発しまくるゲームだったが、火薬の量も大幅増量。
2011年に絶賛された面白さはそのままに、思わず「おお!?」っと声が出てしまうほど演出が進化した本作は間違いなく面白い。

『BIKE BARON 2』では、左右の重心移動と前進、STOP(押し続けると後退する)の4ボタンでバイクを操作する。
触ってみて最初に驚くのは、疾走感の気持ちよさ。
音も、走りっぷりも、高速で風景が流れていく様子も気持ちよく、触り心地の時点で前作をしのいでいる。
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▲バイクの動きは非リアルで、タイヤが少しでも接地していれば加速できる。ゲームとして気持ちいい、非リアルと言った感じ。

続いてやってくるのはトラップだらけのアスレチックコースの凶悪さ。
コースにはさまざまなトラップが仕掛けられており、ドライバーが触れたら即座にお陀仏。
バイクは丈夫なので、重心移動を使ってドライバーを守るようにタイヤ面を障害物に向けるテクニックが重要となる。
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これは慣れるまで難しいが、爆風で吹っ飛んで派手に倒れるユーモラスなところも含めてこのゲームの面白さだし、チェックポイントからすぐさまリトライできるのでストレスも低い。
気持ちよくリトライできる“死にゲー”と言えるだろう。
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▲ミスしたときは物理シミュレーションでドライバの体が動き、リトライボタンを押すまでずっと後を追える。

その“死にゲー2の核となる仕掛けは、先ほど書いた通りにこれでもかと用意されている。
ばねの仕掛け、凹凸の多いコース、タイヤの回転を利用して動かす物体、天井を走って抜けるコース、それらの複合物、などなど。
単純に速度の調整で抜けられるものから、少し頭をひねるものまで実にさまざま。
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ステージの作りも良く練られており、ある程度トラップを切り抜けると爽快な高速道が用意されており、難しいトラップと走り抜ける気持ちよさがメリハリをつけて交互に提供される。
さらにプレイヤーがコースを覚え、速度を落とさずにトラップを抜けられるようになると、高速道はその加速度のままより速く走れるし、止まらずにコースを駆け抜ける気持ちよさが得られる。
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ゲーム内には全50コースあり、プレイヤーは好きなコースから購入してプレイできる。
全作経験者がいきなり難しいステージから購入しても良いし、普通に簡単なコースからプレイしていくも自由。プレイヤーのスタイルに合わせて遊べるようになっている。
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スマホの性能進化によって可能になった新しいロケーションもあり、過去作をプレイしている方も新鮮な気持ちでプレイできるだろう。
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同ジャンルのゲームがトリック(空中回転回数など)を盛り込んでいるのに対して、パズルギミック的なトラップをノーミスで解かせる爽快感に集中しており、ゲームとしてはとてもストイック。
やり込みについても各ステージに設定された3つのミッションを攻略し、タイムアタックするだけ、というところが気になるが、コアのゲームプレイは快適でとても面白い。

ゲームにはシステムが改善されて時間とともに古くなるもの、古くなりづらいコアな面白さだけを持つものなどさまざまあるが、『Bike Baron』はまさに後者。
遊び方はほぼ同じでも、現代の技術に合わせて作り直すだけで明らかに面白くなり、素晴らしいものに仕上がっている。
過去に『Bike Baron』にハマった方も、気軽に遊んでハイになれるバイクゲームを探している方も本作はおすすめだ。

プレイ動画:


概要:
ゲーム的な挙動のスーパーバイクで、デスロードを走り抜ける爽快死にゲー。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
 多彩で見栄えのするコース
 派手で面白い物理挙動
 操作して爽快、タイムアタックをすると緻密なドライブ

気になるポイント
 トリックを決めることに意味が欲しかった

アプリリンク:
Bike Baron 2 (App Store 860円 / Steam 予約受付)

開発: MOUNTAINSHEEP
販売:Cornfox & Brothers Ltd(フィンランド)
レビュー時バージョン:1.0.5
課金:なし

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中