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大作ブラウザゲーム『ラプラスリンク』、正式サービス開始を断念。チャレンジは早すぎたのか

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gloopsは、ブラウザゲーム『LAPLACE LINK(ラプラスリンク)』の正式サービス断念を発表した。
本作はおよそ2年半前の2015年11月16日に発表された大作ブラウザゲームである。
メインキャラクターデザインにtoi8さん、音楽に伊藤賢治さんを起用し、有名声優を多数起用。
発表会では、ブックレットではなく分厚い設定資料集(恐らく、市販しようとすれば1,000円以上の価格帯だろう)が配布され、その力の入れ具合が伝わってきた。
まだまだ未成熟なブラウザゲーム世界にあえて全振りするチャレンジに驚いたが、ブラウザ技術の進化を見越してアップデート計画を立てており、技術の進化に合わせて新しい機能を盛り込むことも上田プロデューサーから伝えられ、それについては期待感があった。

さて、肝心のゲーム内容はどうだったかと言うと、発表会の時点で基本的な部分はできていた。
本作は横スクロールのRPG画面と、リアルタイム同期のマルチプレイバトルを特徴としている。
フィールドの基本的な画面構成は『アナザーエデン』とよく似ており、フィールドでクエストを受けたり街の人と話すこともできた。
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https://www.youtube.com/watch?v=b3xNP21PBMUより。

バトルは画面固定式で、移動しながらスキルを使うアクションバトルとなっていた。
敵の攻撃予告を見て攻撃を避けたり、攻撃を引き付けるヘイトシステムを採用していたりと、ブラウザゲームの枠を超えるアクション性とマルチを見越した内容だった。
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街の雰囲気は良く、音楽も良かったし、街の人の会話テキストも良く、フィールド部分についてはかなり期待感が持てた。
ただし、音割れしていたり、動きがコマ落ちしているように見えたりとブラウザゲームであることの欠点も目立った。とくにバトル部分は操作に追随してない感があり、プレイしてつらかった。
とはいえ、発表会時点の話なので、その部分は直るだろう……と、その場は正直に「街の部分はいいが、バトルがこのままなら絶対やらない」と伝えて終わった。

その後に改良はされていったが、操作感や反応については根本的な改善に至らなかった。
それどころか、アプリの方がブラウザよりも進化してリッチで快適になり、時間と共に改善されているのに、よりクオリティ面での差が目立つようになってしまっていた。
豪華スタッフを起用して、これだけ開発期間をかけたうえで正式サービス中止を決断するのは難しかったと思うが、正しい判断だとは思う。
(正直、このゲームに「アプリと変わらない」とか提灯記事を書いていたメディアは信用度ゼロ)

企画に関しては、とても良かった。
横スクロールのゲームの良さは『アナザーエデン』で証明されたし、そもそも音楽だってキャラだって良かった。
未来が見えなかったと笑うのは簡単だが、見えているものに賭けて「●●のゲームを××のキャラでやりました」というゲームばかりの2年前にオリジナルIPで新しい市場を開拓する野心は讃えるべきだと思う。
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ただ、ひたすらにチャレンジが追いつかなかった。
個人的には「技術の進化を見越したアップデート」には大いに期待していただけに、形にならなかったのは残念だ。

関連リンク:
LAPLACE LINK -ラプラスリンク- | 株式会社gloops(グループス)