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自分の手で改造した戦闘機械”ゴーレム”を駆り、賞金首を狩るRPG『アームド&ゴーレム』レビュー。改造と多彩な戦術が楽しめるバトル野郎RPG

RPG アームド&ゴーレム (App Store 860円 / GooglePlay 860円)
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生物の生命力“イデア”を基盤とした国家が災害により衰退し、荒廃した土地を舞台に戦闘機械“ゴーレム”を駆り、賞金首を捕らえるハンティングRPG『アームド&ゴーレム』が、ついにスマホにやってきた。
本作は2008年にフィーチャーフォンでリリースされた同名作品を原作としている。
原作リリース当時は、匿名掲示板などでも長期にわたり専用スレッドがたち、評価も高かったのだが……これがついに現代風にリメイクされて遊べるようになったわけだ。
さあ、自分の手で改造したゴーレムに乗って荒野に繰り出し、賞金首を狩ろう!

本作はケムコ販売、Hitpoint製作の2Dドット絵の見おろしRPG。
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主人公は賞金首を狩って報酬で生活するバウンティーハンターだが、幼馴染を探して世界を旅することとなる。
ゲームとしては世界を移動しながら進むメインストーリーと、好きなタイミングで賞金首を探して狩るサイドクエストが同時に進行しているような構造だ。
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プレイの特徴としては、多彩な戦術が楽しめるバトルと、ゴーレムを自由自在にカスタマイズできることが際立っていると感じた。
バトルシステムは素早さに応じて行動順が決まるターン制を採用し、素早いキャラクターは遅いキャラクターが1回行動する間に2回行動することも可能。
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▲行動順位は画面右上のゲージで表示される。

目立つのは、多彩な状態異常効果だ。
相手が燃えて攻撃力が下がる炎上、防御力が下がる凍結なんてスタンダードなものから、オイルで敵の特殊攻撃を阻害するオイル状態、一定時間に大ダメージを与える爆弾など実にさまざまな状態異常が用意されている。
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▲ゴーレムは特殊砲弾を発射して状態異常を引き起こす

さらに、この状態異常は属性攻撃と組み合わせることでコンボと呼ばれる現象を引き起こす。
オイル状態の敵に火属性の攻撃を重ねると着火して大ダメージが与えられるし、ジャミング状態に磁力攻撃をすると敵機械がクラッシュして2ターンも行動不能になる。
メインシナリオでは行動不能系がきかないボスもいるが、道中に出てくる賞金首などの中ボスなどには効果を発揮することも多くプレーヤーの工夫次第では格上の賞金首を狩ることも可能だ。
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▲感電時に水属性攻撃で、スパーク。ダメージ+1ターン行動不能。わりとボスにも効く

また、バトルではゴーレムの乗り降りもできる。基本的にはゴーレム乗っている間は安全だから、降りて戦うメリットは少ない。
ゴーレムの耐久力は高いし、ゴーレムが破壊されたとしても乗っているキャラクターは徒歩でそのまま戦闘に継続参加できるし、ゴーレムの武装は攻撃力も高いからだ。
だが、状態異常によるコンボを狙うとなると話は変わってくる。

ゴーレムたちは特殊砲弾を装備して状態異常攻撃ができるが、コンボのトリガーとなる属性攻撃は生身のキャラクターに多く割り当てられている。
つまり、状態異常でお膳立てを整えたら最後はゴーレムを降りてとどめを刺す、という戦い方もあるわけだ。
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そして、バトルの面白さを後押しするのがゴーレムのカスタマイズだ。
ゴーレムの能力には、パッシブ能力、イデア石、パーツ、改造の4要素がある。
パッシブ能力は各ゴーレムが持つ固有の特殊能力で、この能力と相性が良いカスタマイズ・チーム構成が重要となる。
イデア石は付け替え可能なスキルで、一定ターンごとに使用できる特殊技をゴーレムに与えるものとなっている。
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パーツは連射のきかない主砲、連射できるが弱い副砲などの装備品で、単体攻撃の強いカノンやら、範囲攻撃に優れるマシンガンやら、数種類の装備が存在する。
パーツだけで能力が足りなければ、改造で攻撃力、防御力、機動力などの数字を自由に(お金を払えば)上げ下げできる。
が、このパーツ選びと改造はなかなかに大変だ。

攻撃力の高い砲を装備したり、どこかの能力を改造で上昇させるとゴーレムの耐久力である最大BP値が減ってしまう。
戦闘時にBPと同じだけダメージを受けるとゴーレムが破壊される。
調子に乗って主砲と副砲に最強の砲を割り当て、改造で能力を上げまくると雑魚にも簡単に破壊されるほど紙装甲のゴーレムができあがってしまうわけだ。
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▲気合を入れて改造すると、最大BPが平気で半減する。性能を低下させて最大BPを戻すことも可能。後半は砲によるBP現象も大きくなり、あえて弱い砲を選択して戦うこともある。

ただ、『アームド&ゴーレム』のバランスは結構よくできていて、敵の攻撃を無効化する、回避するパッシブやイデア石でサポートして紙装甲・高火力ゴーレムを運用することもできる。
逆に超装甲ゴーレムを盾にしたり、敵の行動を遅らせる装備をパーティー全員で積み込んでボスを封殺することも可能。
無改造・LVごり押しもできるが、プレイヤーのやりたい戦術を試し、より大きな成果を上げられるゲームとなっている。
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▲状況によってカメラが動き、見るべき場所がクローズアップされる演出はケムコRPGとしても豪華だが……ボス以外はもっと早く進めたい。

なお、本作には多種多様なゴーレムが登場するが、それぞれ個性があり強みが違う。
愛着のある序盤のゴーレムを最後までカスタマイズして使い続けることも可能なので、初期メカに愛着を持つタイプの方も安心してゲームに飛び込んで欲しい。

バトル面は前述のように良いし、ストーリー面で見ても唐突さはあるが納得と盛り上がりもあり、プレイに関しても中盤以降は賞金首や隠しゴーレムを探して自由にマップを探索できて楽しくなり、フィーチャーフォンで配信された時代に好評を博したのも納得の内容ではあった。
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ドット絵も今風に直され、ストーリーガイド機能など現代に必要とする機能も付いて遊びやすくなっていて、遊びながら「これがリメイクされて良かったな」と感じられた。
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が、本作には1つだけ大きな不満点があり、それだけは指摘せざるを得ない。それは「バトルの演出が長い」ことだ。
ゴーレムのパッシブ効果やら多段砲の追撃、状態異常にコンボまで、本作のバトルは演出が多くテンポが悪い。
戦闘は3倍速まで設定可能だが、それでも普通のゲームの通常速~1.5倍速程度の感覚。
そのため戦闘が面倒になりとくに退屈な序盤はやめたくなるし、後半で敵が多いときなどは「戦闘したくないから、マップに新しいゴーレムがあるけど回収やめよう」という気持ちになることもあった。
戦闘テンポは、本作の面白さを揺るがすほどに悪い。

そんな状態でも本作には最後まで遊ばせる力があって価格分は楽しめる(ぎりぎり評価5)し、戦闘を高速設定にしないタイプのプレイヤーなら現状でもすごく楽しめるはずだ。
ゲームの説明を見てコンセプトに惹かれた方は、試してみて欲しい(Google Playなら無料版もある)。

ただ、戦闘演出のテンポが良ければ評価7(それほど影響があると思う)にするだろう、という内容だと思っているので、アップデートに期待もしておきたい……。

プレイ動画:


概要:
ゴーレムに乗って多彩な戦術がとれるバトルを持つRPG。無料版は広告が出るが最後まで遊べる。有料版は広告がなく、課金通貨GPが付属する。

評価:5(価格通りに楽しめる)

おすすめポイント
多彩な戦い方が可能なバトル
わりと楽しめるストーリー
賞金首コンプリートも結構楽しい

気になるポイント
序盤は少し窮屈
バトルテンポが悪い

アプリリンク:
RPG アームド&ゴーレム (App Store 860円 / GooglePlay 860円)
RPG アームド&ゴーレム 無料版 (GoolePlay 無料)

開発:Hit Point(日本)
販売:ケムコ(日本)
HP:https://www.kemco.jp/game/armedandgolem/ja/
レビュー時バージョン:1.0.1
課金:経験値2倍など特別なアイテムを変える有料通貨購入。通貨は通常バトルでも獲得でき、買わずとも普通にクリア可能。

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中