ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライトの返金問題は、ソーシャルゲーム業界を巻き込むスーパーヘビーな問題になりつつある。

dq_gacha1
昨夜、ドラゴンクエストモンスターズ(以下、DQMSL)が有料ガチャサービスを停止することを発表したが、これが飛び火して魔法使いと黒猫のウィズやガンダムコンクエストなど、他のゲームにも返金を求める声が起こり、実際に返金が認めらたユーザーも出てきているらしい。

この問題はDQMSLだけで完結せず、ソーシャルゲーム業界の業界の体勢全体が変わるほどの事件になりそうだ。
今回の事件と、今後考えられることについて書いていきたい。

DQMSLの何が問題だったのか?
まず、DQMSLで何が起きたかをまとめておこう。
今回の事件はDQMSLの有料ガチャである「金の地図ふくびき」で、レア度の低いモンスターばかりがでることが発端となった。

ふくびき画面では金色の地図がほとんどだが、実際に出てくるモンスターは銀の地図(レア度が低い)ものばかり。
見た目はほとんどが金なのに、実際に当たるのはほとんどが銀だ。
ここを景品表示法の「有利誤認(実際のものよりも著しく取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの)に当たるのではないか?」と指摘されたわけだ。
dqml15

それに対して運営がとった対策はガチャ画面に表示される銀の地図の数を増やすというもの。
これは「我々は表示に問題があったと認識しています」と言っているようなもので、いいわけが効かなくなった形だ。
また、この中途半端な対応がユーザーの怒りを招き、返金請求につながる一因となった。
dq_gacha3
▲銀の地図が増えている!

2ちゃんねる掲示板などで「返金できた!」という書き込み、スクリーンショットが投稿されると、次々と返金請求するプレイヤーが現れたようだ。
これに対して、DQMSLはガチャに使用された課金アイテム【ジェム】を全部返却して、現在一時的にガチャサービスを停止している。
dq_gacha2
▲寂しくなったガチャ画面

「当選確率表示がない」「当選確率を誤認させる表示があった」というセットまでは他のゲームでも見られることがある。
それどころか、昔はかなりあった。
が、ドラクエというブランドだからこそここまで大きな問題となったのだろう。

過去の炎上事件より規模が大きい理由
過去、スクウェアエニックスでは『拡散性ミリオンアーサー(以下、MA)』でも返金騒ぎになっている。
だが、今回はそのときと圧倒的に違うことがある。
スクエニの対応だ。

ゲーム内の課金アイテムの全額返却を打ち出し、ソーシャルゲームとしてかつてないほど(おそらく社内的には)の対応を行っている。

おそらく、ドラクエというブランドを傷つけたくない事情があるのだろうが、もう1つ自分はAppleの対応が気になっている。

あまり知られていないが、Appleは1度だけ返金に応じてくれる。
通常、Appleに返金を求めると「通常は返金が認められないが、今まで返金の請求がなかったので1度だけ特例で認める」という意味の文章と共に返金される。
MAの返金騒ぎのときは、自分が知る限りこの文章と共に返金されていた。

だが、今回はその「1度だけ特例で」という文面がなく、「特例で」返金処理が行われている。
返金事例があるプレイヤーにも返金されているところを見ると、Apple側で「法律違反の疑いがある」と認識している可能性があり、今回の素早い対応もそれが一因になっているのではないだろうか。


業界に与えるであろう影響
今回のスクエニの対応に戦々恐々としているメーカーは多いのではないだろうか。
DQMSLの事例が見本になってしまった場合、何か発生したときに同じような返却対応を迫られるからだ。
DQMSLは立て直せば儲かることが約束されてるヒットゲームだからこんな対応が可能だが、ぎりぎりで運営しているゲームにこれが起きたら終わりだ。

今後はちょっとした表示上の不手際などで同じような騒動に発展する可能性もあるし、過去の事例を掘り出されて返金を求められることもあるかも知れない。

また、今回のことで、ガチャの確率非表示はゲームにとっての大きなリスク要因であることが証明された。
今後は確率表示、それも個別の当たり確率表示が普通になってくるのではないかと予想される。

また、AppStoreで商売する上で潜在的なリスクが見直され、商売の方法すら変わってくる可能性すらある。

問題の根本はソーシャルゲーム業界の体質
結局のところ、今回の問題はガチャの確率を表示しておけば避けられた問題だ。
金の表示が多くても、確率が表示されていれば避けられたはずだ。
JASGA(一般社団法人ソーシャルゲーム協会)でも確率表示は推奨されており、業界団体のガイドラインに従うだけで良かった。

が、スクエニはそれをしなかった。
その背景にあるのはソーシャルゲーム業界の自浄作用のなさだろう。

グレーゾーンに踏み込むほどお金は儲かりやすい(ただし、ガチャの確率表示はしても売り上げが変わらないという説もある)。
儲かれば開発資金を投入してまたすごいゲームを作り、他社を圧倒できる。
ガンホーやコロプラほどの大ヒットを飛ばせば別だが、他社に負けないためにはお金が必要で、その結果確率表示がされないできたのではないだろうか。

人によるが、数万円というのは安い金額ではない。
「超絶アップ!」とか「2倍!」とか言われてもなにを基準にどれぐらい上がっているかもわからない。
仮に0.01%だったら2倍でも0.02%だ。嘘はついていないが、結局当たりづらいことに変わりはないし、トラブルの火種はくすぶる。
たまたま今回はドラクエという大きなブランドで燃え上がったので、問題に発展しただけだ。

ガチャをするのはかまわない。
だが、多くの人にとって安くない金額を、あやふやな表示で出させればいずれまたトラブルを生む。
毎回この手の問題が発生するたびに言っていることだが、基本無料ゲームはイベントにかかるお金の目安や、ガチャの確率表示を行ってくれるのを願うのみだ。

最後になったが、DQMSL自体はドラクエ好きが楽しめる面白いゲームだ(自分も30LVまでやっているし、継続中だ)。
良い対応を打ち出して、立て直して欲しいと思う。

追記:
DQMSLの対応が発表され、確率表示されることとなった。
ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト、今後の対応発表。ガチャは確率明記へ。

関連リンク:
ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト、有料ガチャサービス停止。ガチャに使用したジェムを全て返却へ。
「DQMスーパーライト」の返金騒動が飛び火 「黒猫のウィズ」「ガンダムコンクエスト」でも返金求める動き - ねとらぼ