サバイバル村づくりゲーム『The Bonfire: Forsaken Lands』日本語化をスタッフになって知った「海外インディーゲームが日本語に対応しない理由」
- コラム
- 2018年03月14日

3月13日深夜、『The Bonfire: Forsaken Lands』がバージョンアップして、ずれていた日本語訳などが修正された。
本作は古の神を阻止するため、極寒の地に乗り込んで火を灯し、人々を集めて村を作る村づくりサバイバルゲームで、結構面白いのに日本語が致命的に狂っていてレビューが荒れている。
しかし、それもおしまいだ(ぜひ、日本語が直ったことをレビューして欲しい)。
で、実は修正版の日本語はゲームキャストが担当しているのだが……その過程で「なぜ、インディーゲームが日本語に対応しないか、もしくは訳がひどいのか」という理由の一端が見えたので書いておきたい。
もともと、『The Bonfire: Forsaken Lands』の訳がゲームにならないレベルだったので、致命的にマズいところだけ指摘しつつ「なんでこんなことになったのか?」聞くつもりで連絡を取ったが……翻訳対比表のExcelが送られてきて、勢いで全体の日本語を修正することになった。
開発参加って、こんな簡単でいいのかってぐらい簡単に、あっけなく。
なお、『The Bonfire: Forsaken Lands』においては、日本語訳はアジアの方が中国語版をベースに行っていたようだ。
ベースとなる中国語のデータがずれていたため、ゲーム内の日本語もずれていた。
また、中国語から日本語にする過程でテイストも変わっていたように見受けられる(こういったケースは結構あるようだ)。
で、直しついでに「インディーゲームは日本で有料ゲームが売れないから翻訳しないのか」と聞いて見たところ、返ってきた答えが下記となる。
通常、Reddit(掲示板)やFacebookグループなどでゲーム好きのコミュニティがあり、そこの住人に開発中のゲームを見せると気に入ったゲームのボランティアが開発やテストに参加してくれるという。
多くのインディーゲーム開発者は翻訳予算に優先順位をつけているのではなく、一緒にゲームを作るボランティアの中で多言語を扱える人間が好意で翻訳してくれていて、日本語を扱える人がいないだけだと教えてくれた(おそらく、他のゲームでも同じことを聞いたので間違いない)。
日本語のためにそういったボランティアを探すが、英語ベースの開発やテストに参加する日本人はまずいないのでインディーゲームの日本語訳がなされないのだという。
つまり、インディーゲームのサポートコミュニティにおいて、日本人が不足している。
それだけが日本語対応が少ない(そして訳がヘンテコだったりする)理由らしい。
小規模のインディーゲームメーカーは結構緩くて、「俺、日本語訳できるよ」なんて言えばExcelファイルなどが送られてきて、簡単に翻訳に参加できることが多いとのこと。
もし、「好きなゲームが日本語化してもっと広まって欲しい!」なんて強く思っている方がいれば、作者にメールで「俺、日本語に翻訳するよ」なんて言ってみたら意外とすぐにゲーム開発に参加できるかもしれない。
最後に、『The Bonfire』に関してはまだ緊急の手直しだけしてあるし、変更後の確認もしてないので、今のものからもう少し変わる予定だ。
ただ、プロではない(むしろ英語できない)人間なので、クオリティは保証できない。もし、訳が気に入らなければ本ブログコメント欄で修正希望を出して欲しい。
アプリリンク:
The Bonfire: Forsaken Lands (itunes 480円 iPhone/iPad対応)
コメント一覧 (21)
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- 2018年03月14日 08:53
- いい記事でした
ただ翻訳にもブログでお馴染みの誤字がないか心配w
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- 2018年03月14日 09:23
- ほほーん。架け橋ゲームズとかだけでは流石に人手が足りてないんすな。
お馴染みの誤字てw
セルフチェックには限界がありますがな。結構生まれ持ったものも関係するしね。
気づいた人が教えたげて直す。ありがとうと返す。それでいいんや。
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- 2018年03月14日 09:38
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日本語訳の問題、というよりインディの良さが感じられる記事でした。
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- 2018年03月14日 10:24
- 私も好きなので日本語訳やらせてくだだい!とお願いしたらあっさりと参加させてくださりました。
漢字フォントが中国語だったのもお願いして変えてもらったり本当にフットワークが軽いんだなという漢字でしたね。
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- 2018年03月14日 10:44
- ローカライズ、さらに踏み込んでカルチャライズする難易度は高い上、第二言語の英語が「使える」人って日本では壊滅的にいないからなあ……
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- 2018年03月14日 11:19
- インディーの人たちってボランティア基準でカネも無いですからねー。
いわゆるメーカー製のゲームだと翻訳会社(日本、アメリカ、イギリス、香港、シンガポールなどにいくつもあります)を通すことになるんですけど、ワード単位で相互翻訳の価格が出てくるので、テキストの多いプロジェクトだと予算計上段階で目の前が真っ暗になることあります。
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- 2018年03月14日 13:44
- ※2と※3のやりとりがイイww
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- 2018年03月14日 16:08
- よく分からんけどあちらさんサイドのPCでこちらから送ったテキストを普通に表示出来るのかな?
英語出来ないけど軽い翻訳程度なら調べながら訳して遊んだりする事もあるから
自分訳を取っておけば役に立てる事もあるかな
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- 2018年03月14日 16:38
- 日本人も海外ゲーのMODや日本語パッチ作る勢が結構居たから、やる人達自体はかなりいる
問題は彼らがPCゲーに居てstreamに流れても、スマホにはあまり来ない点
スマホにはコンシューマゲーとソシャゲの流れのユーザーがメインだからそういう自発的に何かするって慣習がないんだよね
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- 2018年03月14日 16:38
- ヘンテコ翻訳にはそんな理由が…
言語やネット文化の違いというのはやっぱり大きい
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- 2018年03月14日 16:50
- ふたを開けてみれば
あらゆる海外アプリに対して日本語がー言うてる文句というのは
「その日本語圏だけがロクに参加もしないで対岸から文句を言ってる」
という、ヒジョーにカッチョ悪い事をしてたんだなというオチ
まるで湾岸戦争の時の日本みたいだな…
日本人はシャイで輪に加わりたがらないみたいなステレオタイプをよく見かけるけど、それ思い出した
四方を海に隔てられた島国だという地勢が関係してるのかも?
ところで記事とは直接的に関係無いのだけど
施設運営ゲームのHustle Castleという作品も、同様に翻訳がしっちゃかめっちゃかなんだけど
それが逆にトゥーン系のキャラデザと相まってシュールな面白さを醸し出してました。あれはあれで良いのかもなぁw
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- 2018年03月14日 16:52
- それと
こういうインディーゲーム界隈のユーザーに関しても
「俺もこのゲーム遊びたいからウチんトコの言語に翻訳させてくれ!」
って感じなんだろうかなぁ、とか思ったり
して、じゃなくてさせて、と。
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- 2018年03月14日 17:11
- 企業から発売されたCSですらめちゃくちゃな訳が多い現状ですしボランティアとなるとなかなか難しいですね
英語ができないので有志の方々に感謝してプレイさせてもらいます
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- 2018年03月14日 17:16
- インディーの翻訳はこの記事の通り基本はボランティア頼み。日本いう有志翻訳
小規模のインディーなのに妙に多言語対応が充実している場合は大体それ
日本だと有志がMODやパッチという形にして配布することが多いけど、開発にコンタクト取れば取り込んでくれるだろうになーと思う場面は結構見る
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- 2018年03月14日 23:45
- ソーサリー4部作なんかはぜひ今の若いゲーマーにも
楽しんでほしいと思うんだけど、
さすがにあの鬼テキストを目の当たりにして
「自分にやらせてくださ~い」と
ほいほい手を上げる気にはなれん……
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- 2018年03月15日 01:56
- 湾岸戦争の例えはなんかズレてると思うけど…
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- 2018年03月15日 11:02
- 根本には語学だけではなく情熱とかもあるかもね
いわば変なゲームとか好きでマイナーなゲームにハマって
これメッチャおもろいじゃん!他の奴にもやらせたい!もっと広めたい!
そんな動機で(金銭の絡まない情熱や熱意)でシコシコやるイメージ
いわば変態や変人というか、変な物好きなゲーマーこそ向いているともいえる
メジャーなゲームなら普通に人が沢山集まるだろうけど
マイナーなゲームだとそうもいかないからね
、、いえ、決してゲーキャスのトシさんが「変態」や「変人」だと言ってるわけじゃないんですよ!!(赤面)
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- 2018年03月15日 12:19
- 翻訳の問題に関してはアメリカ国内同士ですら訛りやニュアンスの勘違いで争いのネタになってたりするけど
つい先日、GoogleのAI翻訳が人間レベルに追いついたってニュースも出たし
案外年末には、あっさり解決してる問題なのかもしれない
そしてなにより、この件へのゲーキャスさんへの行動には尊敬しかない
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- 2018年03月16日 01:31
- PCのMODは勝手に作って勝手に導入できるが、スマホはそうはいかないからな。
製作者を通さなければならないってのはハードルかなり高いだろ。
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- 2018年03月16日 12:26
- そういえば何年か前に友人が趣味でアプリ日本語化手伝ったって言ってたな。
積極的に自分から連絡取れば出来るんだろうけどそういうの日本人に一番苦手な分野な気がする。
その友人は当時オンゲーのボイスチャットで英語鍛えて、今はイギリスで働いてる
日本人だと「英語できないし」「日本語も専門家とは言えないからなあ」と尻込みすることが多いけど、海外勢だとアニメをオリジナル版で数本見ただけ「ワタシハperfect日本語ダッテバヨ!」くらいのレベルでも積極的な人がいたりする
まあ、国民性っていうのが大雑把なくくりでしかないので、そういうこともあるんじゃないかな、くらいだけど