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ソーシャルゲーム、大人の事情で絞るとき。 - ソシャゲ業界の片隅で4

末端ソーシャルゲーム開発者のアルベルトです。
ソシャゲプレイヤーの皆さんが、ソシャゲについて誤解しているかもしれないこと、疑問に思っていることについて解答する連載もなんと4回目となりました。
1記事目を書いたときは、本当に3回で終える計画を立てていたのでちょっと驚いています。

さて、前回に「ソーシャルゲームの影。儲からないソーシャルゲームの一生とは 」で「儲からなくても最大限に頑張って良くしようとしている人たちがいる」ということを伝えたつもりでしたが、「絞っても我慢して遊べ」と受け取った方もいるようですので、補足しておきたいと思います。

ソーシャルゲームでやってはいけないこと、それは何か。
私は「サービス終了すること」だと思っています。
理由はどうあれ、ゲームを続けてくれているプレイヤーはゲームを遊びたいと思ってくれているはずです。
サービスが終了すると、ずっと続けて得たものがなくなってしまうし、ゲーム内の仲間とも遊べなくなってしまいます。

だから、運営側が我々が足掻くのは当然です。前回語ったのは、「絞っているときは頑張っているときもあるんだよ」ということを知っていて欲しいな、という開発者の気持ちです。
しかし、決して「絞っているゲームにつきあってあげてくれ」という意味ではありません。プレイヤーは嫌になったり、厳しいと思ったらいつでもゲームをやめればいいのです。

また、前回の記事に補足すると絞っているときは大人の都合と言うこともあり得ます。例えば、こんなときには大人の都合で絞られます。

・決算が近いので黒字にしなければいけなくなった。
決算期にはソシャゲの状態を株主に解説します。決算前の単月でもいいから黒字にして「これからいける!」と説明しなくてはいけないのです。
派生バージョンとして、株式上場が近いので好調にしなければいけないこともあります。会社が上場するときは、ソシャゲの成績が良ければ良いほどいい。
決算時よりも圧力が高く、通期黒字を求めるので進路を大きく間違えるソシャゲが多い気がします。

・上司が替わって方針が変わる
上司じゃなくても社長が変わって方針が変わることもあります。
例えば、いきなり「月商3,000万以下のゲームはすべてサービス終了」などと目標が課されて、一気に絞って終了したゲームも見たことがあります(到達しそうにないゲームは即座にあきらめて緩い運営に……)。

もちろん、方針が変わっても絞ったお金をゲームに還元しようと頑張りますが、すべては会社の都合。
プレイヤーの皆さんは、ゲームが辛くなったらやめるべきだと思います。ゲームは楽しむためにやるもので、ストレスをためてやるものではないからです。

派手に儲かっているように見えてソーシャルゲーム業界も大変だし、作っている側にも「金を生む装置」と思っているのではなくてプレイヤーの期待に応えるために必死にやっている人もいる、それだけ頭の片隅にとどめていただければ幸いです。