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騎士とドラゴン、後継作品を開発するためサービス終了。

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『騎士とドラゴン』のサービス終了が発表となった。
final-info」と名付けられたメッセージには、後継作品の開発が決定したこと、そのため12月1日の15:00をもってサービス終了となることが書かれている。

新規タイトルに移行したとき、『騎士とドラゴン』のゲーム進行状況、フィナーレイベントのクリアによって優待特典を検討中とあるので、騎士ドラチームの新作に期待する方は久々に騎士ドラを起動し、最後のイベントに参加してはいかがだろうか。

せっかくの機会なので、騎士ドラを振り返ってみようと思う。
ゲーキャスではリリース時に「おすすめ」としたっきり、このゲームを取り上げてこなかった。
しかし、ポツポツとプレイしてはやめ、アップデートがくると再びプレイして…と、気づけば結構遊んでいたし、実際に好きだった。

騎士ドラは、騎士を操作してモンスターを倒すステージクリア型のゲームだ。
騎士には3つの武器が装備でき、その組み合わせ次第でステージ攻略の難易度が変わる。
そこまでは普通の基本無料ゲームのようにも見えるが、このゲームにはプレイヤーの腕が物を言う防御システムがあった。

防御システムは、敵の攻撃に合わせてシールドボタンをタッチすると、ダメージを軽減できるシンプルなものだ。
タイミング良くタッチすれば、【JUST】となってダメージを大幅に軽減できる。
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そして、ギリギリのタイミングを見極めれば【MIRACLE】が発生し、ダメージを受けるどころかHPが回復する。
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理屈だけで言うなら「プレイヤーがうまければどんな敵も倒せる」仕組みと、ほどほどの難易度にプレイヤーは大いに盛り上がった。
また、ドット絵のグラフィックやアクションも良く、武器の技を組み合わせてで繰り出される必殺技の演出も爽快でよかった。
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しかし、面白い反面で課金システムは弱く、大いに話題になったリリース時からつねに売上げは伸び悩んでいた。

多くのゲームでは魅力的なキャラクター(多くは露出度の多い女性キャラであったりする)を売るが、武器というモチーフはガチャをまわさせるにはキャラが弱い。
レアな武器が出ても、付属する技が弱いと使いづらいのでガチャのお得感も低かった。

また、プレイヤーの腕が大きく影響を及ぼすゲームは、「課金しなくても腕で何とかする」という意識を刺激する。
本作では腕でカバーできる範囲が大きすぎ、枠拡張程度しか課金がいらなかった。
これも課金的に良くなかった(ゲームが面白かった根源でもあるのだが……)と感じる。

さらに、初動に失敗すると厳しいスマホゲームメディアの特性も追い打ちをかけたように思う。
現在のスマホメディア(とくに基本無料中心のもの)は、流行ったゲームにのってPVを上げることをメインとしており、流行っていなくても面白いゲームの情報を発掘して届けることをあまりしない。
騎士ドラはその影響をもろに受けた。

騎士ドラの登場時は、さまざまなメディアが取り上げ、もてはやした。
「あわよくば、パズドラまで行かなくても流行ってもらって、攻略記事にユーザーをつけたい」
そんな思惑が多くのメディアで見てとれた。

しかし、猛烈にプッシュされた騎士ドラにアクセスが殺到し、サーバー状況が悪化してプレイヤーのストレスの元となった。
サービス初期はシステムとバランスが整ってなかったこともあり、離脱したユーザーも多かったようだ。
そして、アップデートでようやくバランスやサーバー状況が整っても、今度は「騎士ドラが面白くなったよ!」と記事を書いてくれるメディアは少なかった。

また、騎士ドラを取り上げていた各メディアは波が引くように騎士ドラの情報を扱わなくなり、持ち上げられて落とされた騎士ドラには一種の「オワコン」感がつきまとったように思う。

ゲーキャスでは「なんか盛り上がっているから後回しで良いか」と、騎士ドラを取り上げなかったが、今となれば後悔するばかりだ。
場末のブログに過ぎないゲーキャスの規模では、大したことはできなかっただろうが。

ただ、幸いなことに騎士ドラには後継作が開発される。
次回こそはリリース日に遊んで紹介し、基本システムが面白いと思えたなら、長い目で見守りたいと思っている。

アプリリンク:
騎士とドラゴン (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)

追記(10月1日13:12):
最初にファミ通だけは連載を続けた、と書きましたが事実誤認でした。該当箇所を修正いたしまいた、申し訳ありません。