今回の話は前回の記事、「流行らないゲームはやりたくない」ソシャゲプレイヤーの心理とはの続きとなる。
前回、LINEでの会話を通じて、ソーシャルゲームユーザーが、ゲームをプレイするときに流行を気にするかどうかの話したが、そのラストで話がガラリと変わった。
「昔のゲーマーってソシャゲを見下しすぎだよね。
最近もエンディングがないゲームについてTwitterで流れてきたけど、ちょっとひどいわ」
その言葉を皮切りに、オールドゲーマーであるゲームキャストがなぜか責められることになったのだった…。
まず、口火を切ったのは「ちょっとひどいわ」と言った高校生である。
彼は親戚の家でファミコンをプレイしており、年齢詐称を感じるぐらいファミコンに詳しい。
「エンディングがなければいけない、というのならファミコンのゲームを否定しているよね」
続いて、グループ最年長のおっさんが口を開く。
「ゲーセンのシューティングなんか1周したら終わりとか、100万点出したら終わりとか、どこでやめるかは自分で決めていたもんだけどね」
まあ、それは分かる。
「終わりがないゲームはダメ」という考え方は、エンディングのある家庭用ゲームをメインに遊んだ人の価値観なのだろうと思う。
ただ、個人的にはプレイすること自体が楽しくないゲームはダメだと思っているが。
ポチポチもそうだが、それ以上に長時間かけてユニットをゲットして、長時間かけて合成して、あまり駆け引きのない戦いに出す、その流れがもう苦手。
そういうゲーマーは結構いると思う。
だが、それに対して大学生が否定にかかる。
「ゲーキャスさん、硬派ゲーマーというか、ソーシャルな面白さ評価しない人は超少数派だと思いますよ」
いやいや、そこまで少なくないだろうと思う。
「だって、あまりお金のかからないソシャゲの『艦これ』は今まで「ソシャゲはクソ」と言っていた人でも大勢やっているじゃないですか。
ガチャがないからソーシャルゲームじゃないとか、見方は人それぞれですけど、『艦これ』はお金があまりかからないだけで、システムはガラケーにあったモバゲーのゲームと似ています。
結局、お金がかかるように見えていたからやらなかったけど、やれば面白いんですよ」
あれはキャラや設定が人気で、それについて語り合うのが楽しいから。
決して、プレイが楽しいわけじゃないと思う。
と、反論しているとおっさんが流れを止めた。
「あー、ゲーキャスさんはね。セガマニアだからソーシャルゲームの楽しさが分からないんだと思うよ、その感覚が」
このおっさんとは10年来の付き合いだが、昔から「お前は、セガマニアだからダメだ」と、セガマニアの名前を借りて自分を茶化すおっさんである。
(なお、このおっさんが語るセガマニアはドリキャスまでのセガであり、現在のセガを指さない)
また、しょうもない理屈だと思うが、そのわけを聞いてやろうじゃないか。
「学生時代、ほとんどの人はドラクエやFF、メタルギアとかができるゲーム機を選ぶでしょ。
だけどセガマニアはセガハードを買うから、会話についていけない」
そりゃ、普及率が低かったから仕方ないが、それがどうした。
「つまり、ゲーキャスさんは面白いと思ったゲームは、他人に理解されなくてもいいんだよね。
ゲーキャスさんのゲーム観を極端に言うと、プレイの面白さが10割で、ソーシャルの面白さが0割でも成り立っている。
ゲームを遊ぶだけで完結して、他人と共有できればさらにいいよね、としか思っていない。
だから、他人がプレイしていないゲームを遊んで、面白いゲームは世間の評価関係なく面白い、とか言えるんだよね」
確かに、常日頃から面白いモノは他人が楽しめなくても面白い、とか言っているような。
「でもさ、多くの人はそうじゃないよ。
ゲーム自体も楽しむと思うけど、「バイオのゾンビ怖いよね!」とか話して楽しむのも重要で、購入動機としてソーシャルの面白さが2割とか、もしかしたら5割を占めているかもしれない」
うむむ…いつもは穴だらけの理屈でくるのに、今回はかなり図星を突かれた気がする。
自分は、他人が持っているから買ったことがない…。
たしかに、自分のコンピューターゲーム体験にはあまり共有がない。
小学生時代にメガドライブがあったのは自分だけだし、中学生時代にPC98を持っていたのは自分だけだ。
「で、現在はツイッターとかで簡単に共有できるから、ソーシャルの面白さがより大きくなっていると思う。
でも、ゲーキャスさんの中ではソーシャルな面白さの評価が低いから、楽しめないの。
ゲームの面白さを軽視しすぎている会社もある気がするけどね」
ぐぬぬ…。
しかし、この日は心に刺さる言葉の数々に反論することはできず、昔のゲームプレイヤー代表として大いにいじられるのであった。
ちなみに、一番心にきた言葉は
「小学校のときドリキャス持っていたヤツがいて、そいつの持っているゲーム誰も知らなかった」
だった。
青の六号と、ドリキャスのロードス、エレメンタルギミックギアは名作なんだぜ…。
追記:
なお、インターネットがない時代でも、雑誌の読者投稿欄を通じて「我々セガ人は…」などと共有して楽しんでいたことをささやかながら書いておきます。
雑誌が2週に1度ぐらいの共有だったのに比べ、思ったときに即共有できるソーシャル世界はすごいですなぁ。