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「パンツじゃないから恥ずかしくない」を貫き通すシューティング(テイルズ風に読んでください)、『ワールドウィッチーズ UNITED FRONT』レビュー

ワールドウィッチーズ UNITED FRONT(ユナフロ) (App Store 無料 / GooglePlay 無料)
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魔法の力を持った少女”ウィッチ”が異形の敵”ネウロイ”と戦うドラマを描いた『ワールドウィッチーズ』シリーズ。
『ワールドウィッチーズ』というとなじみが薄いかもしれないが、短すぎるズボンをはいて「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」と、開き直った台詞で話題になった『ストライクウィッチーズ』などのアニメが該当する、といえば知っている方も多いのではないだろうか。

『ワールドウィッチーズ UNITED FRONT』は、アニメやマンガなども含めてシリーズ全体のキャラクターが共闘するシューティングゲーム。
シューティングの老舗ケイブ、KADOKAWA、フォワードワークスの共同開発となっている。

本作はキャラクター重視のゲーム、いわゆる“キャラゲー”であり、そう思って楽しむべきゲームだ。
昔、『アリスギア』に登場したコラボ3Dモデルの出来が良くて話題になったが、キャラデザインを担当した島田フミカネさんのイラストに寄せている『アリスギア』に対して、アニメに寄せている『ユナフロ』と差別化もされている。
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▲将来的には衣装替えもできるとのこと。ゲーム開始後にオプションで画像解像度を上げないとちょっとぼけて見えるかも。

宿舎でキャラクターにギフトを贈って信頼度を上げれば、固有シナリオが解放され、さらには”全身を見る”ときのカメラズームアウト・ズームイン機能も増えていく。
このゲームはフルボイスではないが、宿舎ではキャラクターボイスが個別に用意されているのも嬉しい。
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キャラクターの能力についてもこだわりがある。
本作では、全キャラクターが★1から始まって★4まで成長する素晴らしい仕組みを採用している。
キャラガチャを採用したゲームでは「全キャラ最高レア度まで育つ」と言われても、結局は最初からレア度の高いキャラクターが強かったりする。
しかし、本作では全キャラが平等に★1から始まり、最終的に★4に成長する(ガチャから★3の状態で登場することはあるが、全キャラ★3も登場する)。
よって、好きなキャラクターをとことん育てれば能力的に他のキャラクターに引けを取らないわけだ。
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▲★4育成まではかなりキャラのかけらを集める必要がある。一応、他のキャラのかけらを3つ消費すると好きなキャラのかけらにできるので、集中して育てるなら救済はある。

ストーリーは普通に見られるし、3Dキャラクターを活かしてアングルを付けた演出もあるし、ゲーム開始時から1章に最低1枚以上はスチルを盛り込んでいるし、キャラゲーとしてはなかなかに手間をかけている。
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何より注目したいのはAppleで9歳以上、Google Playで3歳以上というレーティング区分だ。
「パンツ丸出しなのになぜ!?」と、思われるかもしれない。
だが、このレーティングは世界観に深く関係しており、フォワードワークスの(たぶん)頑張りの成果だ。
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▲Google Play

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▲App Store

本作品世界において、我々が“パンツ”だと感じてしまうものは“ズボン”という設定になっており、決してエッチなものではない。
だから、作品内では誰もじろじろ見ないし、ウィッチも恥ずかしがらない。つまり、パンツじゃないから対象年齢が上がるわけがない。
15歳のキャラクターの下着が見えている、と判定されたら対象年齢はあがるはずなので、AppleやGoogleなどはこれをズボンと認めたのだろう。
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▲ゲーム中背面にカメラがまわっても、パンツじゃないのでOK

Google「どうみてもパンツではありませんか?」
フォワードワークス「違います、ズボンなんですよ。日本の自衛隊も同じ見解です!(※)」
Google「国が認めたなら仕方ない」
とか、熱いやりとりがあったことは想像に難くない。
※ストライクウィッチーズと自衛隊コラボポスターが制作されたとき、パンツではないかという疑惑が持ち上がったが、自衛隊は「ズボンという認識」と回答した
フォワードワークス(たぶん)は、世界的企業の「パンツじゃない」を勝ち取り、世界観を守ったのである。
筆者はこれをパンツだと思っているけども。
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▲なんで3歳以上対象なのか、わけがわからないよ……。

さて、原作付きとしては一定の良さがあるとして、キャラクターが活躍するゲーム部分は見下ろし視点のシューティングとなっている。
プレイヤーは1人のメインと、AIで行動する2人のサブ、メインキャラクターの能力を上乗せする1人のサポートウィッチを編成しゲームに臨む。
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シューティングステージは四角いフィールドになっており、ここを自由に移動しつつ、画面外から登場する敵を撃って戦う。
操作は移動スティックと射撃方向を決めるスティックの2つを使い、一定時間ごとにキャラクター固有のスキル(回復や特別な攻撃が可能)が使用可能。
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また、攻撃ボタンを押していないときはシールドが展開され、敵の弾やレーザーを防げる。
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敵を殲滅(もしくはいなくなるまで戦えば)ステージクリアで、ステージ内で稼いだスコアに応じてクリア報酬が良くなる。
敵を残さず倒したり、高速で倒すことでスコアが増え、そのスコアに応じてクリア報酬が上がるわけだ。
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と、システムを列挙すると難しそうに聞こえるが、そこはキャラゲー。キャラクターが育成できていれば、オート操作でさっくりクリアできる。
また、スコアもメモリーカードという装備(基本はガチャで手に入れる)を強化するほどに上がるので育成さえきっちりしておけば最高ランクをとれる。
逆にプレイヤーの腕が良くてもキャラクターの攻撃力が低ければ雑魚敵すら倒せないし、スコアも振るわない。普通のガチャゲームと思ってもらって良い。
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▲メモリーカードの「エネミースコア」などの合計がスコア倍率になるので、育成が超重要。

難易度は3段階で、ノーマルならば敵はほぼ弾も撃たず、基本的に体当たりしてくるだけなのでストーリーを見るだけならゲームの腕前は必要ない。
ハード、エクストリームと難易度が上がっていくと敵弾が増えて難易度が上がるが、圧倒的な戦力を用意すれば切り抜けられる。
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プレイヤーの腕前はどこで披露するのかというと、やり込み要素としてスコアアタックステージがある。
ここでは倒すことで敵を全滅させる赤い敵を狙ったり、敵弾をかいくぐって高速で倒すなどのテクニックでスコアを向上させられる。
ここでは手動でプレイするわずかな差で順位が決まり、報酬がより良くなる。が、それでも重要なスタートラインは(現在のところ)育成と課金だ。
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正直、これはシューティング好きとしては物足りない。
だが、視点を変えて「キャラゲーに徹しているのだ」と思えば、これはこれでアリ、田と思う。
早期からオート、2倍速、スタミナを最大3倍(課金すれば4倍まで)消費して1回で手に入る報酬を引き上げる機能が使えるため、オートで遊ぶサクサクできるし、すでに他のゲームをプレイしていても負担にならない。
唯一、他のプレイヤーと遊ぶ共闘ステージは操作必須だが、1回クリアするだけでデイリーミッション完了となるのでハマりすぎなければそこまでの面倒もない。

シューティングの老舗、ケイブ開発と期待をかけると肩透かしかもしれないが、メインではなくサブとしてこなすキャラクターゲームとして良いところを突いている。
シリーズファンの方は1度試してみると良いだろう。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
初期から倍速・オート・スタミナ倍消費解放
全キャラ平等にレア度付けされている
パンツじゃないをAppleとGoogle相手に貫いている

気になるポイント
シューティング部分は面白さ・手応えともに物足りない
育成重視でプレイヤーの腕の要素は低め
共闘でオートが使えない(とは言え、大きな欠点ではない)
育成は長期的視点が必要

アプリリンク:
ワールドウィッチーズ UNITED FRONT(ユナフロ) (App Store 無料 / GooglePlay 無料)

開発:ケイブ・KADOKAWA・フォワードワークス
販売:フォワードワークス

HP:https://w-witch-app.com/
レビュー時バージョン:1.0.1
課金:ガチャ(キャラとメモリーカード、別ガチャに分離されていて闇鍋ではない)、月額便利パックなど

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中