ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

問われる大手のモラル。ガンホー、『パズドラ』の全ガチャアイテムを「当たり」扱いして確率表示せず

top
ガチャから出るキャラの個別確率表記が必要と言われる中で、時代に逆行している大手メーカーがいる。
そう、ガンホーだ。

オンラインゲーム業界団体JOGAの二大巨頭ガンホーとmixiが確率表示しなかったことは以前記事として書いた。
JOGAのガイドラインでは、メーカーが「当たり」とするキャラが多く出る場合、確率表記をしなくても良いとされている。
その「当たり」を決めるのはメーカー側なので、どんな雑魚キャラでも、プレイヤーが求めていないキャラでも、メーカーが「当たり」として、その「当たりキャラ」の排出率を高くすれば確率表記はいらなくなってしまう。
そのため、昔からメーカーのさじ加減でガイドラインが全く機能しないことが指摘されていた。

そして、今。ガンホーが「うちのガチャから出るキャラは、全部当たりだから確率表記はいりません!」というでたらめなことを始めてしまったのだ。

ガンホーのガチャ内訳紹介ページでは、キャラクター名に「◇」がついているものが「当たり」とされる。
gunguho-2

しかし、5月31日に行われる「フェス限定ガチャ」では、ガチャから排出されるキャラすべてが「当たり」。
何を引いても当たりだから、確率表記の必要はないわけだ。
gunguho
▲すべてのモンスターに◇。

ガチャの個別確率表記が必要なのは、プレイヤーに欲しいキャラクターが手に入るまでの金額の目安を提供し、納得して遊んでもらうためだ。

確かに、特定のイベントでしか排出されない「フェス限」は、メーカーから見れば当たりかもしれない。
しかし、その中でもプレイヤーが引きたいのは「フェス限の中でも強いキャラ」であり、その確率が表記されなければ、キャラを当てるために必要な金額の目安がわからず、安心してガチャを引けない。

すでに、このガチャに対してパズドラのプレイヤーからは「緑おでん(オーディンの通称)ばかり出るのではないか」と不安視する声も出ている。

業界の代名詞とも言える大手がこういったことを行っては、ひいては業界全体のモラルが疑われる。
JOGA自体も、「プレイヤーが安心してオンラインゲームを遊べるようにする」ということも目的とする業界団体であったはずだが、その理想はすでに死んだと言っても良さそうだ。

2016年22時50分:訂正
当初「問われる業界のモラル」とタイトルにありましたが、より正確には一部企業の問題なので「大手のモラル」と言い換えました。