食いしん坊猫のクロンが、ゼリーの島をストローで吸って食べるコミカルなパズルゲームが登場した。
『クロンとゼリー』だ。
ぷるんぷるんのゼリーの島は食べ物であると同時に、クロンの足場でもある。ゼリーはたくさん食べたい。しかし、食べ過ぎると足場がなくなっておぼれてしまう。
そんなわけで、ゼリーの強度、重さ、傾きを計算して限界まで食べる知的な食いしん坊パズルが始まる……！……の前に、クロンがゼリーを食べるに至った経緯から説明していこう。
ある日、寝床を探して歩いていたクロンは、船の中に気持ちよさそうなベッドを見つける。
▲その後の展開が見える船のベッド
そして気持ちよく寝ている間に船は流され、クロンは陸に戻れず、お腹もペコペコ。
そんなとき、目の前に現れたのは……！
ゼリーでできた島。さっそく、持っていたストローでちゅるちゅるとゼリーを吸い込むクロン。
そして見回せば、周囲はゼリーの島ばかり。
「残りのゼリー島も全部食べてやるニャ！」と、活動を開始するのであった……。
果たしてゼリーを食べた先に何があるのか。そして、クロンは生きていけるのだろうか。
という感じで、『クロンとゼリー』はクロンのストローを操作し、ゼリー島を食べまくるパズルゲームである。全70ステージが用意されており、毎ステージ異なるゼリー島が用意されている。
で、プレイヤーが操作するのはクロン……ではなく、クロンの持つストロー。
プレイヤーが画面に触るとストローの吸い口が指先の位置に移動し、クロンちゅるちゅるとゼリーを吸い始める。
そして、ゼリーを食べると画面左上の“まんぷくメーター”が上昇し、ステージごとに定められた目標に達すると“食べ終える”ボタンが表示され、これを押してから5秒間クロンが静止していられるとステージクリアとなる。
それだけならゲームとして簡単なのだが、クリア時にはゼリーを食べた量に応じて星1つから星3つまでで成績がつく。
星1つでのクリアは簡単だが、星3つのクリアはとても難しく、限界までゼリーを食べなければならない。もちろん、限界まで食べるとゼリー島の強度は低くなり……。
最後には沈んでしまう。ギリギリまで食べる、水には浸からない。
島の構造を利用し、この2つを両立する食べ方を模索するのが楽しいパズルとなっている。
この手の「強度を計算しながら崩す棒倒し系物理パズル」として App Store でも人気を誇ったことがあるが、本作には2つのオリジナリティがある。
1つはストローでどんな場所のゼリーでも据えること。いきなりゼリーの内側からくりぬくようにも食べられるので、パズルとしての自由度が高い。
次に、ゼリーという材質。
ゼリーの見た目が楽しいのもあるが、特にギリギリの状況で「頼む、ゼリー島よもってくれ！」と点に祈る気持ちで見ているとき、ぷるぷるとたわむゼリーの動きがプレイヤーを絶妙にヒヤヒヤさせる。
▲クリア瞬間にゼリーが割れるようなギリギリの状況も……。
その上で全70のステージはギミック豊富で、次々に新しい要素が登場してプレイヤーを飽きさせない。
また、通常のパズルゲームのように星3つ評価をとって終わりではなく、星3つとった後でさらに限界までゼリーを食べて世界ランキングに挑戦するやりこみも楽しめる。
空と光に注力したグラフィックも美しく、さまざまなモチーフを利用したステージを見ることも楽しみの1つだ。ときおり太陽がまぶしすぎてプレイしづらいことがあるのは気になったが、太陽光がゼリーを美しく見せているので、単純な欠点とはいいがたい。
▲夜の星空もキレイ。
全体として見て、半透明のゼリーと光のグラフィックが美しく、物理パズルゲームとしてのオリジナリティもあって、ステージ構成は「簡単にクリアできて、星3つクリアには考える必要がある」もの。
ゲームプレイはスタミナ式を採用しているが、課金しなくても十分回復するし、600円でスタミナを無限にすることもできる。また、広告を1度見るだけで30プレイ可能と広告視聴のコストパフォーマンスも高いのもうれしい。
1人で作ったのが信じられないほど良くできている作品なので、物理パズルが好きならば、まず試して欲しい。
評価：7（要チェック）
おすすめポイント
ぷるぷるのゼリーを吸い取る強度パズル グラフィックがかわいくも美しい ステージのバリエーションがあり、適度に考える気になるポイント
太陽がまぶしいアプリリンク：
クロンとゼリー (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)開発：たつのる（日本）
レビュー時バージョン:1.1.1
課金:無限スタミナ600円
公式ページ：https://twitter.com/tatsunoru
ライター：ゲームキャスト トシ
動画：
