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なぜ、ソシャゲの彼女たちは脱ぐのか? - ソシャゲ業界の片隅で5

新年、明けましておめでとうございます。アルベルトです。
特効について書いている最中ですが、前回の記事のコメント欄に「ソシャゲやっていると、必ず水着があるのはなんで?」という質問があったので、それに解答して新年の挨拶と変えさせていただこうと思います。

確かに、ソーシャルゲームのキャラクターは不自然に脱がされたり、露出度の高い姿になることが多いですね。
今回は、その疑問に答えます。

ソーシャルゲームのキャラクターはやたらにセクシーで「えっちっち」な感じのものが目立ちます。
しかし、えっちっち成分が低いゲームでも夏には多くのキャラクターが脱ぎ、水着になります。
現代人の一般人ならともかく、戦国武将も、ファンタジーの住人も、厳しい戦場でも、場所を選ばずに水着になります。

私自身、ソーシャルゲームの会社に入るまでこれは不思議に思っていました。
なぜって、脱ぐ必然性がないからです。ゲームの世界観が壊れてしまいますし、何より水着になったところでカードの強さは変わらない(業界に入った当時はほぼカードゲームしかなかったのでカードと言っていますが……)。
そんな私が水着の力を理解したのは、業界に入って初めての夏でした。ある日、私は水着のためだけに開かれた会議に参加しました。

A「そろそろ、水着ガチャのためにイラストを発注しましょう」
B「うちの部署のゲームは中世系なのですが、どうすればうまく水着ガチャを出せるでしょうか?」
C「確かに中世で水着ガチャは違和感がありますね。破れた服や際どくまくった私服だったら違和感がなくていいのでは?重要なのは構図です」
A「ユーザーが求めているのは近代的な水着ですよ!世界観はこの際無視しましょう!」

そして、会議すること30分。

B「決まりました。獣の毛皮なら中世にもあるので、毛皮水着ガチャでいきましょう。これなら世界観の破壊も最小限です」
私(本当に、これで売上げが上がるのか……?)

今でもそうですが、私は効率主義の対戦ガチゲーマーです。格闘ゲームも入門するときはダイヤグラム(強さの目安)で上位のキャラクターを選びますし、装備で見た目が変わるゲームでも数値がすべてです。
そんな私は、「水着にする」ことにあまり価値を感じていませんでした。プレイヤーさんはゲームで勝つために金を使っている=数字に金を払っているのであって、水着を見るためにやっているわけではないと思っていました。

(中世の世界観を壊して、毛皮の水着を着せるだけで売れるものか。人間はそこまでアホじゃない)

心の中でそう吐き捨てたのですが、いざ水着が始まると一気に売上げが上がりました。
「デッキが可愛くなって嬉しい」とプレイヤーさんも幸せそうでした。
えっちっちの力は偉大だったのです。アホなのは私でした。

「冬で脱がす方法……冬は寒いですから温泉に行けばいいと思います」
「夏だから通り雨に巻き込まれたことにして、服を濡らして透ければプレイヤーは喜ぶのではないでしょうか」

私は心を入れ替え、以降は露出度を上げる会議に真面目に参加するようなりました。
水着でなくても、露出度が上がるとプレイヤーさんが喜んでくれるので……。

ただ、とある原作付きのゲームで水着を用意したときは、その原作が好きな方の不満(この子は水着なんか着ない!)を目にして心を痛めました。
しかし、ゲーム内ではほぼ好評(マイナーな原作のゲームだと原作を知らずに絵だけを見て入ってくる方がいて、原作=ゲームという考えの方も多いのもあるでしょう)で奇妙な気分ではありました。

ということで、キャラクターが水着になるのはプレイヤーが喜び、売上げが上がるからということになると思います。
ただ、原作が強いゲームでは下手に水着を着せると失敗する例あるそうなので、「プレイヤーが喜ぶ」というのは場合によりけりでもあります。
世界観を重視するゲームでは水着にならないこともありますし、最近はそういったゲームが増えていると思います。

ゲームに負けず劣らず水着への考え方も進化していて、粗製濫造のカードゲーム時代よりも「キャラクターを立てる」ことを重視するようにもなりました。シチュエーションや水着までの展開を深く考えて納得感を(原作ものではどんなに頑張っても納得しない人はいますが)出せるようにものすごく時間をかけて考えています。

ちなみに、世の中にはそんな水着を上回る大きな力があります。それはお正月です。お正月は時間があるので、ゲームを長く遊んでもらえるのです。
また、多くは語りませんが……。

ここにお年玉があるじゃろ?

( ^ω^)
⊃お年玉⊂

これを
( ^ω^)
⊃)お年玉(⊂

( ^ω^)
≡⊃⊂≡

こうじゃ…

( ^ω^)
⊃ ガチャチケ ⊂

という感じです。
皆さん、正月で浮かれすぎずに計画的な課金をおすすめいたします。
それでは皆さま、よいお正月を。

私は、PS4と『シャドウ・オブ・モルドール』(なんとファンタジー世界で敵まで作り込まれたオープンワールドRPG。プレイヤーを倒した敵が出世してあとから出現し、それを倒して自分の仇をとったりできます)に課金する予定です。