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Campfireで始めるクラウドファンディング入門。スマホゲーム『無銘』に出資するまで。

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皆さんはクラウドファンディングをご存じだろうか。
「こんなものを作るから、みんな買ってくれ!」と開発者が直接ユーザーにメッセージを送り、発売前の商品に対して大勢のユーザーからお金を集める方法だ。
この方法ならば「アイデアは面白いと思うけど、採算がとれないかもしれない」という開発者は事前に開発資金を手に入れ、安心して開発できる。
ユーザー側にも多様なゲームを遊ぶチャンスが生まれる。

クラウドファンディングサービスとしては海外の Kickstarter が有名だが、本日は日本のサービス Campfire で資金を募集しているゲーム『無銘- No Name-』にゲームキャストが出資するまでの流れを書いてみたい。

当たり前ながら、お金を出すかどうかを決める一番の決め手はゲーム内容だ。
しかし、まだできてもいないゲームの内容を品定めするのは難しいが、ゲームキャストではだいたい下記の順番で確認する。

無銘-NoName- CAMPFIREキャンペーンサイトをじっくり読みつつ、下記の順番で見ていって欲しい。

1.概要チェック
『無銘- No Name-』は江戸時代末期の架空の地域を舞台に、3人の主人公がヤクザや士族などと戦って事件を解決するチャンバラアクションだ。
剣の使い手である主人公たちは、様々な敵を相手取って、この地域で発生する事件を解決しながら、それぞれの物語が交差していく中でひとつのクライマックスへと向かいます。
ってストーリーが結構気になる。
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日本語のストーリーやキャラクターのワラワラ感に期待!
ライバルは Samurai II: Vengeance かなー。時代劇好きだしチェックしてみよう。
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2.お金の使い道を確認
制作費用の充当に利用します。また、音声素材やフォントなどのデータの購入費に利用します。
ご支援いただいた資金はキャラクターやステージなどのコンテンツの追加に利用します。
ふむふむ。
とりあえず作るために金が必要で、お金を出すと音声などもパワーアップするのかな。
まっとうな使い道だからOK。

3.特典を確認して出資金額に当たりをつける
先ほども書いた通り、クラウドファンディングサービスでは、支払った金額に応じていろいろな特典を受けられることが多い。
今回のゲームでは…。

500円で感謝のメッセージ、1000円でオリジナル壁紙やSNSアイコン、3000円で【パトロン様の個人名をクレジットに記載】、5000円で【パトロン様の個人名をスポンサーとしてシーン切替え時のアイキャッチ内に表示】か。
普通はクレジットやHPに名前が載るだけだが、5000円でアイキャッチは安い。
今回は3000円ぐらいでいってみようかな。

ちなみにさらに上を見ると、出資者が考えた武器やボスが登場するなどの特典がある。

4.ゲームシステム
戦闘は時代劇の殺陣を意識したチャンバラアクションゲームで、通常攻撃、防御、必殺技を使い分けることで行います。相手の攻撃を上手く掻い潜り、連続攻撃を決め、コンボをつなげながらゲームを盛り上げていきます。ときには手強い敵が現れることも!
時代劇の主人公のように、向かってくる大勢の敵を、磨きぬかれた剣術で斬り倒していく爽快感を演出します。
なるほど。無双に近いアクションゲームかな?
出てくる敵キャラクターも多くて、うまく作れば爽快感はありそうだ。
ここもOKと。

5.見た目・動きチェック
システムが良くても演出が良くなければ何も面白くない。特にチャンバラ系は演出が重要だ。
今回は動画があるので、それを見て確認する。


動画をみたところ見た目はまあまあかな…大手には劣るけども、ありだ。
動きや音はイマイチ。
開発資金の使い道を見ると「音の購入」などがあるので、このあたりは直るのだろう。
よし、そう思っておこう。

6.作者のプロフィールをチェック
今度は作者のプロフィールをチェックし、満足するクオリティのものを仕上げられるか確認だ。
今回、ゲームを開発するStudio Fuchagiはプログラマーの饒平名秀成氏と、デザイナー澁谷康宏氏の2人組。

饒平名秀成氏が過去に関わったゲームを見てみると…げげ、『真・戦国バスター』と言えば運営が酷すぎて自分の中でワースト10に入るゲームだ…。
もう1つ『フライショットゴルフ』も見た目はいいが、面白くなかった気がする。
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▲フライショットゴルフ。見た目は良かった。

で、さらに調べると饒平名秀成氏による技術的な発表のスライドが見つかった。
ふむふむ、どうやら彼はプログラムをメインで、ゲーム部分の人ではないようだ。
フライショットゴルフのプログラム面を担当したのなら、今回のゲームもがんばってくれそうだな…。
▲そのスライド

もう1人、澁谷康宏氏は多くの家庭用ゲームに関わったデザイナー。Googleで調べてもよくわからなかったので、Studio Fuchagiの過去作品を見てみる。
牛追い祭りのラン系ゲームで、見た目はそんなに悪くない。
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こちらもキャラの動きがイマイチだったのが気になるが、2作目なので進化すると信じたい!
よし、俺は3000円出すぞッ!

7.最後に重要なのは心意気だ!
最後に確認するのは、彼らのゲーム作りの信念だ。
ここが合わなければ投資しても絶対に欲しいゲームはできない。
左近の流行りであるソーシャルカードゲームや、AAAと呼ばれるような大規模開発とはまた違った方向で、インディーズゲームスタジオという形から、各人の得意分野を活かし、少人数でも多くの人々に評価される作品を作れればと思い
なるほど、ソーシャルゲームや大作とは違うものを作りたくて独立したのか。
その心意気を買った!5000円に増額だッ!

8.そして出資。
そして、Campfireにクレジットカードを登録し、5000円投資して終了。
予定されている期間内に目標金額の800,000円が集まった場合だけ引き落としが行われ、プロジェクトが進むこととなる(目標を達成しなければ引き落とされない)。

たった5000円を出すためにこれだけ長々と考えるのは非効率と思うかも知れない。
だが、「自分が選んで出資したゲーム」ができると思うと、調べている時間は楽しいウィンドウショッピングのようなものだから楽しい。
皆さんも、クラウドファンディングを楽しんでみて欲しい。

ただし、通常のゲームはものができてからお金を出すが、こちらはできる前のものにお金を出す仕組みだ。
よって、トラブル(ゲーム開発期間が長くなるのは良くある話だ)などでお金を出資しても完成しないことがある。
そこにだけはお忘れなく。

追記:
Fuchagiですが、公式Twitterに全くフォロワーがいないので誰かフォローしてあげてください。
@StudioFuchagi
fungi


関連リンク:
無銘-NoName- CAMPFIREキャンペーンサイト
fuchagi Facebook