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モバゲー発の本格3D FPS『The Drowning』をプレイしてみた。

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DeNAがバトルフィールドのプロデューサーによるFPS『The Drowning』を開発中とニュースを書いてからだいぶ立ったが、ついに先日、日本以外で『The Drowning』が公開された。
モバゲーが開発した本格3Dゲームとはどんなものだろうか?
早速、プレイしてみたので感想をお伝えしたい。

グラフィックは前評判のとおりかなりのもの。
壊滅した世界で、主人公がとある島にたどり着いたところからゲームが始まる。
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▲モバゲーのゲームでフル3Dのオープニングがあるのが不思議なきぶん。

が、ストーリーは薄めで基本はミッションを選択してひたすらこなすタイプのゲーム。
それなりにプレイしたが、基本的にはATTACK(襲い来る敵を次々撃破する)とDEFEND(家にこもり、バリゲードを破壊しようとする敵を倒す)の2種類しかないようだ。
どちらも制限時間内に敵をひたすら倒し、スコアを稼ぐという内容だ。
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いざ、ゲーム開始!
オープニングのままの美しいグラフィックの中でちゃんとゲームが始まる。
少なくともiPhone5とiPad miniではスムーズに動き、落ちることもなかった。
この辺りは素直にすごい。
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操作は移動したい場所をタッチすることでその場所に移動、画面を2本指で同時にタッチすることで2本の指の中間地点を狙って射撃というユニークなもの。
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「えっ、なんだそれ?」と思う方もいるだろう。
「バーチャルスティック操作のFPSなんて最悪だ!」という記事で紹介したが、タッチパネルではタップ、スワイプ、ピンチ操作が普通なのでそれらを使うべきという哲学に基づき、このゲームでは新しい操作系が開発されているのだ。
詳しくは下の動画を見て欲しい。


うーん、これは慣れの問題かもしれないが、正直バーチャルスティックのほうがプレイしやすく感じてしまった。
特にiPhoneでは少し移動しようとして180度ターンボタンを押してしまったり、焦って攻撃すると同時押しに失敗して移動になってしまったりと、問題のある操作だ。
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▲画面真ん中の下にあるターンボタン。

iPadでプレイすればある程度問題は解消されるのだが…もしかしたら、iPad以外はおまけというパターンなのかもしれない。それならある程度納得がいく。
落ち着いてさえいれば正確に射撃できるので、悪いということはないと感じた。
ただし、バーチャルスティックのFPSに慣れていると不自由に感じる可能性は高い。

ゲームはスコア制のアーケードスタイルになっており、時間内にどれだけ得点を稼ぐかで報酬が変わってくる。
敵を連続で倒しているとゲージがたまり、MAXになると敵を倒した時の得点が跳ね上がるFRENZYシステムというものがあり、これがハイスコアの鍵。
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▲リアルなグラフィックに得点アイテム…シュール。

死なずにミッションを終えると得点に合わせて5段階で評価され、ランダムにガラクタが手に入る。
主人公は敵を倒しつつ、廃墟などからアイテムを探しているという設定だから、効率良く倒すほどに探索の時間が伸びる、ということなのだろう。
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▲最高評価に届かなくても、FLARE(課金アイテム)を使用すれば1段階上のガラクタが手に入る。

プレイ感覚はアーケードスタイルなのだが、その大枠は日本式のソーシャルゲーム。
ガラクタを集めて壊れた武器を修理して新しい武装を手に入れたり、いらないガラクタを合成して銃を強化するあたりはカードバトルの合成システムに近い。
強力な銃を手に入れれば、敵をどんどん倒せるのでスコアも上がるというわけだ。
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▲新しい武器の完成には時間がかかる…スキップするには課金。

面白いかどうかといわれると、iPadでプレイしているとアーケードチックに楽しめて悪くはない。
スコアが上がればより良いアイテムがもらえるので1プレイを頑張る気にもなるし、最高評価一歩手前ぐらいまでは課金アイテムがなくてもとれるし、それだけできればアイテムは揃う。
進行に必要なアイテムはレアアイテムでもほぼ1回、多くても3〜4回のプレイで手にい入れることができた。
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▲必要な物はちゃんと手に入る感じ。

また、新しい場所に行くために新しい乗り物のパーツを探してきて修理し(ミッションをこなしてガラクタを集める)、修理が終わるたびにストーリーが進むという設定も納得感があり、1人用の暇つぶしFPSとしては十分遊べるものと感じた。
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課金システムは有料ガチャと、ガソリン(プレイの体力)、そしてミッション報酬を余分に手に入れられるフレア、そして武器の作成時間を飛ばす課金。
ただ、少なくとも20以上のミッションをこなしたが、同じステージを何回かプレイする必要はあっても有料ガチャを回す必要は感じなかった。
ゲームの大枠はポチポチをFPSに置き換えたソーシャルゲー方式だが、バランスとしてはやや海外に寄せてきた印象がある。

で、これが大ヒットするかというと…微妙だ。
細部の演出などが荒く、大作ゲームと言える気遣いがあるのはグラフィックだけだ。
内容もゲームとしては好きな人もいると思うが、ゲーマーが好むレベルには達していない。

しかし、RPGを簡易化したいわゆるポチポチゲーが大ヒットした例もあるから可能性がないとは言わない。
正直、自分が日本人だからかもしれないが、パーツを集めて銃を組み立てたり、乗り物を作って新しい場所にいける…というのはわかりやすく、頑張りたくなる気がした。
なので、FPSを少しだけ簡易化したこのゲームをヒットさせる作戦をモバゲーが練り、アップデートしていけばもしかしたら、とも思う。

このゲームがどうなるか、しばらく動向を見守ってみたい。