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レビュー:N.O.V.A. 3 - Near Orbit Vanguard Alliance 堂々のモダンコンバット3超え!

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タイトル N.O.V.A. 3 - Near Orbit Vanguard Alliance
ジャンル FPS(一人称視点シューティング)
価格 700円
アプリ内購入 アプリ内通貨購入(ゲーム内でもそこそこ入手可)
日本語対応 あり
販売元:セガ | Version:1.0 | GameCenter:独自実績 | 対応機種:iPhone / iPod touch /iPad | レビュアー:弟
評価:4.0(すごく面白い)
iPhone4S、iPad2以上を基準に作られた美しいグラフィック
ステージの作り込み
慣れると敵を圧倒する無双感
家庭用ゲームと比べても遊べるオンライン対戦
戦闘中は会話の和訳を読むことが難しく、ストーリーを見逃しやすい。
1人用でハマることがある。
1人用で武器が多すぎて変えるのに時間がかかる
ゲームロフトが送る、スポーツ系FPS(主観視点シューティング)シリーズの第三弾。
スポーツ系FPSでは主人公がスーパーマンなFPSのことで、弾を受けながら特攻してショットガンで無理やり敵を制圧したり、特殊能力でまとめてふっ飛ばしたりと無茶できるゲーム。
モダンコンバット3』など頭を打たれたら即死の、普通の人が戦うFPSはリアル系FPSと呼ばれる。

シリーズ通しての主人公カル・ワーディンはまたもや巻き込まれるように単身で人類滅亡の危機を救うミッションにおもむく。
今回は(も?)高度な文明を持つ種族が作ったテクノロジーの塊「遺物」をボルテライト(異星人)から回収しに行くSFストーリーだ。
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このシリーズは毎回「最新技術に挑戦!」「グラフィックの限界に挑戦!」という最先端を目指しており、今回はiPhone3GSではプレイできなくなった代わりにプレイステーション2ぐらいなら軽く超えるレベルの美しいグラフィックを実現。
『モダンコンバット3』も超えており、自由に動き回れるフィールドを持っているゲームでは現時点でトップといっていい。
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グラフィックの向上がそのまま臨場感をアップさせており、1人用のキャンペーンモードでは映画を思わせる演出でストーリーに厚みをもたせている。
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ストーリーを盛り上げる戦闘の間にあるムービーはまさに映画のワンシーン、かなり迫力がある。
ただ、会話が増えても中だるみしない配慮か戦闘中にも会話があり、字幕を見ながら戦うのははっきり言って無理。
せっかくのストーリーを見逃してしまったので、ここまで来たら日本語音声までチャレンジしてもらいたかったところ。

ゲームをプレイしても仕掛けからミッションまで様々な要素が数段パワーアップしており「ゲームをプレイしている」楽しさがある。
敵AIがパワーアップしてバトルが楽しくなっているほか、今作は建物の判定がしっかりしているので、壁に隠れているのに死んだり、逆に隠れていないはずの敵が見えない壁に守られて倒せなかったりすることがなく「理不尽」を感じないのが嬉しい。
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弾が落としたり、ステージに用意されている兵器を取っていけばハンドガンのみで戦うようにはならないバランス調整も見事。
ただ、総じて見ると『モダンコンバット3』よりも難しめで、特に最終ステージ付近は難易度が跳ね上がるのでゲーマー向け。
ステージは全部で10ステージで、全部のステージをクリアするだけでスムーズに行って7時間はかかる大ボリューム。
クリアするとスコアに応じてクレジットを獲得し、キャンペーンやオンラインでの武装を購入できる。
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難点はハマりバグが散見されることと、ときおり次に行く場所がわかりづらいことぐらいか。
それでもこのゲームのキャンペーンは十分素晴らしい。

操作は伏せがなくなった代わりにジャンプと特殊能力ボタンが追加された『モダンコンバット3』という感じ。
移動は画面左側をタッチすると出てくるバーチャルスティックを使用。
視点移動は画面をスライドさせて行うか、ジャイロセンサー(本体を動かすことで視界が動く機能)で行う。
FPSというと狙うのが難しいイメージがあるが、アシスト機能のお陰できっちり狙えない人でも簡単にヘッドショットできる。
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射撃、手榴弾、スコープ使用、ジャンプ、ダッシュ、特殊能力それぞれにボタンがあり、ゲーム専用機のFPSで使われる操作はほぼ完全網羅。
武器、手榴弾、特殊能力はボタンをスライドさせることによりチェンジする。
かなり自由度が高い反面で操作は複雑でゲームをきっちりやりたいプレイヤー向け。
武器も7種類以上あり、キャンペーンでは武器の切り替えも一苦労となる。
オプションでボタン配置を自由に変更できるので、プレイしやすいように変更するといいだろう。

オンライン対戦は6種類のルールで、最大12人同時(6vs6まで)対戦できる。
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キャンペーンとの違いは画面左上のレーダーで近くにいる敵と味方の位置がわかること、ダッシュが無制限にできることの2点。
レーダーは『モダンコンバット3』のレーダーと違い、距離に制限があるかわりに相手が動いていなくても表示される。
これにより敵が物陰に隠れていても察知できるので、待たれて急に倒されるような、FPSで一番つまらない展開は起きづらい。
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耐久値が高めで即死が少ないので銃撃戦が楽しく、待たれても対応可能なので「攻めた者負け」にもなりづらい。
また、マップが広くリスポーン時に無敵になる能力(別途購入)があるなど「リスポーンキル」にも配慮されている。
ダッシュがあるのですぐに戦線復帰ができ、FPSでストレスになる部分が丁寧に取り除かれているのが嬉しい。

また、今回はバギーとメックの2種類がオンラインで使用可能。
乗り物は非常に強力で、戦闘にも変化があって楽しい要素だ。
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また、プレイヤーの装備を強化することもできる。
オンラインプレイをし続けてLVが上昇するとアンロックされて購入可能になり、初期プレイヤーと熟練プレイヤーは装備でも差がつくようになっている。
また、それ以外でも一定期間内に好成績を収めてランキング入りすると特別な報酬が手に入る「トーナメント」システムでアイテムが手に入ることもある。
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ストアのレビューでは「当たり判定がおかしい」などとあるが、そういった要素も感じない。
恐らくオンライン対戦につきもののネット遅延の影響でそういう印象を持っているだけと思われる。
今までのゲームロフトFPSの不満点を解消しつつ、全てをグレードアップさせておりオンライン対戦でもiPhone史上もっともよくできているものの1つ。
好みの問題もあるとはいえ『モダンコンバット3』を超えている
と言っても過言ではないだろう。

さて、お馴染みの最新機種と旧機種の比較に行きたい。
キャンペーンモードではエフェクトが消えたり、テクスチャの質が落ちることとなるが、それでも『モダンコンバット3』よりも美しい。
遠くの建物が見えないことはあるが、ゲームにはまったく問題なし。
ただし、敵が多い場面などで若干画面がカクつくが許容範囲内に思える。
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オンラインでは非常に差が大きい。
iPhone4やiPod touch 4Gの場合はオンラインで視界に大きく差が出てしまい、ゲームの強さに影響が出るので要注意。
下記のスクリーンショットはお互いに同じ距離で狙い合っているが、見え易さはまったく異なる。
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遠景が霧がかったようになり、遠くの敵はうっすらしか見えないのではっきりプレイしやすさに差がつく。
キャラクターが見える距離はどちらも同じように配慮されているが、障害物が表示されないため逃げられてしまいやすい。

ゲームのシステムや高めの難易度には好みの差が出ると思うが、グラフィックや当たり判定、マップの広さなど技術的に『モダンコンバット3』を超えており、現時点ではiPhone/iPadでプレイできる中で最高のFPSと言えるだろう。
iPhone4SやiPad2、iPad3などA5チップのの性能を基準に作られており、iPhone4SやiPad3などの真の実力を見たいなら現時点でこのゲームを試すべき。
ゲーマーかつFPSが嫌いでなければ必須の1作。
長い間「HALOのパクリ」と言われてきたが、ここまで質が上がってしまうと「iPhoneのHALO」と言ったほうが良い気がする。
評価はバグなどを考慮しつつぎりぎり4.0。
所有している機種がiPhone4 / iPod touch 4Gなら評価は3.0〜3.5といったところか。

N.O.V.A. 3 - Near Orbit Vanguard Allianceの詳細・DLはこちら(itunes)

動画


ハマりバグについて
ステージMelt Downにて3色のクリスタルをはめ込む箇所にて「クリスタルが取れなくなる」「埋め込んでも装置が起動しない」という2種のバグを確認。
前者はチェックポイントからやり直すと取れるようになることがある。
後者は、間違った色の柱にクリスタルを埋め込み、エレーナに注意を受けてから正しい配置でクリスタルを埋め込むと回避できる。