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ただプログラムが好きな会社員が、趣味でゲームを作り始めたら5年続いてNintendo Switchに3本ゲームを出していた話。Switch版『レイジングブラスターズ』発売記念インタビュー

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「俺の考えた理想のゲームを世に問いたい!」
インディーゲーム開発者の話を聞いていると、大抵は作りたいゲームがあって、業界に身を投じている。
しかし、「プログラムで物を作るのが楽しいから、ゲームを作ってみるか」と、理想のゲーム像がないところから業界に入り、5年で Nintendo Switch で3作もゲームを出すに至った珍しい開発者がいる。
2021年6月24日に『レイジングブラスターズ』を Nintendo Switch 向けにリリースした Terarin さんだ。
今回、新作発売記念でゲーム開発を始めたきっかけから、Nintendo Switch でゲームを出すまで、世にも奇妙な経緯を聞けたので、皆さんにお届けする。
正直、インタビューを通じてこんなに「独特だな」と思えた人は私の経験からしても少ない。

ゲーキャス:
Terarin さんは、初めてゲームを出してから5年で Nintendo Switch で出すまでに至ったわけですが、今日は最初から終わりまでじっくり聞かせてください。
そもそも、どのような経歴で、ゲームはどれぐらい作ってらしたのですか?

Terarin:
自分は、情報セキュリティの技術者で、会社勤めしながらセキュリティツールを趣味で夜な夜な作って楽しんでいました。
もともとプログラムして物を作るのが好きで、それをセキュリティーツールからゲームに切り替えた感じですね。

ゲーキャス:
1年1作以上の良いペースでゲームを発表してきたので、専業かもしれないと思っていたのですが……会社員しながら趣味でゲームを作っていたのですか!?

Terarin:
そうですね。
セキュリティツールは作っても公開できないから、人が喜んでくれることに技術を使いたい思って、自分が好きなゲームはどうだろうと。
調べてみると便利なツールがたくさん出てきていて、スマートフォンには誰でも広く世界に公開できる環境が整っていた(※)ので始められました。
※当時は Steam も誰もが出せる場所ではなく、比較的厳しい Greenlight という審査が必要だった。一方、App Store は簡易な審査で出せることから勢いがあり、「ゲームを民主化させた」とまで言われていた。
ゲーキャス:
作ること自体が趣味であり、目的だったんですね。
理想のシューティングを作りたい、みたいな動機ではなかった、と。

Terarin:
作ること自体が第一の目的ですね。アセットなどは使わず、映像もすべて自分で作っていく制作過程を楽しんでいます。
作ることが目的だから5年以上、今日まで続けられているというのはあると思います。

ゲーキャス:
制作でこだわっていた部分などはありますか?

Terarin:
プログラムできるのが自分の強みなので、それが生きるゲームを作ろう、という意図は初期からありました。
ロックオンしてバーンとミサイルを撃つとか、ぐりぐりと360度動いて反射レーザーを打ちまくるとかは、簡易なツールでは難しい。
それは作った作品すべてに共通していて、作るたびに強化してきた部分でもあります。

ゲーキャス:
プログラムして物を作るのが好きで、プログラムの技術から生まれるものを強みとしてきた、と。筋が通っていますね。
せっかくなので過去の5作品・プログラムの進化を過去作を順に振り返ってお聞きしてよろしいでしょうか。

Terarin:
はい、最初の作品『イメージストライカー』から行きましょう。
これは「ゲームを作るってこういうことなんだな」ということを教えてくれたゲームです。
自分としては、どうすればシューティングゲームを作れるか試作したものでした。ボスを複数のパーツで構成して部位破壊を実現するとか、戦車の砲塔を回転させて自機を狙うにはどうすればいいか、とか。
すべての敵に何かプログラムとして個性を用意するようにして意識して。
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▲『ImageStriker』。現在はPCでしかDLできない

ゲーキャス:
とことんプログラム至上主義ですね。

Terarin:
そうですね。そして、練習で作ったわりには良くできたな、と思って公開したら、知人に遊んで喜んでもらえて、フィードバックがあって。
「ゲームを作るってこういうことなんだな」と思えたんですね。セキュリティソフトは人に理解してもらえないので、違った満足感がありました。

ゲーキャス:
続いて出たのが、私がTerarinさんを知った作品『ムーンストライカー』。
楽しめたのはもちろんですが、2作目にして技術的にはかなりできていて、元ネタになった作品に近い動きで驚いた記憶があります。


Terarin:
システムは『レイフォース』を意識していましたが、ステージは別のゲームをモチーフにしていて、バランスは独自にとって、見た目はオマージュ作品だけど、組み合わせで遊びは違うオリジナル作品として制作していました。

ゲーキャス:
確かに、そうなっていたと思います。何より手応えがカジュアルでまったく違うゲームでしたね。
やはりこだわった点はロックオンレーザーですか?

Terarin:
そうですね、どうすれば『レイフォース』のような良い感じに実装できるか、目コピで模倣してみて奥の深さに驚きました。
ロックオン回数が何回で、ロックオンが確定して解除されるタイミングの設定、同時にロックオンすると気持ち良くないからタイミングをずらすようなテクニックまで色々あって制作が難しかった。
完全な模倣ではなく、レーザー1本ずつ時間差で発射することで「どん、どん、どん」ってリズムを作って、『ムーンストライカー』ではそこの気持ちよさに時間をかけました。
そこは今でも良くできているんじゃないかな、と思います。

ゲーキャス:
模倣から独自改造も意識していたんですね。そして、良くも悪くも話題となった3作目『イメージストライカー2』が出る、と。


Terarin:
3作目の『イメージストライカー2』は、いよいよ見た目や音楽をちゃんとしようと、グラフィックは『イメージファイト』に寄せて、音楽は人に頼んでオリジナル曲にしました。
敵の動きのルーチンも初代からずっと改良し続けた結果、さらに動きが良くなり、自分の技術の進歩も実感できて技術的には自信作だったんですけど……。

ゲーキャス:
似すぎて「パクリ」と言われてしまったんですよね。
あの当時、シューティング好きの間で賛否あったことを覚えています。
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▲見た目も動きも再現する腕が上達した結果、似すぎてしまった。

Terarin:
自分ではオリジナルのゲームを作っているつもりで、元となったゲームに迷惑をかけないようにしようと思っていたので、困惑しました。
遊ぶ人が喜んでくれるだろう、と元ネタがわかるものをいれつつ、ゲーム自体は混同されないように気をつけていたつもりだったので。

ゲーキャス:
遊ぶと「これはあのゲームのどこどこの部分だな」とわかるけど、手応えはカジュアルでプレイ感がぜんぜん違うというのが一種の売りでしたよね。
ただ、他人の看板で商売していた雰囲気は確かにあった。

Terarin:
ソフトウェア開発は、過去のソフトウェアの影響を受けて進化する過程があり、またシューティングの歴史においても他社のゲームから影響を受けて作っているシーンが多くあるため、他のゲームの良いアイデアを取り入れることを肯定的に考えていました。

しかし、他人のゲームのアイデアと見た目の両方を使って有料でゲームを提供し、利益を得ているのは良くなかったという批判は確かだな、と思って。
ゲーム制作におけるラインの引き方がよくわかっていなかったことを痛感しました。
また、そもそもプレイヤーが喜ぶ顔が見たくて入れた要素なので、喜ばないなら入れる意味もない。

そして、次回作『ミサイルダンサー』開発し始め、これが自分のゲーム制作の分岐点になりました。
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ゲーキャス:
さらにオリジナルと向き合い始めた、ということでしょうか。

Terarin:
先ほど語ったとおり、もとからテンポ感とか遊んだ感触のストレスのなさを追求したオリジナル作品を作っているつもりではありました。
しかし、『ミサイルダンサー』では「もうパクリとは言わせないぞ」と意気込んでいたので、システムと見た目の両方とも独自性を強調するために「どうしたら良いんだ」と悩みましたね。

ゲーキャス:
最初におっしゃっていましたが、作ることが目的で模倣を続けていたわけですから悩みますよね。

Terarin:
見た目については、特定ゲームをモチーフにせず、ミリタリー雑誌などをみて参考にしながらゲームに取り入れるようにして解決しました。
敵の動きなども元ゲームを見て目でコピーして取り入れていましたが、それもやめました。
ボスに関しては過去にプレイしたゲームの影響が出ていると思ったのですが、それは影響であって自分の中にあるものと割り切りました。


ゲーキャス:
肝心のゲーム内容についてはどう差別化を?

Terarin:
悩んだ末に、何か1つに特化することにして、ミサイルでしか攻撃できない仕組みにしました。
攻撃するミサイルと、敵弾を破壊するためのバルカンで戦うゲームに仕上がって、その仕組みが攻めと守りの駆け引きのわかりやすさに繋がりましたね。
それが評価されて海外レビューサイトで高評価を得て、Switch 版は海外からインタビューも受けて……商業的にはうまくいっていないけど、悩んだものが評価されたので嬉しかった。

ゲーキャス:
そして、Steam 版『ミサイルダンサー』を出して、Steam へ拠点を移していきましたね。
そのまま、スマホでは遊べないシューティング『ジェミニアームズ』が出てきた。
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Terarin:
もともと PC やゲーム機で作りたいというのがあったので、Steam がオープン化されてすぐに申請を出してやり始めたんですね。
これまでずっと縦スクロールで作ってきて、他のタイプもやりたいし、できるというのを見せたいと思ってチャレンジしました。

横は実際に作ったら難しくて、地形があって、地形を含めた形でゲームを作ることを考えて、改めて奥深さに気づいて作ることが楽しかったですね。

ゲーキャス:
ロックオンのときも同じような話がありましたが、昔からなんとなく遊んできたゲームを、作ることで再び向き合って理解するような作業があったのですね。

Terarin:
「ゲームシステムはこうあるべき」「こうすると楽しい」と言うのは簡単なのですが、実際に作ろうとすると大きな壁がある。
自分は目で好きなゲームを見て、プログラムで動きを真似すると「プレイヤーのときに気にしなかった動きには、こんな意図があったのか!」などと気づくことがあり、真似することを通じてゲームの作り方を学んでいたところがありました。

ゲーム論を語るだけでは気づかない部分に気づくので、プログラムして同じ動きのキャラやステージを作ってみるのはお勧めです。

ゲーキャス:
ゲームの面白さを解析して「さあ、これを俺なりに作ろう」とインディーゲーム制作に入る方は見られますが、「俺は技術があるから、ゲームを真似したら勉強すれば面白いものを作れるはずだ」という論法ですか。
そういえば、横シューで有名なインディー開発者さんも「まずグラディウスを移植することから始める」とか語っていた気もします。

Terarin:
ただ、自分は正統派の横スクロールシューティングを作ろうとして上手く作れませんでした。
例えば『グラディウス』に地形の遊びがあって、ステージすべて違う遊びを取り入れている。そういったことは理解はできたけど、独自解釈してオリジナル作品として構成できなかった。
そして、ふと横を見ると同じインディーで neotro さんの『ヴリトラ』などが出ていて、すごく完成度が高い。
そこで「まだ、自分ではこの面白さに至れない」と諦めました。
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VRITRA COMPLETE EDITION

ゲーキャス:
プログラムだけでは理想のゲームは作れない、という状況に至ったのですね。それでは、横スクロールシューティングである『ジェミニアームズ』はどう作っていったのでしょうか。
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Terarin:
結局、プログラムしたいことをしました。自分はプログラムが得意で、きれいな反射レーザーなどを実現できる。
そういったものを遊んでみたかったので、それを独自性として反射レーザーで遊ぶシューティングにしたのが『ジェミニアームズ』です。

今回は2人プレイにチャレンジしていたのですが、これも独自要素になりました。2人で遊ぶと攻撃力が上がって有利になるから、敵配置など変更しないと面白くない。だけど、変更するとステージ制作の手間が2倍になる。
そこで、常に2人分の敵が出てきて、1人でも CPU キャラクターと一緒に戦えるようにして解決しました。
1人で CPU キャラクターを上手く使いこなすゲームになって、たぶん唯一無二のゲームになったのかな、と。

ゲーキャス:
プログラムだけで突き進んだ結果としてぶち当たった壁を、プログラムで破壊する……「筋肉があればすべて解決する」なんて筋肉万能論に近い、ある種のマッチョイズム(笑)

Terarin:
やっぱり、プログラムは楽しいし、実現する面白さがあります(笑)

ゲーキャス:
そして、ついに『レイジングブラスターズ』ですね。

Terarin:
あ、その前に1つあって、実はレジスタさんというパブリッシャーさんの声をかけていただいて、『ジェミニアームズ』や『ミサイルダンサー』の Nintendo Switch 版を出せることになったんですね。
これもまた転機になりました。

ゲーキャス:
それというのは、ただ移植しただけではなかったのですか?

Terarin:
パブリッシャーさんを通じて、業界ベテランのデザイナーさんを紹介していただけまして、今まで弱かったグラフィックを全面的に修正しました。
ゲームがわかっている方なので、任せておいても良い感じにドットのパーツを描いてくれて、見た目が一気に豪華になったんですね。
 Steam 版がこれで……。
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Nintendo Switch 版はこうです。かなり違います。
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ゲーキャス:
わりとスマホそのままで移植するパブリッシャーさんはいますが、そういったブラッシュアップもやってくれるんですね。

Terarin:
いろいろ条件はありますけど(笑)
さすが長い間やっているパブリッシャーさんだと思いました。
で、それまでグラフィックとプログラムを全部やっていたので、自分のグラフィック前提でプログラムを書いていたんです。
デザインはかっこいいけど、絵が変わるとサイズも変わって全部調整し直しになる。敵キャラのパーツのサイズも違っていて、当たり判定とかバランスも全部作り直して、協業の楽しさと大変さを同時に学びましたね。
でも、その甲斐はありました。
今度は Nintendo Switch での2作目となる『ミサイルダンサー』ですが……。
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この通りです。白黒のものもこだわって自分で作ったので好きですが、プロのグラフィッカーさんはすごいな、と。
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作業は大変でしたが、ゲーム機で出す夢が叶って、見た目も豪華になって、勉強にもなって楽しかった。

ゲーキャス:
そして、今度こそ『レイジングブラスターズ』。これは縦スクロールシューティングに戻りましたね。
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Terarin:
一通りやったので、本当にやりたかった物を作ろうとしたのが現在最新作の『レイジングブラスターズ』です。
これまで培った技術で、グラフィックも自分なりに最高のものを目指し、シンプルで現代風の遊びやすいキャラバンシュー(※かつてハドソンが展開していた、一定時間でのスコアアタックする競技性に主眼に置いたシューティング)を作ったらどうなるんだろうと。

ゲーキャス:
制作の際に気をつけたポイントはどこになりますか?

Terarin:
ベーシックなシステムで、現代風、プレイしていて飽きないことに集中しています。
弾幕シューのような当たり判定の小ささ、ステージ構成をコンパクトにしつつ1ステージに2回ボスが出る構成でテンポを作り、ステージ内でも背景の加減速を繰り返して退屈させない。

砲台がこっちむいている、アラートが出るとか、できるだけ相手が攻撃する予兆を作って、わかりやすさを徹底的に入れて。
死んだ後パワーダウンして復帰しづらいのもよくないと思っていたので、それもなくしてストレスを排除しました。
そうするとアイテムを拾っていく気持ちよさが落ちるので、敵を破壊したときのクリスタルをぽろぽろ拾っていく。
ゲーム中ずっとアイテム拾っている感覚を与え、パワーアップなしでも、いろいろ取っている気持ちよさが得られるよう意識しています。
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あと、3分でハイスコアを競うキャラバンモードは理論上コンボが全部つながるようにしています。

ゲーキャス:
オーソドックスというか、再び他のゲームでも採用されているシステムのシューティングを作ったわけですが、オリジナリティに不安は抱きませんでしたか?

Terarin:
ありましたが、自分が常に作るときに意識しているのはテンポの良さで、そこをすごく意識していると、結果的にテンポ感がオリジナリティになっていると感じるようになっていました。
システムが特別斬新でなくとも、プレイしてもらえればオリジナル作品と納得してもらえるところまできたかな、と。

ゲーキャス:
確かに、クリアするまで飽きることはありませんでしたね。
特別にすごいボスとか、凶悪な攻撃とかないのに、スルスルッと最後までは退屈せず遊べてしまう。
『MoonStriker』からそうではあったのですが、それが Terarin さんの作風といわれると納得してしまいます。

Terarin:
もう1つ、自分にとって特別なことがありました。
なんと、海外のシューティング系 Youtuber を中心に、Steam 版でスコアアタック大会を開いてもらえたんですよ。
キャラバンシューティングを作って、そのスコアアタック大会を楽しんでもらえる。夢が1つ叶って、『レイジングブラスターズ』は記念すべきゲームになったと思います。


ゲーキャス:
作ったゲームのプレイヤーが独自にスコアアタック大会をする……それは本当にすごいことですね。
ゲーム機で出したかった、キャラバンシューを作りたかった、プレイヤーが喜んで遊んでいる様子を見たかった……初期の夢をすべて実現してしまった Terarin さんは、次はどこへ向かっていくのでしょうか。
もっとプログラム的にチャレンジしたい方向性などがあるんでしょうか?

Terarin:
プログラムはもちろん楽しいのですが、色々な経験を経て、もっとすごいゲームを作りたいな、という気持ちがわいています。
Nintendo Switch 版を出して協業してみて、最初から誰か一緒に作業して完成度の高い物を作ってみることもしたくなってきました。

また、自分のシューティングゲームは年配の方が楽しむ傾向があると思っているんですが、若い人にも楽しんでもらえるようにしたいです。
たとえば『東方Project』シリーズなどは、若い人に人気があります。
若い人ともコミュニケーションをとって感性を磨くことで、より幅広い層に受け入れられるゲームを作っていきたいと思います。

正統派の横スクロールシューティングの面白さをうまく構成できなかったので、いつかチャレンジしてゲームデザインもより学びたいという気持ちもあります。
いずれにせよ、もっと喜んでもらえるゲームを作りたいです。

ゲーキャス:
今回、私がスマホの作品から順番に Terarin さんのゲームの成長を見てきたので、今回お話を聞いて色々納得するところがありました。
スマホでは毎回プログラムが洗練されていって、ゲームデザインよりも動きや動作の進化がすごかった。その裏側にはプログラム至上主義があって、Steam に行ってからはゲーム内容の試行錯誤があった。
この話を踏まえて順番にゲームを遊んでいくと、より一層楽しめる気がしました。最後に何か、ありますか?

Terarin:
自分の夢を叶えてくれた自信作、『レイジングブラスターズ』のグラフィックを強化した Nintendo Switch 版が6月にリリースされました。
過去作も含めて50%以上値引きでセールになっていますので、この機会に皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。
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▲Switch版はSteam版よりもグラフィックが強化されている。

ゲーキャス:
ありがとうございました。

以上。

インディーゲーム制作者に話を聞くとき、「理想のゲームがあって、それを作りたい」とか「ゲーム制作で食べていきたい」という話を聞くことは多い。
それに対して、プログラムを楽しむことが主目的だった Terarin さんの来歴はかなり特異と言えるだろう。
プログラムの面白さを味わうために模倣してゲームを作っていたところから、よりすごいプログラムではなく、より面白い、喜んでもらえるゲームを作りたい方向へ変化が生まれているように感じた。

その視点で過去のゲームを通して遊ぶと、Terarin さんのゲーム群はより興味深く遊べることだろう。


現在、Steam / Nintendo Switch 版ともに Terarin さんの作品は一斉セールをしており、いずれも50%以上お得に購入できる。
インタビューを見て気になったら、ぜひ遊んでみて欲しい。

レイジングブラスターズ (Nintendo Store 1,990円→990円 / Steam 1,520円→ 760円)
ジェミニアームズ (Nintendo Store 1,496円→490円 / Steam 1,520円→760円)
ミサイルダンサー  (Nintendo Store 1,980円→980円 / Steam 205円→102円)

※Switch 版レイジングブラスターズは2021年7月6日まで、ミサイルダンサー、ジェミニアームズ 2021年7月18日までセール。
Steam版はすべて2021年7月8日まで。