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上達するほど、巻き込むほど気持ちよくなる塊魂『アメイジング塊魂』レビュー。ついに塊は魂を取り戻した

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アメイジング!
ついに『塊魂』シリーズ作品といって恥ずかしくない作品がスマホに登場した。『アメイジング塊魂』である。
本作は塊を転がしつつ画面奥に向かって走り続け、左右移動とジャンプ操作で障害物を避けるランゲームだが、まさしく『塊魂』である。
タップマイ塊魂』と異なり、アクションとしての“魂”はこのゲームに受け継がれている。

『塊魂』は、主人公の“王子”が何でもくっつく塊を転がし、さまざまな物体を巻き込んで巨大な塊を作るゲームシリーズだ。
毎回、王様が何かしらの失敗をやらかして星々を壊してしまい、王子はその尻拭いに巨大な塊を作って宇宙に浮かべ、星を復活させる……そんなお約束を踏襲し、今回も王子は塊を転がすこととなる。
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とは言え、ゲーム画面は何のことないランアクションにも見える。
実際、奥に向かって走り続ける王子を左右に移動させたり、ジャンプさせたりして障害物を避けるゲームの基本はランゲームだ。
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しかし、触ってみれば『塊魂』の“魂”を感じるはずだ。
移動操作からして『Subway Sufer』で一般的になったレーン制を廃止し、本作では指のドラッグ量に合わせて左右に移動するスティックを採用している。
これは流行ではないし、不便でもあるが、PS2時代の「懐かしのもどかしい操作感」の実現にも繋がっている。

▲上スワイプでジャンプもあるよ。

このままなら単に「操作が不自由なランゲーム」なのだが、物体を巻き込んで大きくする『塊魂』のシステムを上乗せすることで、本作は面白いランゲームになり得ている。
王子が走る道にはクギやブロックなど物体が散らばっており、物体の上を通るとその物体が塊に巻き込まれ、塊がどんどん成長していく。
塊と比べて大きすぎる物体は巻き込めず、ぶつかると弾かれて大王の怒りゲージが増えてしまう(連続で3回大王を怒らせて、ゲージが満タンになると即座にゲーム終了だ)。
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しかし、物体を巻き込見続けると塊が成長し、これまで巻き込めなかった物体も巻き込めるようになる。この瞬間の楽しさがランゲームとしての『アメイジング塊魂』を面白くしているのだ。
「これまで障害物だった物体が、大きくなった瞬間に巻き込み可になって塊を大きくする餌になる」
通常は障害物だらけでストレスのたまる道だった物体が、ボーナスに変わる瞬間の爽快感は素晴らしい。
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▲最初は塊が王子が大きく見えるが、塊が大きくなるにつれて世界の縮尺が変化する。

最初の数プレイは苦戦するが、操作に慣れて素早く塊を大きくできるようになると、ステージ内のすべての物体を巻き込めるようになるはずだ。
プレイヤーの上達が、爽快な無双状態を生む爽快感は、まさしく塊魂の魂だと思う。
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もちろん、ステージが進むとどんどんゲームの世界のスケールが大きくなり、庭からビル街、果ては宇宙へと様々な物体を巻き込んで遊べる。
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塊が大きいときだけ通れる隠し通路や、イトコ(お助けアイテム)を使ったときだけ見つけられる隠し物体などの要素もあり、小技が効いているのもニクい。
単にランゲームにシステムを載せただけでなく、細かい枝葉まで気を配って作られているのだ。
本作はランゲームとしても塊魂スピンオフとしてもきっちり作られた良作だ。
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課金要素は時間短縮。
本作ではゲーム内で作った塊をロケットに乗せて宇宙に射出すると星座が復活し、スコアが倍率やアイテムが増える仕組みになっている。
で、そのロケットは現実で一定時間が経過しないと打ち上がらないのだが、これを課金で短縮できる。正直、ゲームそのものは課金しなくても楽しめるのであまり課金する気にならない(課金しても頻繁な広告が消えなかったのがガッカリ)のが難点だ。
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オリジナルの『塊魂』の面白さが「巨大化したときの爽快感」にあったと思う。プレイヤーが上達するほど塊が大きくなり、より大きな障害物がす込めるようになる爽快感だ。
本作はそこに焦点を当てて作り上げており、見た目だけではなく中身にも塊魂の“魂”が分け与えられている。
スマホの『塊魂』は最近パッとしなかったが、『アメイジング塊魂』をきっかけに復活していって欲しい。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
上達するほどに巻き込める爽快感
本編が欲しくなるほどテイストは再現されている

気になるポイント
図鑑が欲しかった
操作に癖がある
広告が多いが、課金で消せない

アプリDL:
アメイジング塊魂 (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:BANDAI NAMCO EUROPA(EU)
レビュー時バージョン:1.0.1
課金:コイン

ライター:ゲームキャスト トシ

動画: