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レビュー:Fieldrunners 2 定番タワーディフェンスが現代風に王道進化

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タイトル Fieldrunners 2
ジャンル タワーディフェンス
価格 250円
アプリ内購入 なし
日本語対応 なし
販売元:Subatomic Studios | Version:1.0 | GameCenter:実績・ランキング | 対応機種:iPhone / iPod touch |レビュアー:ドラゴン
評価:3.5(かなり面白い)
飽きさせない20ステージを超えるボリューム
タワーの種類の豊富さ
わかりやすくなった敵の動き
TD初心者は少し厳しい複雑なシステム
2008年にiPhoneで発売され、またたくまに定番となったタワーディフェンス(TD)、『Fieldrunners』。
今回は4年ぶりに出たその続編、『FIeldrunners2』を紹介したい。
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前作は何もないマップに自由にタワーを設置する「自由配置型」のTDで、タワー数はクラシックなら4つ、ステージ数も多くないシンプルな作りだった。
とはいえ、TDが人気になり始めた当時としては標準的なタイプで、その中でもバランスやコミカルな動きのキャラクターによる演出など高い品質のTDだったことは間違いない。
言ってみれば、スタンダードを極めたTDだった。
もちろん、あれから4年たった現代にそんなシンプルさでは物足りない。
『Fieldrunners2』は大幅なパワーアップが図られている。

まず、本作ではステージ数は20以上とストレートにボリュームアップしている。
マップ上に高低差がつき、敵の動きがより複雑になった。
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▲iPhoneでは少ない高低差を生かした地形があるステージも追加。

自由にタワーを設置できるステージ以外に、敵が決められた道を通ってくるステージや、タワーを配置して決められた数で敵を誘導する詰将棋のようなステージなどが追加されており、それぞれ違った形の戦略性が要求される。
また、前作は必ず1ステージ100Roundと長くてやり直しがつらいゲームだった。
が、これも全体に短めになり、ステージごとにRound数が変化してゲームとしてのメリハリがついた。
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▲地雷に導くパズルステージ。

設置できるタワーの種類も大幅増加。
ステージをクリアすると「★」やコインが手に入り、これで新しいタワーを購入して最大20種類まで増加する。
1つのステージに設置できるタワーは種類に制限があり、ステージ開始時にプレイヤーがその中から選んで使う『Sentinel3:Home World』のような仕組みも導入された。
タワーの中には他のTDではあまり見ないような攻撃をする珍しいタワーもあり、戦略性がさらに深くなったと言えるだろう。
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▲これだけあると選んでる時が楽しいが、どれを選ぶべきかわからない気もする。

新システムとしてはアイテムと空爆をゲーム中に使える新システムが導入された。
ステージ開始時にアイテムを持ち込み、好きなタイミングで使用できるようになった。
アイテムの効果は敵を直接攻撃したり、数Round前に時間を戻したりとさまざまだが、全体に強力。
使い方次第で攻略がかなり楽になるがアイテムは使いきりで、ゲーム内通貨で買って補充しなければならない。
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▲Roundを戻すことができるアイテム。

敵を倒すか、敵が道を通過してしまうと貯まる画面右上の爆弾ゲージが最大になると強力な全体攻撃が可能になる。
たまるまでかなりの時間がかかるが、かなり強力だ。
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▲空爆中。

実績に対応しているだけでなく、実績を開放し続けるとコインや★がもらえるシステムも地味に嬉しい。
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▲カードシステムの画面

もちろん、プレイのしやすさも格段にアップ。
前作ではタワー設置時に敵の進行ルートがどう変わるのかわかりづらかったが、今作ではタイム中やタワ-設置の際に敵の動きが矢印と点線で示される親切なシステムが追加された。
タワーが設置される予定のマスに印が出るようになり配置の失敗も少なくなり、前作よりも親切になった。
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▲点線で敵の進行ルートがわかる

きっちりしたチュートリアルも用意されているので操作方法などで困ることはないし、難易度がCASUAL、TOUGH、HEROICの3種類用意されている。
ただし、一番簡単なCASUALでもパーフェクトクリアを目指すと難しく、かなり手こずる。
手強いTDという感じだ。
ステージをクリアすると難易度に応じて★とコインが手に入り、ゲームを新たなステージが開放されていく。
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▲地域マップ

元々定評のあった演出面もやはりパワーアップ。
Retina対応なだけでなく、地域ごとの特色を活かした美しいマップ背景になっている。
雲霞のごとく押し寄せてくる敵の描写もパワーアップしており、大量の敵をさばき続けているのは見ているだけで楽しい。
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▲この勢いで敵が出る!

全体として、ゲームバリエーションの増加、タワーの種類や新システムによる戦術性の増加などなど、前作と比べてかなり高度になり、TDとしてやりがいのあるゲームになったと感じた。
全ての要素が高バランスまとまっている良作TDになっているのは間違いないが、ここまで読んできて「あれ、どこにもありそうなシステムしかない?」と思った方もいるかもしれない。
確かに、アイテム以外でそう目新しい要素はない…と言うよりもどこにでもあるシステムだ。
だが、このスタンダード感こそ『Fieldrunners』だと思う。
前作もすでに珍しい要素はなかった。それどころか、当時としてもシンプルだった。

同じように、今回も今のタワーディフェンスのスタンダードを切り取り、全て融合させて高いレベルでまとめたように見受けられる。
内容はいろいろなシステムを集めたものと言えなくもないが、実際にプレイして受ける印象は間違いなく『Fieldrunners』。
少し難易度が高めで歯ごたえのあり、何度も繰り返しプレイしてしまうゲーマー向けの内容になっている。
難易度の高さ、システムの複雑さから初心者には薦めづらいが、TDというジャンルが好きなら迷わずおすすめの高品質TDだ。

Fieldrunners 2の詳細・DLはこちら(itunes)

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