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レビュー: 百鬼大戦絵巻 シリーズ最高傑作が満を持して登場!

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タイトル 百鬼大戦絵巻
ジャンル タワーディフェンス
価格 350円(リリースセール、定価不明)
アプリ内購入 カード購入
日本語対応 あり
販売元:セガ | Version:1.0 | GameCenter:実績・ランキング | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad | レビュアー:トシ
評価:3.5(かなり面白い)
絵巻物風独特の音楽とグラフィック
前作までの作品を改良し、プレイしやすくなったシステム
デッキを組む戦術構築が楽しい
カードの入手が遅い
たまに落ちる
絵巻物がそのまま動いているかのようなグラフィック、琵琶の平家物語をBGMをバックに戦うタワーディフェンスシリーズ3作目が登場。
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サブタイトルに「源平大戦絵巻2」と銘打ち、正統続編をアピール。
実際、『源平大戦絵巻』から『アレクサンドリア大戦絵巻』はマイナーチェンジに過ぎなかったが、今作は前の2作品の集大成かつパワーアップ版となっており、完成度は過去最高と言っていい。

シリーズのお約束である演出のインパクトは更にパワーアップ。
絵巻物風のバトルはそのままに、巨大なボス妖怪が追加。
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国芳などの有名な浮世絵の妖怪を再現しており、実際に比べてみるとその完成度に驚いてほしい。
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琵琶をバックにしたわびさびのあるBGMは健在の上、今回はボス戦のBGMが追加。
勢いのあるロックと、終盤の超強力ボス用の曲が別にあり、それぞれまったく違う曲で雰囲気よし。
ロックバンド「怒髪天」とのコラボレーション曲や、光吉猛修氏の新曲が流れるセガファンへのサービスなど、特定条件で隠し曲もいい味を出していて嬉しい。

ゲームは『プランツ vs ゾンビーズ』と似たマス目にカードを配置し、攻め寄せてくる敵を倒していくタワーディフェンスゲームとカードを集めるとレディングカードゲームを融合させたもの。

まず、手持ちのカードのコスト合計が「最大コスト」以内に収まるようにデッキ(カードのたば)を作成する。
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今回新しいのは「大将カード」の存在。
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大将は自陣の最奥で近づく敵を攻撃したり、必殺技を使ったりしてくれ、討ち取られるとゲームオーバー。
大将カードごとに攻撃方法や使える必殺技、コストが異なり、デッキを作る戦術に厚みを作っている。
大将には「平清盛」などの有名所から月風魔伝でお馴染みのあの人、ファン向けのネタ大将までいるサービス精神も嬉しい。
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さて、ステージを選択すると横長のマップが表示され、右側から妖怪たちが攻め寄せてくる。
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プレイヤー側に近い5×5のマス目でここに手持ちのカードをドラッグすることでユニットが出撃し、近づく妖怪たちを攻撃してくれる。
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普通のタワーディフェンスと異なるのは配置したユニットが移動できること。
敵の侵攻にあわせて柔軟に陣形を変えていくのはこのゲームならでは。
ただし、カードを引いてくるのにも、移動させるにも「銭」が必要になるため、この割り振りがまた難しい。
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出撃しているユニットと同じカードを重ねてやると「段」(レベル)が上がって体力が回復するので、カードを引きまくって押すか、それともコストの高いカードを移動させて賄うか、デッキを作る時から銭とコストを考慮していくのがまた楽しい。

そして、最大の変更点は「ボス妖怪」の存在。
今回は九州や四国など地域ごとにマップが区切られており、地域を制覇するごとにボスステージが出現する。
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超巨大ボスは動きも含めて必見。
通常のマップとは違う戦術が求められるのでより「ゲームっぽい」感じがある。
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ボスステージに限らず、地域ごとに出てくるユニットのパターンが分かりやすく変わっていき、特に後半はプレイしながら様々なユニットへの対処を考えていくのが楽しい。
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『アレクサンドリア大戦絵巻』で評判が悪かった大将が必殺技を使う時には「魂」を消費し、これは手持ちカードを捨てないと回復しないというシステムも改良。
GameCenterで登録している友人が百鬼大戦絵巻を購入すると大将の魂が50増える。
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大将ごとに魂が設定されているので、10人大将カードを持っていれば10人の大将それぞれに魂50点。
1人ゲームセンターの友達がいるだけでどどーんと合計500魂ゲットで実質使い放題である。

オンライン対戦には「階級」が導入され、近い実力の相手と戦えるように配慮されているほか、強すぎると言われていた「牛車」系の即死ユニットは大将を即死させられなくなり、熊手系ユニットが弱くなったりとバランス調整も調整している。
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最後に、これは良し悪しだが難易度がかなり上がった。
この系統のゲームが初めての方は前作『プランツ vs ゾンビーズ』や『源平大戦絵巻~赤の波白の雲霞~』から始めたほうがいいかもしれない。
誰でもクリアできる難易度ではないが、ゲーマーにはやりごたえがあって楽しい調整になっている

気になったのは2点。
1つはカードが手に入る速度が遅くなっていること。
今までは1人用をプレイしているといつの間にか全カードが1枚ずつ手に入っているような仕組みだったが、今回はそうではないし、カードの種類が増えているのにカードの入手する速度が少し遅くなっている。

1ゲームごとに5枚の札から選んでランダムでカードが引けるが、引く前に「確定カード」として5枚の中の1枚だけカードの中身が見え、1枚引いてもそのカードが手に入らなかったら、85円で残ったカードから1枚引き続けられる課金制度も導入され、「このためにカード入手が少なくなったのか」と思うと少し寂しい。
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スーパーレアカードが見えていて、引けなかったら…と思うとかなり悩む。
セガがいやらしいことを覚えてしまった…!
カードを購入しなくても十分クリアはできるのだが、カードを選んで戦術を楽しむゲームの魅力を損ねてしまっていて、これはちょっと寂しい。

ショップで購入できるカードもやや高めで、せめて「戦闘後にカードが2倍もらえるアドオン1000円」とかあれば良かったのだが…。
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もう1つは、ゲームにならないほどではないがやや落ちる回数が多く感じられたこと。
1ゲームが長めなので、このあたりはどうしても気になってしまう。

ただ、それを差し引いても完成度が高いゲームであることには変わりなく、ゲーマーにはぜひお勧めしたいゲームの1つ。
評価も過去の絵巻シリーズ最高の3.5(かなり面白い)とした。

最後に、先に書いたようにGameCenterの友人が百鬼大戦絵巻をプレイするほどに魂が増えていく。
私は「Toshi999」という名前でプレイしているので、魂が足りなければ気楽に登録してほしい。
この記事のコメント欄でGameCenterの登録名を書いて募集するのもありだ。

百鬼大戦絵巻の詳細・DLはこちら(itunes)

動画: