ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

材料も見た目もこだわった地ビールを売る経営ゲーム『Brew Town』レビュー。自分でデザインしたものを売る喜びが確かにある

576x768bb

自分だけのこだわりの酒を造る妄想をする方は、酒飲みの中でも結構いるという。
『Brew Town』はそんな妄想を叶えるインフレゲームだ。
本作はオリジナルの材料でビールを作り、プレイヤー自身がデザインしたボトルに詰めて出荷する“ビール工場経営インフレゲーム”である。
ゲーム自体はすごくシンプルだが、自分の望みの材料でビールを作り、パッケージも自由に設定した後で、それが売れていく様子を見る楽しさは酒飲みみょうりに尽きる。

ゲームを始めると殺風景な村が表示される。麦しか特産物のないこの村を、地ビールで盛り上げるのが本作の目的……だと思う。
まあ、とにかく最初はLABOでビールを研究するところから始まる。
brew-1

まず、ビールの属性を選んだら、混ぜる成分を決定する。
基本的にビールの属性と同じ色が相性がいいようだ。
brew-4

続いて、メーターの針がグリーンゾーンにある時に“STOP”ボタンを押すタイミングゲームが始まる。
うまく止められると、ビール価格がバカ上がりする。
brew-5

そして、この先がゲームで一番の肝。オリジナルボトルのデザインである。
本作では自由にイラストを描くことができないが、決まった図形を組み合わせ、それに好きな色を塗ってオリジナルのボトルを作ることができるのだ。
brew-7
▲図形には三角や四角、円などのベーシックなもののほか、船やタコなど定番イラスト、文字類も。いずれも拡縮・回転、反転可能。

ビール瓶の色とビールキャップの色も個別に変更できる。
brew-8
また、缶ビール党の方は缶包装を選ぶことも可能だ(缶ビールの場合、キャップは上辺の色になる)。
ちなみに、私が図形やデカールを組み合わせて初めて作ったビールがこちら。
どんなビールか伝わらないが、それなりにおいしそうではないだろうか?
brew-9
▲作ったデザインは「このデザインいいと思う?」というゲーム内投票機能で世界中の人に評価される。人気が高いデザインは売れ行きも良くなるようだ。

公式サイトをのぞくと「今人気のデザイン」が確認できるが、かなりいい感じのものも作れる。
また、ゲーム内通貨(序盤に買うには高いが、中盤以降は買い放題)で完成されたデザインを購入し、それをアレンジすることも可能だ。
WS000027

そしてビールを作ったら畑から麦を収穫し、次はWarehouseでの生産に移る。
とはいえ、この先に難しい工程はない。生産したいビールを選んで、麦を消費すれば、一定時間後にビールが出来上がる寸法だ。
brew-2
▲★はおいしさ、ハートは人気。人気が高いと売れる。

ビールができたら、次はパッケージング。
パッケージ工場を連打すると、無印のボトルがプレイヤーのデザインしたボトルにラッピングされる。
このあたり、単に連打するより「自分で作っているものが大量生産されている」実感があってかなり良い。
brew-6

ビールを作ったら、BAR(酒場)に出荷すると自動的に少しずつ売れてお金になり、お金を稼いだらラボやバー、生産工場などを強化して……と、あとはお決まりのコースが待っている。
brew-3
▲生産能力を上げるスキルもお金で買える。

何かを販売するゲームは数多くあるが、自分で時間をかけてデザインしたものが売れていく喜びが本作の肝であり、私がこのゲームを紹介する理由だ。
1時間かけて悩んだパッケージが売れていくのは嬉しいし、手間をかけたものほど研究時間をかけてより売れる商品にしたくなる。
▲限界まで頑張って不格好なものができても、それはそれで愛しい。

『Brew Town』は、ビール工場経営ゲームでありながら、経営を楽しむのではなく作った製品を愛することを私に教えてくれたのだ。
その点において素晴らしいのだが、一方でインフレ経営ゲームとして見ると本作は問題を抱えている。
というのも、早々に村の設備が最強になってしまい、2日でやることがなくなるからだ。
キャップと呼ばれる課金通貨で時短したり専用パワーアップを買ったりもできるが、購入するまでもなくキャップももらえるし、スムーズに遊べる。
brew-11

そうして今、私の村では近未来的なタンクにビールがため込まれ、プラズマを発する装置がビールのパッケージングをしている。
だが全体に演出は貧相で、村はスカスカで成長した満足感も薄い。
brew-12

「自分が作ったものを愛して出荷する」経験はそれだけで楽しいし、それには満足している。
あとは見た目の満足感と、やりこみ度が上を上げてくれれば完璧なので、それは今後のアップデートに期待したい。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
オリジナルボトルを作るのが楽しい
オリジナルボトルを生産していると、作業も楽しい

気になるポイント
経営して商売を大きくする楽しみが薄い

アプリリンク:
Brew Town (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

販売: AppBox Media(イギリス
開発: I Fight Bears(イギリス
レビュー時バージョン:1.0.4
課金:ボトルキャップ(お高め)、貯金箱の取り崩し360円(長期プレイで有用)
公式ページ:http://www.brewtowngame.com/
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: