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ミリオンアーサーの実写化、実は堅実な一手!?斜め上に見える発想の裏を探る。

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2014年8月20日に発表された実写版のミリオンアーサー(以下、MA)、『実在性ミリオンアーサー』は、発表されるや多くのユーザーに「斜め上の発想」などと言われまくっている。
さらに、ニコニコ生放送で「予算は1億以上」と明かしてまた突っ込みを受けているが、真面目に考えてみるとこの企画はかなり「アリ」だ。
実在性MAがユーザーに受け入れられる可能性は高く、さらに昔MAをプレイしていたユーザーの復帰も促せる良い宣伝になるだろう。

以下に、その理由を説明しようと思う。

まず、アニメ絵のものが実写化すると宣伝効果がある。
今回の発表は「斜め上の発想」と各メディアで大きくとりあげられ、普段はゲームの話題が少ないITMEDIAにすら記事が掲載されている。
ここまで来ると、昔MAをプレイしていたユーザーの目にも届くはずだ。今でこそランキングが落ちているMAだが、プレイしていた人数はとても多い。
そこにリーチできるのが「実写化」のインパクトの強みである。

2014年内(つまり番組の放映期間内)には、拡散性MAの後継作『乖離性MA』がリリースされる予定になっている。
拡散性MAをやめたプレイヤーが番組を見て、番組のCM枠で「拡散性MAの進化版、乖離性MAリリース!」と言われたら、DLして試す可能性は高いだろう。
そう考えると、とても実写化は効率の良い宣伝になる。

また、実写化は番組も有望で、MAユーザーと親和性がある。
この番組はカルト的人気を誇るバラエティ番組、『戦国鍋TV』のプロデューサーと演出担当が、『戦国鍋TV』のフォーマットを使って作った結構堅い作りの番組なのだ。

『戦国鍋TV』とは、戦国武将たちがキャバクラで自分の功績を自慢する様子を面白おかしく見せたり、戦国武将が歌ったりと、さまざまなコーナーで構成されるバラエティ番組だ。
その面白さで地方番組だったものが全国区へ昇格を果たし、番組のDVDも人気武将の歌も、オリコンチャートにランクインするほどの売れ行きを記録している(ちなみに、 兵衛'zのベー・アンベシャスが個人的には好きだ)。

実在性MAにはCGによるストーリーパートがあるものの、スナックでキャラクターたちが会話するとか、キャラクターが歌うとか、その他の内容は戦国鍋TVの内容を踏襲しているのだ。
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戦国鍋TVのプロデューサーと演出が脇を固めているならば、ここは手堅く楽しめる可能性が高い。
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▲戦国鍋TVにも、バーで会話するコーナーがある。

さらに、MAにはパロディを受け入れる土壌があると思っている。
MAでは原作のキャラを崩壊させた狂気の4コマ漫画、「弱酸性ミリオンアーサー」がとても高い人気を持っているからだ。
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▲本当に全部こんなノリこんな漫画です。もっとひどいものも…。

戦国鍋TVのノリは、弱酸性ミリオンアーサーが好きなMAユーザーなら難なく受け入れられるだろう。
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▲この表情、完全にギャグ漫画側のキャラである。

だから、ストーリーパートと戦国鍋TV風のギャグの2本立てでMAファンが楽しめる可能性は高いと思う。
「アニメが良かった」と思っているファンの方もいると思うが、「実写で弱酸性ミリオンアーサー!」と思うと楽しく聞こえてくるのではないだろうか?


一見アホっぽい実写化企画だが、自分にはかなり考え抜いた上のしっかりした企画なのだと思える。
番組内容は堅実で、話題性もあり、過去のユーザーをMAに引き込む可能性もある。
最新のオタクの流行に詳しい、岩野プロデューサーの能力が良い方向に働いたのではないだろうか。
自分は番組、その影響の観察、両方が今から楽しみだ。

で、長くなってしまったが、言いたいことは1つ。
スクエニさんは早く弱酸性MAを単行本で出してください。

関連リンク:
シシララさん 第6回 スペシャル生放送
実在性ミリオンアーサー