ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

名前を失った猫が飼い主を探して異世界をさまよう『名もなき猫』レビュー。アクション、世界観ともに良好なのに無料

名もなき猫 (App Store 無料 / GooglePlay 無料)
name-2
記憶を失ったまま寒々しい異世界に放り出された猫は、かすかな記憶をたよりに飼い主の元へ帰ろうとする。
無料ゲームのなかでも物語、アクションともに評判の良い『Nameless Cat』が、2020年9月末に『名もなき猫』と改題して日本語化されたので、本日はこれを紹介する。
本作は短いステージで区切られ、サクサクと遊べる横スクロールアクションとして楽しめるし、神秘的な異世界と猫の記憶をたどる物語としても楽しめる、1粒で2つおいしいゲームだ。

ゲーム操作は、左右の移動とジャンプ、ワープの計4ボタンで行う。
ワープボタンとは、ステージ内のワープポイントに瞬間移動するボタンで、これが本作のアクションの特徴を決定づけるもの。
これは、画面内に緑の矢印が示されているワープポイントがあるときに押すと……。
name-4

瞬時にその地点までワープするというもの。
ワープポイントには、ワープ後に猫が隠れられる隠れ家、ワープ時に猫と入れ替わる身代わりの石など複数の種類があり、ステージに存在するワープポイントにあわせた使いこなしが重要となる。
name-5

この仕組みがスマホゲームとしてかなり良い感じに作用している。
スマホゲームのアクションでは忙しい精密操作がつらい。
しかし、ワープ場所を考えるパズル性、ワープするタイミングをとるアクションをメインにして精密操作が必要を減らし、無理なくアクションの面白さを演出している。
『名もなき猫』は死にゲーに属する(全45ステージをクリアするまでに200回ぐらい死んだ)が、アクションが好きなら誰もが問題なく遊べる難易度だろう。
name-8
▲3エリア、45ステージ。エリア最後にはボスもいる。

とまあ、アクション部分だけでも十分楽しめるのだが、私が『名もなき猫』でもっとも気に入ったのは世界観だった。
冒頭にも書いたとおり、猫は記憶もない状態で寒々しい世界に放り込まれる。
荒廃した風景と悲しげな曲は、孤独な猫の心情を思い起こさせる。
name-3

そして、その世界にはなぜか2本足で立ち、人間の言葉をしゃべる動物たちがいる。
「私は、自分の意思しか従わない。」と語るアライグマ。
namer-1

「小僧、どこへいくのじゃ?」と、何かを知った顔で語りかけるウサギ。
namer-3

「また一匹、可哀想な生贄が来たな。」と語るフクロウ。
namer-2

猫は4本足なのに、なぜ彼らは2本足で立つのか。
そこに壮大なストーリーがあるわけでなくとも、背景が気になってしまう。
猫は語らないが、ステージ中には猫の記憶にまつわる写真が隠されていることもあり、猫が飼い主の元に戻ろうとする理由がなんとなく察せられるのも良い。
name-6

ゲームも雰囲気も良い感じなのに無料で最後まで遊べて、広告はやや控えめで課金要素も広告削除・外見変更アイテムのみ。
広告削除を購入すればステージ途中のセーブポイントが増えて便利になるし、雰囲気を損なわないので買うならこれがおすすめ。
猫の外見変更は、ステージ中に隠された“猫缶”を集めて買うこともできるのでムリに買わなくて良いだろう。

プレイ動画:


概要:
記憶を失った猫が、飼い主の元に帰還するため異世界を冒険するアクションゲーム。トラップの多い短いステージを攻略するライトな死にゲー。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
寂しげで神秘的な世界観
ライトな死にゲーアクションを楽しめる
課金要素も少なめ

気になるポイント
とくになし

アプリリンク:
名もなき猫 (App Store 無料 / GooglePlay 無料)

開発:Kotoba Games(中国)
HP:https://www.facebook.com/KotobaGames/
レビュー時バージョン:1.5.1
課金:広告削除

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中