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人間のために作られたロボットが、人間のいない世界に生きるアドベンチャー『Abi』レビュー

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人間が突然に消えたら、人間のために作られたペットなどはどのように生きるのだろうか。
そして、彼らは何を思うのだろうか。
『Abi』は、人間が突然に消えさったあと、ロボットたちだけになった世界を描くアドベンチャーである。
感情を持つほど高度なAIを搭載したロボットたちは、捨てられてすらプログラム通りに人間を待ち続けている。そんな世界を、やるせない思いを感じつつも旅するゲームとなっている。

本作は、愛嬌たっぷりの小型ロボットのアビと、武骨な作業用ロボットのディーディーを操作して進むポイントクリック型のアドベンチャーである。
ゲーム開始とともにこの2人は目を覚まし、確たる目的をインプットされていなかった彼らは、ディーディーの友達だった小鳥に会うことを目的に外に出る。
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だが、外に出たアビたちが見たものは……荒涼とした大地。
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そして、はるか先に見えるさびれた村。
彼らが目覚め、外に出る間に、世界は変わってしまった。
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寂れた町についたアビたちは、さらに驚くべきものを目にする。
そこに住んでいたのはロボットだけ。人間どころか鳥すらもいなかったのだ。
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人間たちは「高層ビルがたくさんある場所」、「メトロポリス」に向かってしまったという。
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世界が変わってしまった原因も、探している小鳥の行方も、すべてメトロポリスに行けばわかるかもしれない。
そう考えたアビとディーディーは、メトロポリスへの旅路を歩み始める。
本作は、アビとディーディーの目を通じて人間がいなくなったあとの世界と、人間が消えた世界で生きるロボットの様子を見るゲームである。

本作のユニークな点は、機械たちと人間たちの関係が良好なままで人間たちが消えた世界、という点だろう。
多くの物語では、極まった機械文明の中でロボットと人間が敵対したり、何かしらの手違いで機械と人間が敵対していたりする。
しかし、本作において、多くのロボットたちはAIで考えて行動しているが、いまだ自分たちを作った人間の役に立ちたいと考えており、自分たちを置き去りにしてメトロポリスに出発した(とされる)人間たちを慕い、待っている。
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ときにはメトロポリスに行く際に捨てられたことについて、怒っているロボットもいる。しかし、そういったロボットとの会話ですら、根源的には人間の役に立ちたかったという想いを裏に見ることができる。
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▲何度も人間に騙されたであろうロボット。信じすぎたゆえの不審を見て取れる。

自由に世界を動き回れるアビとディーディーの目を通じて断片的に情報を得られるが、本作に登場する多くのロボットは、機能の限界か、人間たちの言いつけを守っているがゆえに縛られ、世界の変化にも気がづけない。
たとえ気がついても自ら環境を変えることもできない。
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ときに危険な冒険あり、不思議な施設ありのエンターテイメントの裏で、プレイヤーは人間が自分たちを愛するようにロボットを作り、勝手に捨てた傲慢さとゆがみを見ることになるだろう。
システムがわかりやすく、謎解きも簡単(さらにヒント機能もある)ということもあり、プレイヤーの脳みそが謎よりも世界観の考察に向くつくりなのも、ゲームの味わい深さを増している。
日本語訳も結構いい感じで、全体によくできたゲームだ。

ただ、ゲーム自体は2時間程度と短く、完結していないことだけはマイナス点としてお伝えしておく。
一見1本の完結作品のように見えるが、ゲームは連作映画の序章のように続きを匂わせて終わってしまう。その短い中でもプレイヤーにテーマを突き付けることには成功しているし、価格に対して十分以上のものを提供していることは保証するが。
こういった世界が気になるのであれば、本作は間違いなくお勧めである。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
快適に楽しめるかわいいロボットとの旅
人間について考えさせられるロボットの世界

気になるポイント 
短く、完結していない

アプリDL:
Abi (itunes 360円 iPhone/iPad対応)

開発:LilithGames(中国)
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし

ライター:ゲームキャスト トシ

動画:
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