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『RPG 盟約のソリテュード』SFCを思い出すRPG

RPG 盟約のソリテュード(itunes 800円 + iPhone/iPadの両方に対応/ Google Play 840円)
課金:(課金通貨)追加ダンジョン、転職、能力UPアイテムなどに使える
開発:Kotobuki Solution Co., Ltd.
評価:2.5(価格通りに楽しめる)
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よくできたストーリー
職業や種族の工夫が生きるバランス
ダメージ床などを避けるため細かい操作が要求されるストレス
一部のグラフィックと効果音がチープ
操作が不統一な部分がある。

今回紹介する『RPG 盟約のソリテュード』はケムコRPGだが、MAGITECという会社が制作しており、いつもとはちょっと味が違う。
ゲームキャストで紹介しているケムコRPGは主にHIT-POINT、World Wide Softwareが制作しており、MAGITEC製のゲームは2年前の『あやかしがたり』以来だ。

このときはガラケーからほぼベタ移植だったため、iPhoneでプレイしてみると明らかに見た目でおとって見えたが、今回はiPhoneを意識したつくり。
この辺りはさすがに月日の流れを感じる。
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▲フルスクリーンになりました。

そして『あやかしがたり』は評価は低かったものの、「ゲーム部分はいい」と書いた。
『盟約のソリテュード』も同じようにゲームバランスも進行も、正しくスーパーファミコン時代のRPGである。
ストーリーは特殊な能力を持つ少年がそれゆえに戦争に巻き込まれていく…という王道的な内容なのだが、ケムコRPGにありがちなご都合主義な展開が少なくしっかりと練られていて好印象。
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メインストーリーを追いつつ、街にたどり着くとちょっとしたサブクエストやお宝があり、それを探して探索を行うというのが基本的な流れ。
ただ、サブクエストは「特定職業で◯LV以上のキャラをつれてこい」というもの、「特定のアイテムを持って来い」程度のものなのであくまでおまけ程度だ。
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特徴的なのはキャラクターメイクシステムで、ドラクエ3のルイーダの酒場のようにいつでも仲間を交代でき、仲間自体も自分で種族と職業を選択して作れるようになっている。
種族は“ドラゴン”・“フェアリー”・“ビースト”・“ヴァンパイア”から選択することができ、ドラゴンなら体力が多いが魔力が低い、ヴァンパイアなら魔力が高いがHPが低いなどの特徴がある。
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それに加えてファイターやヒーラーなどの4種の職業を選択できる。
同じ僧侶でも、フェアリーなら回復能力が高いが事故死の可能性が出てきてしまう、ドラゴンならタフでなかなか死なないのでボス戦で事故死しないなど自分の好みでキャラを作ることが可能だ。
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▲装備できる武器にも制限があるので慎重に決めたい。

最後に、種族によって異なるパッシブスキルを1つだけ選択してキャラクター作成終了。
種族・職業・パッシブスキルの選択によってゲームの難易度はかなり違ってくるので慎重に選ぶ必要がある。
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キャラクター名もプレイヤーが決めることができ、少ないながらカラーバリエーションから見た目を選択できる点も自分でキャラクター作成ができるゲームならではの楽しみだ。
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戦闘はターン制で進行し、後列にいると弓や魔法などの遠くに届く攻撃以外は味方も敵もダメージが半減するという隊列式。
バランス的にはそこそこ苦戦し、ボスもある程度ダンジョンを探索していれば勝てるようになっており、そこそこ歯ごたえがありつつも課金バランスではないちょうどいい具合。
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これもまたケムコRPGにしては独特なのが、スマホにしては広くて分岐の多いダンジョン。
例えば、近くに見えている宝箱を取得するために大きく迂回するなど、昔のRPGのような作り。
エンカウント率がそこまで高いわけではないので戦闘回数は他のRPG並だが、人によっては面倒に感じる可能性も。
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▲だんだんと複雑にもなってくる。

ただ、ダンジョンは人によっては「懐かしい」とも取れる作りなのでマイナスという程でもないし、ストーリーとゲームバランスは堅実な作りで面白い。
が、残念なことにいくつかの難点もある。
まず、バトルの演出やグラフィックは最近のケムコにしては貧弱。
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▲静止画からはわからないが、動きや効果音がチープ。

移動操作は目的地タッチでの自動移動と十字キー移動の2種類で、それ自体は悪くない。
が、ダメージをくらう針や毒沼地などがあり、細かい動きを強いられてストレスは避けられない。
ダメージ地形を無効化する魔法などを自由に使用できるようになるまで結構気になる。
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また、UIの不統一も気になるところ。
ショップで購入の際、初期のカーソルが“いいえ”が初期選択となっており、購入する意思があってボタンを押しているのにもうカーソルを移動させ無くてはならず、逆に売却しようとすると“はい”が初期選択になっているので大事なものを売却してしまいやすいという問題がある。
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▲ショップ画面。宿屋に話しかけても初期は“泊まらない”という選択…。

操作に関しての根本的なところなので、合わないプレイヤーには合わないかもしれない。
ただ、それを差し引いても堅実なバランスの作りがあるので、リニアに進んで簡単すぎるRPGより少し歯ごたえがあるものを求めているなら、これは楽しめる。
実際、自分も下手なケムコRPGより楽しんでプレイできた。

課金要素もあるが、それによって手に入る特殊な復活アイテムや装備はクリアに必須ではなく、難易度を下げてくれる程度。
追加ダンジョンを購入しなくてもクリアには支障がない。
また、モンスターを倒すことである程度課金通貨を貯めることもできる仕組みになっているので「高級な便利アイテムショップ」としての楽しみがあるぐらいだ。
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▲上級職チェンジアイテムもダンジョンで手に入るしあくまで補助。

マップの迂回路などにストレスを感じず、SFC的なレトロな雰囲気のRPGを求めているならば十分楽しめると思うので、気になったらどうぞ。
なお、本作はクリアまで約10時間。
裏ボスの要素はなく強くてニューゲームができるのみ、ここも他のケムコRPGと異なるのでいつもケムコRPGをプレイする方は要注意。
課金通貨で購入できる追加ダンジョンが実質的なクリア後のお楽しみに近い調整のようなので、このゲームが気に入ったなら敵を倒してポイントを貯めるなり、課金してみるといいかもしれない。

アプリリンク:
RPG 盟約のソリテュード(itunes 800円 + iPhone/iPadの両方に対応/ Google Play 840円)

動画(英語版)