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サバイバル村づくりゲーム『The Bonfire: Forsaken Lands』日本語化をスタッフになって知った「海外インディーゲームが日本語に対応しない理由」

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3月13日深夜、『The Bonfire: Forsaken Lands』がバージョンアップして、ずれていた日本語訳などが修正された。
本作は古の神を阻止するため、極寒の地に乗り込んで火を灯し、人々を集めて村を作る村づくりサバイバルゲームで、結構面白いのに日本語が致命的に狂っていてレビューが荒れている。
しかし、それもおしまいだ(ぜひ、日本語が直ったことをレビューして欲しい)。

で、実は修正版の日本語はゲームキャストが担当しているのだが……その過程で「なぜ、インディーゲームが日本語に対応しないか、もしくは訳がひどいのか」という理由の一端が見えたので書いておきたい。
もともと、『The Bonfire: Forsaken Lands』の訳がゲームにならないレベルだったので、致命的にマズいところだけ指摘しつつ「なんでこんなことになったのか?」聞くつもりで連絡を取ったが……翻訳対比表のExcelが送られてきて、勢いで全体の日本語を修正することになった。
開発参加って、こんな簡単でいいのかってぐらい簡単に、あっけなく。
なお、『The Bonfire: Forsaken Lands』においては、日本語訳はアジアの方が中国語版をベースに行っていたようだ。
ベースとなる中国語のデータがずれていたため、ゲーム内の日本語もずれていた。
また、中国語から日本語にする過程でテイストも変わっていたように見受けられる(こういったケースは結構あるようだ)。

で、直しついでに「インディーゲームは日本で有料ゲームが売れないから翻訳しないのか」と聞いて見たところ、返ってきた答えが下記となる。
通常、Reddit(掲示板)やFacebookグループなどでゲーム好きのコミュニティがあり、そこの住人に開発中のゲームを見せると気に入ったゲームのボランティアが開発やテストに参加してくれるという。
多くのインディーゲーム開発者は翻訳予算に優先順位をつけているのではなく、一緒にゲームを作るボランティアの中で多言語を扱える人間が好意で翻訳してくれていて、日本語を扱える人がいないだけだと教えてくれた(おそらく、他のゲームでも同じことを聞いたので間違いない)。
日本語のためにそういったボランティアを探すが、英語ベースの開発やテストに参加する日本人はまずいないのでインディーゲームの日本語訳がなされないのだという。

つまり、インディーゲームのサポートコミュニティにおいて、日本人が不足している。
それだけが日本語対応が少ない(そして訳がヘンテコだったりする)理由らしい。

小規模のインディーゲームメーカーは結構緩くて、「俺、日本語訳できるよ」なんて言えばExcelファイルなどが送られてきて、簡単に翻訳に参加できることが多いとのこと。
もし、「好きなゲームが日本語化してもっと広まって欲しい!」なんて強く思っている方がいれば、作者にメールで「俺、日本語に翻訳するよ」なんて言ってみたら意外とすぐにゲーム開発に参加できるかもしれない。

最後に、『The Bonfire』に関してはまだ緊急の手直しだけしてあるし、変更後の確認もしてないので、今のものからもう少し変わる予定だ。
ただ、プロではない(むしろ英語できない)人間なので、クオリティは保証できない。もし、訳が気に入らなければ本ブログコメント欄で修正希望を出して欲しい。

アプリリンク:
The Bonfire: Forsaken Lands (itunes 480円 iPhone/iPad対応)