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ケムコのRPG新世代『聖戦クロニクル』レビュー。もう、安いだけのRPGじゃない。

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ガラケー時代、高い技術力で「すごいビジュアル」のRPGを連発していたゲームメーカーがあった。
そう、ケムコとHit-Pointの最強タッグである。

単に絵がきれいなだけでなく、巨大モンスターがアニメーションする衝撃は超ガラケー級。
RPG好きのガラケー民は公式サイト「ケムコ帝国」に集い、ケムコ様から新しいRPGを授けられるのを待っていた……そんな時代が本当にあったのだ。

そして、ときは流れてスマホ時代。
ハードが進化してもケムコのRPGはガラケー時代とあまり変わらず、「どこか安っぽいRPG」を量産するメーカーに変化していた。
だが、それも今日までだ。
この『聖戦クロニクル』こそ、ケムコとHit-Pointのタッグが送り出す新世代RPGである。

ケムコRPGと言えば、ガタガタの目に痛いスクロール、貧弱なドット絵であった。
しかし、今作は違う。
フィールドのスクロールは滑らかだし、キャラクターのドット絵のクオリティも高い。
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▲ラグナロクオンラインのような印象。

もちろん、バトル時のアニメーションもパワーアップしている。
単に動くだけでなく、テンポがいいので演出に飽きない。
この辺りにガラケー時代からのノウハウが生きている。
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▲倍速モード時はアニメーションも倍速に!

ガラケーからずっとイマイチと言われたストーリーも補強された。
今作では地上と地下2つの世界の対立を軸に、「守護獣」と呼ばれる邪悪なモンスターと世界の謎に迫る物語が描かれる。
「泣ける」とか「感動」までは行かないが、十分に先が気になる作りとなっている。
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あと、わずかにサービスシーンも……(笑)
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バトルはお馴染みのターン制バトルだが、こちらも工夫が凝らされている。
スマホゲームではオートバトルが基本だが、1人だけコマンドを入力することもできる。
雑魚が少し強いぶん一工夫入れられるので、やりがいもある。
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そして、ボスバトルでは仲間との連携技、能力強化などを使いこなしての総力戦が楽しめる。
後半になれば、耐性付き装備を付け替えて工夫して戦う要素もある。
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いわゆるやり込み要素も豊富で、採取ポイントを巡って素材を集め、装備を強化したりとお馴染みの要素がぎっちり入っている。
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メインストーリーと関わらないサイドクエストも豊富に用意されていて、すべてを遊びきるには20時間以上かかるだろう。
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ただ、いくつかの難点もある。
「完全オリジナルのUI」がこのゲームの売りだが、新しすぎてわかりづらい。
また、大画面でバトルすると、ターゲット切り替えがやりづらい。
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▲メニュー画面。右上のExitでダンジョンからいつでも脱出できることに気づくのに4時間かかった……。

また、後半のバランスが少し厳しめなので最後の最後で少し経験値稼ぎが必要になるのも気になった。
装備を強化するため、前半のステージに素材をとりに行くのは面倒だった。
メインを進めつつクエストをこなせばスムーズに進めるが、メインだけを遊ぶのは難しい。

しかし、それを差し引いてもこのゲームは十分面白い。
少なくとも、「安っぽいスーファミRPG」だった今までのケムコ作品とは格が違う。
たった800円のゲームだがPS時代のRPGに近い満足感があり、ケムコRPG好きだけでなく普通のRPG好きが手を出す価値がある。

これだけのゲームが次々と出てくるならば、今後はケムコに再び注目しなければならないだろう。

評価:3.0(面白い)

おすすめポイント
全体的にクオリティの高いドット絵
バトルのテンポが良い
長時間遊べる

気になるポイント
後半のバランスが少し厳しい。
メニューがわかりづらく、iPadだと操作しづらい

(バージョン1.0.1、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
RPG 聖戦クロニクル (itunes 800円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)