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『ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア』レビュー - ガチャ運いらず、スタミナもフレンドなしの1人用ソシャゲ。でも、面白い

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ファイナルファンタジーシリーズのキャラが集結し、光と闇の陣営に分かれて戦う対戦アクションゲーム『ディシディアファイナルファンタジー』。
そのスマホ版が『ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア』である。
本作の発表時、PSP版をやり込んだ筆者は落胆した。というのも、元々がアクションゲームなのに「コマンドバトルRPG」になっていたからだ。

アクションのないディシディアなんて考えられない。さすがスクエニ、原作システムのコアなファンを裏切ることだけは定評があるッ!
…などと思ってリリース当日を迎えたら、意外に良くできていて「あ、これもアリだわ」と手のひらを返してしまったのであった。

本作は歴代FFのキャラクターたちが謎の世界に召喚され、光と闇の陣営に分かれて戦うFFオールスターゲームだ。
FFオールスター自体は投げ売り状態なので感動も何もないが、まず3Dで新規に起こされたキャラクターはそれなりの出来で、見栄えがして「おっ!」と思える。
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ゲームは簡易フィールドを移動する方式を取っており、六角マスで区切られたフィールドからアイコンを選択すると会話・バトルイベントが発生する。
これらのイベントをこなし、特定条件を達成すると移動できる範囲が広がる仕組みだ。
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イベント=ほぼバトルなのだが、このバトルこそがゲームの特徴。
端的に言えば、演出が気持ちよくて、バトルの駆け引きがそこそこあり、頑張るご褒美もある。つまり、良いバトルシステムなのだ。
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バトル演出のテンポが良く、気持ちいい。、コマンドを入力しているはずなのにアクションゲームをプレイしているかのような小気味よさ。これに匹敵するのは『ケイオスリングス3』ぐらいか。いや、それより良いかもしれない。
このスピード感のおかげで、思ったよりもディシディア感があった。
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▲あまり機能していないが、原作に存在する空中追撃もある。

「HP」と「ブレイブ」、2種類の数値を管理する駆け引きシステムも良い。
ブレイブが攻撃力で、HPが生命力に相当し、HPが0になるとキャラクターは行動不能となる。これは普通のRPGと同じなのだが、HPにダメージを与えるにはブレイブという数値を貯めなければならない。
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ブレイブは行動順が回るたびに少し増えるが、基本的には「ブレイブ攻撃」で敵から奪うこととなる。ブレイブ攻撃を行うと敵のブレイブにダメージを与え、同時にダメージと同数のブレイブが攻撃側に加算される。
さらに、相手のブレイブをマイナスにすると「ブレイク」が発生し、パーティー全員のブレイブ値が大きく加算される。
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ブレイブを貯めて「HP攻撃」コマンドを実行すると、貯めたブレイブと同数のダメージを敵に与えられる。このHP攻撃で敵を倒せればバトルは終わり、倒し切れなければバトルは続く。
で、ここでバトルが続いたとき大変なことが起きる。HP攻撃を実行したキャラクターのブレイブは0になってしまうのだ!
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当然ながら敵もブレイブ攻撃をしてくるし、味方のブレイブがマイナスになればブレイクも発生する。つまり、HP攻撃を行った瞬間に敵からブレイブ攻撃を受けると、ブレイクが発生して敵のブレイブが大きく上昇してしまうのだ。
しかし、いつかはHP攻撃をしなければバトルは終わらない。
行動順番や残りHPを考慮し、ブレイブを管理する駆け引きはかなりアツい。

攻撃力が高いキャラクターが一方的にブレイブを奪う展開にはなりやすいが、ギリギリの実力差なら緊張感があるし、1バトルに1回のみ使用できる「召喚魔法」を使うと無条件に5回行動できるので、多少格上相手でも戦術によって勝てるのもいい。
このバトル方式は、有料ゲームでも行ける良い作りだ。雑魚はオートで、ボスは気合を入れて、メリハリをつけてプレイできる。
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また、各バトルには「この条件を満たすと特別報酬」という条件が設定されていて、これがかなり豪華。うまくすれば7バトルでガチャが1回引ける程度の設定で、報酬に釣られて続けてしまう。
で、ガチャで強化したり、バトルのドロップアイテムでキャラクターの能力を覚醒させたりする作業が楽しく(パワーアップ感がかなりある)、スタミナもないので延々とプレイできてしまう。
バトルとそれを支える成長システムはかなり良い。

一方で、ストーリー面は気になる点が多い。
現段階ではストーリーに盛り上がりが全くないまま中断しているのもあるが、何より気になるのはキャラクターの扱いだ。
短いストーリーに対して多くのキャラクター(初期で25体!)が登場するので、キャラクター1人あたりのストーリーが希薄となり、好きなシリーズのキャラクターが出てきても印象に残らない。
中でもFF初期の主人公や目立たない準主役は主張がなく、空気と化している。
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キャラクターはゲームを進めるだけですべて合流する形式なのは良いが、キャラクターが多すぎて切り替え時に面倒があるし、集まったからといって嬉しいわけではない。
システム面で言えばキャラクターレベルを上げると有料アイテムのダイヤが手に入るが、それ以上にキャラクター1人当たりのシナリオ面の扱いが雑でマイナス面が気になってしまう。
せめて、好きなキャラクターを成長させることで個別シナリオにチャレンジできたり、キャラクターのボイスや3Dモデルを自由に見られたりする仕組みは欲しかった。
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課金要素は、キャラクター装備ガチャ。キャラクターにはそれぞれ専用装備があり、専用装備を入手しないと能力が低い。
キャラクター数が多く目当ての専用装備を当てる可能性は低いが、ストーリー制覇には専用装備が必須ではないので、あまり気にはならない。

バトルも気持ちよく進むし、フレンドなどの面倒なソーシャル要素がなく、スタミナもなく、1人で黙々とプレイできる作りで、良い意味でソーシャルゲームらしくない内容となっている。
現段階ではストーリー面で物足りないが、キャラクターの育成要素が充実しており、全キャラクター最高レベルを目指すタイプのプレイヤーにとっては楽しいゲームであることも確か。
実際、強烈な魅力がないのにバトルのシステムの快適さと、成長の楽しさだけで筆者も今のところ続けてしまっている。

なんとも奇妙だが、基本無料なのにソーシャルゲームらしくない内容を楽しめるので、1人で遊べるゲームを探しているなら試していい内容だ。
ストーリー面で不満があるが、グラフィックやバトルの良さ、スタミナがないのに飽きない成長要素などを合わせ、評価は7(要チェック)としておきたい。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
スタミナなしでキャラ強化をずっと楽しめる
FFキャラクターが大量出演
アクションゲームのようなバトル演出
バトルシステムの駆け引き

気になるポイント
キャラゲーなのにキャラの扱いが薄い
キャラクターや専用装備が多すぎて管理が面倒
ストーリーがまだまだ完結しそうにない。山も迎えないで終わる

課金
ダイヤ(ガチャやコンテニューに使用。なくても大量に手に入る)

(バージョン1.0.3、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)