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世界を救うまで、滅びの100日間を繰り返すローグライトRPG『Ending Days』レビュー。プレイヤーを沼に引きずりこむリプレイ性の悪魔

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全国のローグライト系RPG好きのゲーマーたちにこの『Endind Days』を遊んでもらいたい。
これは『Buriedbornes』や『Deck de Dungeon』など、システムで遊ばせる硬派RPGを作り続けるNussy Gameの新作。
世界が滅びる最後の100日間を冒険し、魔王を倒して世界が救われるまで何度でも時間を遡って戦うRPGだ。
1日=1行動。プレイヤーの行動を洗練して100日(=100回の行動)で魔王を倒すゲームで、毎プレイイベントが変化し、プレイヤーに臨機応変な戦術を求める。


『Engind Days』は、理想の戦術を考えて組み立てる準備と、ランダムイベントが発生されるステージを攻略する2つのフェイズに分かれる。
準備ではまず、パーティーを組む2人のキャラクターを選択する(初回プレイ時は固定)。
キャラクターにはそれぞれ固有の得意技と職業が設定されており、接近戦キャラと回復キャラで戦うとか、レアアイテムが出やすい盗賊で運頼みにしてみるとか、ここでプレイスタイルがほぼ決定する。
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▲周回プレイ時は職業を増やすアミュレットと、特殊能力を増やすオラクルも装備可能。

パーティーを結成したら、次は“キャスト”の設定を行う。
キャストは冒険を助けるサポーターと、敵ボスとして出現するライバルに分かれており、サポーターは様々なミッションを発生させ、達成したプレイヤーを助ける。
逆にライバルは冒険を邪魔するが、倒せば多くの報酬が手に入る成長の起爆剤だ。
登場人物やボスをプレイヤーの意志でが決められ、戦略の一部に組み込めるとはなかなか目を引くシステムと言えよう。
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ここまで準備を整えたらいよいよゲームスタートだ。冒険を始めると、まず全体マップが表示される。
プレイヤーはここから行き先を選び、移動するたびに1日が経過する。基本的に多くの場所は敵が登場するダンジョンになっており、ここでモンスターと戦って成長するのがゲームの基本となる。
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バトルはターン制のコマンドバトルを採用しており、各キャラクターが順番に攻撃を行う『ドラゴンクエスト』形式。
基本は物理攻撃や魔法で大ダメージを与え、補助技で能力を上げながら回復で粘る、どこにでもあるコマンドバトルではある。
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ただし、通常攻撃に加えて属性攻撃、遅延攻撃(攻撃した次のターンにダメージが与えられる)、出血、召喚獣(生きている間だけ攻撃し続ける)など、さまざまなタイプの攻撃があり、戦い方は無数に存在する。
戦術の幅が広いことは保証できるので、バトルマニアの方はぜひ遊んで欲しい。

そして、バトルに勝利するとご褒美タイム。
キャラクターがレベルアップするだけでなく、装備などがドロップする。
なお、ドロップアイテムはキャラクターレベルに応じて強くなるため、戦えば戦うほどにインフレして、育成結果がダイレクトに出て楽しい。そして、ここにも駆け引きがある。
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ゲームが進むほどドロップする装備のレベルが上がって基礎性能が良くなるが、ランダム生成の特殊能力(敵の攻撃を反射とか、魔法ダメージ+100とか)の能力もついている。
伝説クラスの特殊能力を持った装備を手に入れると一気に強くなるが、基礎性能が低いといつか使用に限界がくる。
しかし、装備は保存できず、既存の装備と入れ替えることしかできない。
装備の引退時を見誤ると、弱い装備を使い続ける(敵から同じ部位の装備が出るまで装備変更ができない!)ことになり、敗北につながる。
装備入れ替えのジレンマが悩ましくも楽しい。
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▲手に入れた装備は交換か、捨てて消費アイテムを手に入れるか二択。保存不可。

短期的には強敵と戦える戦力を整え、上手に装備を切り替えるマネジメントが求められる。
長期的にはイベントの処理順番、回復ができる集落(1度訪れると消える)を訪れるタイミングを調整して休みなく成長し続けて魔王超えを狙う戦略が求められ、バランスのとれたゲームになっている。
毎プレイ展開が変わってくるため、飽きることもそうそうない。ハマりすぎる系のゲームである。
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欠点があるとすれば、最初から設定がゲーマー向けになっており、説明が少ないというところだが……。
こちらはオプションで戦闘の速度を落としたり、バトルログを見返すことでそこそこ解消できるので、普段はこういったゲームを遊ばないなら、オプションで設定を変更してみて欲しい。
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また、本作は基本無料ゲームではあるが、課金ガチャは存在しない。ガチャはゲーム内通貨のみで引けて、重複のないボックスガチャなので遊んでいればいずれ全キャラクターそろう設計にもなっている。
キャラクターやキャストを直接指定して購入する課金の仕組みはあるが、初期状態でも魔王を十分倒せるので、プレイヤーの腕が重要なバランスとなっている。
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対戦カードゲームでデッキを組むかのようにパーティーやキャスト(敵も味方もプレイヤーが決めるのだ!)を決めて大まかな戦術を定め、ランダムのイベントによる運要素を制御しつつ魔王を戦うプレイはローグライトの王道。
『FTL』やら『SLAY THE SPIRE』などが好きなら絶対ハマる作りなので、そういったゲーム好きの方は是非遊んでいただきたい。

概要:
ランダムイベントのある世界で100日間=100回の行動を組み立て、魔王を倒すほど成長するRPG

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
ゲーム開始時の組み合わせ設計が楽しい
適度にランダムで飽きないイベント(学習も効く)
ギリギリを狙いたくなるが、外すと死ぬ(課金コンテニューなどない!)
インフレと思えるほどの気持ちいい成長バランス

気になるポイント
ルールが初見だとわかりづらい
まだバグが多い

アプリDL:
Ending Days (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:NUSSY GAME(日本)
HP:https://edrpg.nussygame.com/
レビュー時バージョン:1.0.1
課金:オーブ(キャラなどの購入に使用。ガチャはゲーム内通貨のみで回せる)

ライター:ゲームキャスト トシ