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レビュー:圧倒的グラフィックのアクションRPG Infinity Blade

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タイトル:Infinity Blade
ディベロッパー:Chair Entertainment Group, LLC
プレイ時Version:1.0
ジャンル:アクションRPG
価格:700円

最高のグラフィック・iPhoneに最適化された操作系を掲げてUnreal Engine3の製作元であるEPIC GAMEの子会社Chairが製作したアクションRPG。
先駆けて発表された街を歩くだけのデモのEpic Citadelと同等のグラフィックで、なおかつキャラクターが動いてゲームが出来る。
大作としてゲーム内容・グラフィック面ともに期待を一身に集めたこのゲームの出来はどうだったのだろうか。
※これは古いレビューです
新しいものはレビュー:大幅ボリューム増で完成度を増したInfinity Blade Ver1.2


ゲームは普通
永遠の命を持つ悪の神に、人間の戦士が子々孫々戦いを挑み続けるアクションRPG。
神に挑み、敗北するたびにスタート地点からその子孫が新たに挑む。
戦うたびに装備に経験値が入り、能力を装備が受け継ぐという設定なのでプレイするほど装備を受け継いだ子孫は強くなる仕組みだ。
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ゲームは1対1のスラッシュアクション。
スワイプで斬りつけ、盾ボタンで「ガード」、矢印ボタンで左右に「ドッジ」(避ける)することができるシンプル操作。
豊富なアクションで攻撃してくる敵に対し、動きを観察して適切な防御を行っていくと敵に隙ができて反撃できる。
上級の防御方法として「パリィ」が存在し、敵の攻撃に対して同じ方向に攻撃すると受け流して回避することが可能。
パリィで敵に隙を作った場合、より長い隙を作り出すことができる。
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その他にもゲージを貯めて使える魔法、スーパームーブなどの攻撃要素、一定の順番で連続攻撃すると「Huge Attack」が発生して大ダメージを与えるなど細かい様々な要素などがあるものの、基本的なシステムは1990年代初期からボクシングゲームなどで使用されてきたもの。
これに経験値を貯めて成長・武器防具を集めて使い分ける、などといったRPG要素を付け加えた感じだ。
基本的には悪の神が支配する城の特定の場所だけを探索するようにできており、移動できる箇所はごくわずか。
昔ながらのシステムをタッチパネルに最適化し、丁寧に作ってあるのでゲームとしては普通に面白いが、やはり技術デモにゲームが付いたという印象は拭えない。
悪の神の城は少しの分岐がある程度でほぼ一本道、1周30分から1時間程度だろうか。
クリアまでのボリュームは少なめだが、敵やアイテム配置などは毎回ランダムに変化する上に基本のゲーム自体が普通に楽しめるので、ノーダメージで戦えるほど極めるまで飽きずに続けられるぐらいの楽しさはある。

恐ろしいグラフィック
Infinity BladeはPC・家庭用で数多くのメジャーゲームを送り出したUnreal Engine3を使用し、その性能をiOS上で喧伝するためにつくられた側面もあり、
「どうだ、Unreal Engineはすごいだろう」
と言わんばかりに豪華なグラフィックに、それを見せつける演出が盛り込まれている。
オープニングから圧倒的な映像のムービー。
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と思っていると、いきなりそのままの操作可能になる驚き。
なんと、ムービーと思っていたオープニングはリアルタイム描画だったのだ。
ゲーム中はEpic Citadelのように自由に歩けず、チェックポイントでは当たりを見回せる程度。
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移動は青い点で示される目標をタップすると、自動的にキャラクターが移動するだけ。
だが、場所を指定するたびに最も見栄えがいいカメラワークで移動をシネマチックに映しだしてくれる。
普通のゲームであれば退屈になりかねないのだが、このゲームのグラフィックの力で移動しているだけのシーンも注視せずにはいられない。
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このグラフィックだけで(特にRetinaのiPhone/iPod touchを持っていれば)満足してしまいそうなほど。
数ある装備も、全てに固有のグラフィックが用意されておりそれがゲーム中ずっと反映され続ける豪華さだ。
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最初に述べたように同じ相手と同じ経路を通って(多少の分岐はあるが)戦い続けるので、繰り返すうちに慣れてしまう面もある。
それでも早送りはできるのでゲーム部分を楽しむ障害にはならない。

期待は満たされたのか
「最高のグラフィック・iPhoneに最適化された操作系」を掲げ、「iPhone/iPod touch専用のオリジナルアクションRPG」として建電され続けて来たInfinity Blade。
各サイト(かくいう当サイトでも非常に期待していた)でかけられていたほどの期待に応えられたのだろうか。
単純にグラフィックに関してだけ言えば、間違いなくYESだ。
期待した以上の映像を見せてくれた。
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だがそれ以外は関しては少し期待はずれ。
Epic Cidetalで街を歩いたように、自由にハイクオリティグラフィックを堪能したいと思っていた人は自動移動で(しかも視点の移動は360度ではない)少し期待はずれ。
タッチパネルだからこそできる新機軸、未体験のゲームを期待していた人もタッチパネル操作に最適化した昔ながらのゲームで期待はずれ、といったところだろう。
もちろん、ゲーム自体は丁寧だし、慣れて敵の行動を覚えると自在に倒せて楽しいのだが、最初の期待が大きすぎたというところだろう。
公平な目で見るならば、最高のグラフィックに周回しても楽しい(クリアまでは3~5時間、コンプリートまではその倍ぐらいと予想される)ゲームが付いているお買い得品。
大きすぎる期待には応えられなかったが、700円では十分すぎるほどの一作と言える。

トシの評価(5段階)
iPhone3GSではもたつきを感じることもあるが、十分楽しめる。
操作については最適化とは言いがたいが十分プレイしやすい。
世界観的には深いものがありそうだったのだが、城1つ(おそらく、誰もが次の城があると思いながらプレイすることだろう)分というのが寂しい。
アップデートでマルチプレイや追加アイテムなどを予定しているとのことなので、そちらでボリュームアップされることを期待したい。
評価には普通におもしろいことに加え、この瞬間の最高峰グラフィックを見られるというプレミアムも考慮してある。

総合:3.5(かなり面白い)
+圧倒的なグラフィック
+各装備全てに固有のグラフィックあり、それがゲームに反映される
+アイテムをコレクションし、マスターするコレクション要素
+丁寧に作られた敵の動きとゲーム
-ボリューム不足
-自由に移動できない

Infinity Bladeの詳細はこちら(iTunes)