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Replica : a little temporary safety - 他人のスマホを暴いて、犯罪者に仕立て上げる。背徳感と狂気のアドベンチャー

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『Replica : a little temporary safety』は、狂った社会主義国家の国民となり、他人のスマホを調べて犯罪記録を探し出すアドベンチャーゲームだ。
今、あなたは国家保安部に捕まり、犯罪の嫌疑をかけられている。だが、安心していい。
ここに、誰かのスマホがある。

このスマホから「誰か」の情報を暴き、国家反逆の証拠を見つけ、犯罪者に仕立て上げれば良い。無事通報できれば、あなたが愛国者であることが証明され、釈放されるはずだ……。

ただ、このスマホにはパスワードでロックがかかっている。これを、どうすれば良いのか。
ああ、いきなり無理ゲーなのか……。
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と思いきや、父からのメールの通知が画面上に。これをヒントにパスワードを入力すると……。
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きた。ホーム画面。メールや電話履歴を見つつも、あまりに現実にありえそうな経緯でパスワードが判明したので、そら恐ろしさすら感じる。
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と、そこに突然に国家保安部からの着信し、情報収集の指令が下される。まずは、電話の持ち主の情報を集めなければいけない。
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スマホの表現がリアルなら、情報の探し方もリアルだ。
ゲーム画面は現実のスマホを模してあり、アプリストアやメール、写真などさまざまなアプリも同じように存在する。
プレイヤーは、それを利用して情報を取得する。
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たとえば、写真。単に映像情報があるだけではない。写真の位置情報などから驚くほど多くの情報が入手できる。
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本当に、スマホの中は個人情報だらけだ。改めて驚きつつも、指示された情報を見つけ出し、その情報部分(文字でも画像でも良い)タッチすると、国家保安部に情報が届いて指令が達成される。
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と、このように情報を調べていくのだが、他人がうっかり漏らした情報や、SNSの会話から情報を調べる手法は現実にも「ソーシャルハッキング」と呼ばれて、通用する手法。
似たようなゲームでは『マヂヤミ彼女』などがあるが、Replicaはより謎解きのリアリティが高い。
元々PCゲームなのだが、スマホに移植されたことでリアリティが増し、恐ろしさすら感じる出来である。
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そんなことを思いつつ、国家保安部の指示をクリアしていくと、彼らの指示やスマホの持ち主の会話ログから国の抱く問題や狂気が明らかになっていく。
見聞きした事実に対して、どのように振る舞うかは、プレイヤーの自由。
選択次第で12のエンディングに分岐するストーリーゲームにもなっている。2週目以降はメッセージスキップが利用できるので、周回プレイも苦にならない。

現代社会でスマホを握られる身近な怖さ、断片的な情報からくる背景の推理など、Replicaにはさまざまな面白さが凝縮されている。
日本語訳も上手くできており、アドベンチャー好きならずとも楽しめると思うので、題材が嫌いでなければぜひ遊んでみて欲しい。

評価:8(かなり面白い)

課金:
なし

おすすめポイント
現実のスマホにも通用しそうな謎解き
狂った社会の断片が見えるストーリー
マルチエンドかつ周回プレイに配慮されている

気になるポイント
操作がiPhoneと異なるので違和感を感じる
エンディングまで行かないとセーブされない

(バージョン1.1、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Replica : a little temporary safety (itunes 240円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)