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オーストリア地方裁判所がPlayStation版『FIFA Ultimate Team』のルートボックス(ガチャ)をギャンブルであると判断し、SIEへ返金を命じる。

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オーストリアのヘルマゴール地方裁判所にて、EAのゲーム『FIFA Ultimate Team』のパックのルートボックス(日本でガチャと同等と言われる)がギャンブルと考えらえるという判決を下し、プラットフォーマーであるSIEに返金を命じたとドイツメディアのGames Wirtschaftが伝えている。

判決によると、『FIFA Ultimate Team』のパックは「偶然のゲーム」であり、流通市場で転売できるためオーストリアの賭博法の意味における金銭的利益があり、賭博と考えられるとしているという。

こういった場合、ゲームを開発した EA が支払うべきと思われるかもしれない。
しかし、今回は EA と SIE が同時に訴訟され、SIE が支払いを命じられている。
これは販売のプラットフォームが PlayStation Store であり、プラットフォーマーの SIE がギャンブルのライセンスを持っていないため、「許諾のないプラットフォームでのギャンブル契約は契約無効」というロジックであるらしい。

今回、返金を命じられたのは338.26ユーロだが、万が一この判決が正となれば、Xbox版『FIFA Ultimate Team』、さらには過去にルートボックスが提供されていたあらゆるゲーム、App StoreやGoogle Playのルートボックスに返金が通る可能性もある。
もちろん、これは地方裁判所の判断であるため上告で覆る可能性はあるだろうし、最高裁までもつれ込めば、判決として確定するまでは数年かかるだろうからすぐさま何かしらの影響が発生することはない。

現在、EUで明確にルートボックスを禁止しているのはオランダとベルギーの2国だが、国それぞれに異なる動きがあり、例えば2022年7月にもイギリス政府(EUから離脱した国ではあるが)からルートボックスの表示などに業界の対策を求める動きがあった。

今のところルートボックスを賭博として対応する国はわずかで、何かしらの表示や配慮を求めている段階が多いようだが、ルートボックスに関しては今後も緩やかに規制が厳しくなり、表示や二次流通(転売)への対策がより厳しくなっていくかもしれない。