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触って動いているだけで気持ちいいアクション『モチ上ガール』。面白ければなんでもいい。ストーリーも設定もどうでもいいという力強い作品 - Unite2019レポート

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日本ゲーム大賞2018のU18部門の審査でトップを取り、レベル5の日野社長をして「最もプロに近い作品」と言われた『モチ上ガール』というゲームがある。
本作がUnityの技術カンファレンスUnite Tokyo 2019に展示されていて、すごく面白かったので記事にしておく。
作者の渡邉大誠さんがこのゲームを作ったとき、なんと高校1年生。しかし、ゲームに触ってみると、ただコントローラーを持って動いているだけで楽しい、力強く原始的な面白さがそこにあった。

『モチ上ガール』は、自在に伸びてくっつくモチを操るガールが、ステージ狭しとアクロバティックなアクションで飛び回り、ゴールを目指す横スクロールアクションだ。


操作はなんと左スティックとボタン1つのみ。
地上似るときにボタンを押すとジャンプし、空中でボタンを押すとスティックを倒している方向に餅が伸びる。
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そして、餅が壁などにくっつくと引っ張られ、ガールが反動で移動する。
敵に餅をくっつければそのまま餅の引っ張る勢いで体当たりして倒せるし、なぜか水にもくっついてガールを引っ張る。
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物理法則からすると「変じゃない?」ということも多いのだが、プレイしているとこれが気にならない。
なんと言っても、適当に餅をくっつけて、高速移動して、駆け抜けるようにステージを移動しているだけで楽しい。
ギミックが全部プレイヤーへのご褒美になっている。
水に餅がくっついてもその後に超高速で移動できるご褒美が待っているし、餅を凍らせる氷の壁なら餅が弾かれて勢いよく反発して気持ちいい。
セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のような、タイムアタック系(でも難しくない)アクションゲームの面白さが詰まっているのだ。
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▲水に餅をくっつけると、なぜかガールがそのまま高速で水中を泳ぎ始める。理屈はともかく気持ちいい。

Unite会場にいた渡邉大誠さんにうかがったところ、「とにかく楽しければいいんじゃないかと思っている」とのことで、それ以外のことは考えていないようだ。
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ゲームのストーリーも、ゴールで吸い込まれる理由も、考えていないという。
ゲーム内にはコレクションとして寿司が登場するが、「なぜ餅と寿司なのか?」と聞いても「なんとなくおいしいものなら集めたいと思うだろうから」という語る。
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また、本作にはスコアが存在せず、とにかくステージをクリアすればOKという設計になっている。
だが、ゲームを遊んでいると連続で敵に餅を張り付けて倒すシーンなどもあり、「普通のアクションゲームならここでスコアが増えたり、コインが増えることろでは……?」と思うときもあった。
それに関しても、「早くゴールすることで楽しんでもらえればいい」とこのゲームに関しては面白さの核以外を考えていないようだった。

最近、私自身がプレイヤーとして小賢しいというか、理屈が整っていることを気にししまったり、整っていると喜んだりするような部分があると思う。
しかし、『モチ上ガール』はそういったことを一切気にせず、「操作して、くっつけて、早ければ楽しい」というシンプルなことだけを気にして作られており、それが素直に面白い。

本作は2019年内にNintendo Switchでの発売を予定している。
すでにゲーム自体はほぼ完成品になっているそうなので、近いうちに情報を聞けるだろう。
スマホのゲームではないが、ゲームキャストでも「紹介したい」と思える快作だったので、情報が出たら皆さん確認してみて欲しい。

関連リンク:
モチ上ガール|公式サイト