ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

実録、意外と簡単な商標出願方法。特許庁に行けば、弁理士に頼まなくてもやれます

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当サイトが始まっておよそ7年。まさか、商標の問題で揉める日が来るとは思いもしませんでした。
名前には当然愛着がありますし、長く使えばずっと使いたいもの。また、同じ名前のサービスなどが立ち上がれば、当然混乱を招き、面倒が発生します。
(自分は1日で10通以上のメールが来て、1人で返信するのはだいぶ手間でした)

そういったトラブルを避けたいなら、商標は取っておいた方が無難です。特に、カジュアルゲームなどの開発で一発当てた方は、取った方が良いかと思います。
今回、弁理士に頼まず安く商標出願したので、やり方を共有します。

特許情報プラットフォーム|J-PlatPatで、「商標を探す」で検索すると出てきます。
ここで検索して出てこなければ、商標が取れる可能性は高いそうです。
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なお、ゲームキャストはというと……サムスンが取ってます。では、私は「ゲームキャスト」のサイト名を商標として取れないのか?
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と言うと違います。商標で取られていても、全く異なるジャンルで使用される場合は認められるのです。
例えば、「パン屋」としてゲームキャストの商標が取られていた場合、「ゲーム紹介サイト」としてのゲームキャストは商標が取れるかもしれません。

これを判断するとき重要になるのが「区分」と「役務」です。
区分とは、商標がどのようなカテゴリで使用されるかを示します。今回、サムスンの区分は「09」。電子機器などがこれにあたります。
さらに、区分の中の具体を指すのが役務となります。実際に見てみましょう。
サムスンは電子機器の中でもゲーム機や携帯電話、デジカメやDVDプレイヤー、プログラムなどを指して登録しています。
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ゲーム紹介とは被っていないので、商標を取りに行くことは可能です。
しかし、問題が1つあります。サムスンがゲーム機の役務で商標を取っていることです。
例えば、ソニーのプレイステーションというゲーム機。ソニー以外の会社が「プレイステーション」というゲーム紹介サイトの商標を手にして、さも公式かのように「プレイステーション」というサイトを出したら、消費者が混乱しますよね。
そういった事を考慮して、近い領域で同じ名前を取ろうとすると却下されることがあります。

サムスンの指定した役務が裁断機などの電子機器であれば、ゲーム紹介サイト「ゲームキャスト」は認められる可能性は高かったのですが……これはなんとも言えませんね。
なお、区分と役務の詳細は下記から見られます。
類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕 | 経済産業省 特許庁

さて、商標が取れそうであれば、いよいよ書類作業です。電子申請もできる(しかも、安い!)ですが、今回は使用しなかったのと、後述の理由から特許庁で直接申請する事をお勧めします。
まず、各種申請書類一覧(紙手続の様式) | 産業財産権相談サイトから、商標のフォーマットをダウンロードします。
後は埋めるだけ!とはいえ、記入するものは少ないので、ご安心を。

これだけで、OK。
・金額と特許切手(専用の切手で、大きな郵便局か特許庁で買える)
・整理番号(10文字までのアルファベット、ハイフン、数字の羅列。つけなくても良い)
・商標(大きな文字で)
・区分と役務
・住所と名前、電話番号と判子
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必要な切手の金額は手続料金自動計算システムでどうぞ。なお、出願と登録は別料金なので、商標が認められたらまた金がかかります。
一番手間取るのは、区分と役務だと思います。ここについては、弁理士さんに相談するのが一番でしょう。
が、そんな金がない私は、他の類似サイトを参考にしました。
ファミ通とか、GameSparkとか、ゲームサイトを調べまくると、どうやらゲーム紹介サイト系は35番の「広告」が適していそうです。
役務なんかも、参考にしつつ入らないものは削っていれました。

でも、当然ながら不安は残ります。私は素人ですからね。
そこで、特許庁に直接行ってアドバイスをいただくことにしました。
なんと、ここには「相談課」というものがあり、いろいろな相談に乗ってくれるのです。
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・訴訟になる可能性があるのか
・相手が商標を取っていたときにどうすればいいのか
・商標取っていないけど、WEBで大きく書いちゃった。大丈夫?

とか、何でも聞いてくれました。さらに、区分と役務について不安があることを告げると、専用の課を紹介してくれました。
そこでは画面(サイト)を見つつ検討していただけ、「類似の周辺領域も取った方が良い」とか「こんなものも役務になり得る」とか、「他の類似例ではこのような役務も該当している」など、細かく指摘をいただき、無事に書類を仕上げることができました。

弁理士に聞けないとき、商標を取るときにわからないことがあれば特許庁に行くのが一番でしょう。
本当に丁寧に教えていただき、お役所の仕事のすごさを知りました。少なくとも、特許庁のお役所仕事とは「懇切丁寧に教えること」だと思いましたね。

で、そのまま書類を提出して今に至ります。
この体験記が、商標を取っていない方の参考になれば幸いです。
ただし、我流ですので、これによるトラブルの責任は負いません。お金があれば、弁理士に聞くと安心だと思います。

で、最後に1つお願いがあります。この記事はあくまで体験の共有として書いたもので、すでに解決した事件を蒸し返すために書いたものではありません。
なので、コメント欄などで蒸し返すのはやめて欲しいと思っています。
また、商標問題が発生したときに問題をSNSに共有した方で、解決したことを共有していない方がいらっしゃれば、ぜひ本ブログと同じ名前のサービスが始まった件について、解決しましたを同じように共有していただき、相手方の名誉を回復していただけるようお願いいたします。

2016.12.06 17:00
商標は弁護士ではなく弁理士に頼むものと指摘があり、修正いたしました。hさん、ありがとうございます。