NetEaseの新作『ライフアフター』は、スマホに新たなMMORPG体験をもたらす。中国版を5カ月遊んだプレイヤーによる紹介
- インプレッション
- 2019年04月11日
本日より、喜の向くままスマホゲームブログのきたむらさんが、仕事などを通じてであった注目の海外ゲームを紹介する短期連載が始まる。
彼は趣味で海外ゲームを遊んでいたら、いつの間にか会社で海外ゲームのライセンスインの仕事をするようになっていたというガチの海外ゲーム好き。
ゲームキャストが紹介した海外ゲームも、いくつかは彼経由で知ったという筋金入りのゲーマーである。
最初は『荒野行動』や『Identity Ⅴ』を手掛けたNetEaseがパブリッシャー手掛ける新作『ライフアフター』(中国題:明日之后)の紹介となる。
中国では昨年11月頭にサービスが開始され、今もなお好調なセールスを記録する『ライフアフター』。
私はと言えば、中国版のサービス開始からおよそ5か月にわたり、時間の許す限り本作を遊び尽くしてきた。
いや、もうね、マジで面白いんだよねこれ。
日本でも絶対ヒットすると思うし、流行ってほしいと思っているので日本版のサービス開始前になんとかその魅力を書きあげねば!
ということで、5か月みっちりプレイした経験を踏まえ、深く切り込んで紹介したい。
少々長くなるが以下、ご覧あれ。
※記述内容は中国版に準拠しているため日本版とは内容が異なる可能性があります。
どんなゲームなの?
ゾンビが徘徊する終末的な世界を生き延びるゲームで、ジャンルをシンプルに表現するなら以下のような形になると考えている。
「クラフトサバイバル×TPS×MMORPG」
ありとあらゆる面で「自給自足」が要求される新機軸が盛り込まれており、今までのスマホゲームでは味わうことができなかった面白さを作り出している。
①クラフトサバイバル

本作における最も特徴的な部分。
武器も防具も住居も食事も、基本的には自前で用意しなければならない。ガチャを回したらすぐ使える装備がポロッと出てくるような甘っちょろい世界ではないのだ。
しかも、装備は使い続けるうちに耐久値が減少し、0になれば壊れて使えなくなる。
1度強い装備を作ったから安心とはならず、次の装備を作る準備として木の伐採や石の採掘をする必要に迫られる。
そうやって働き続ければ腹が減るので、果実・野菜を採取し、狩りで肉を得て調理し、空腹を満たす生活が生まれる。
②TPS
フィールドのシステムは、背後からキャラクターを見て操作するTPS形式のアクション。
『荒野行動』などのバトロワ系ゲームに代表されるスタイルなので、そういったタイトルを遊んだ経験があれば違和感なく遊べるだろう。
これまでスマホMMORPGといえば見おろし形式が主だったが、TPSスタイルを採用することで戦闘のアクション性も増したし、世界の見え方も変わってくる。

▲水中での探索も可能だ
戦闘も「画面右下にあるスキルボタンを押して~」みたいな感じだったわけだが……『ライフアフター』では、プレイヤーの腕がモノを言うアクション形式。
そこにあるのは、ただただ人間臭い命のやり取りだ。
③MMORPG
本作ではベースキャンプから行き先を選択し、ファストトラベルでフィールドへ降り立ち、そこで「採集」「制作」「戦闘」の3つの熟練度を獲得していくことがプレイヤーの成長につながっていく。
採集は木の伐採や石の採掘を通じて、制作はそうして得た素材から道具等を作ることを通じて、戦闘はゾンビや他プレイヤーへの攻撃を通じて熟練度が上昇し、一定の段階へ到達すると成長する。
そして、作れる品物や行ける場所が増えてより豊かな体験ができるわけだ。

▲砂漠や雪山などの地域。砂嵐やブリザードなどの天候もあり、屋外にいると死ぬので小屋など安全な場所に避難するときも
この部分のプレイフィールは、完全にPCなどのMMORPGのそれ。
受注している任務をタップすると自動で目的地まで移動したり、指定の敵を倒したりという「親切設計」はない。
それ以外の要素は?
他の部分で、目立つ特徴についてもう少し詳しく見ていこう。
①ハウジング
家を作る“ハウジング”は、MMORPGでは割とおなじみの要素。
本作でも自分の家を建てて装飾し増築していく従来の楽しみ方もできるが、それに加えて「資源の保管」という大きな目的がある。本作では武器・防具に家具、食事と多くのものを制作しなければならない一方、それらを作るための資源を保管できる場所は用意されていない。
なので、タンスや引き出しを作って資源を収納していかないと、あっという間に手元がいっぱいになって満足な採集活動ができなくなってしまうというわけ。

▲外装も内装もいろいろな種類がある。
では十分に収納場所を確保したらもう安心かというとこれがそうでもない。
なぜなら他のプレイヤーに自宅を襲撃され資源を奪われるという可能性があるから。
……いやー、えげつない。
でもここはいわゆるまともな倫理観が機能するような世界設定ではないからね。
結局最後は「やるか、やられるか」なんだよね、ホント。
だから予め庭に地雷などのトラップを仕掛けて侵入者を迎え撃つといった準備をしておくことも大切になる。
②ギルド

こちらもMMORPGではおなじみだが、本作にもギルドが存在し、ゲーム開始から間もないタイミングでギルドの創立または加入が可能になる。
ギルドには「まったりorガチ」とか「対人戦に積極的」などの方針が定められ、加入前に確認できるので自分に合いそうなところを探してみよう。
ギルドに入ると昼と夜に食事をしてバフ(強化)を受けられ、決まった時間にメンバーと協力して行う巡回任務やゾンビ撃退戦などを遊べる。物資を寄付することでギルドを発展させる要素もある。
さらに、ギルドメンバーとともに任務などをこなしていると親密度が上がり、一定値を超えるとなんと互いの家で同居することも可能に。
『荒野行動』がヒットしたのは「出会い系」っぽい要素があったことも理由の1つと思っているが、本作でもやはりそういう要素が用意されていた。
③交易

採集した資源、制作した装備は交易で売買でき、ゲーム内通貨を稼げる。
「塵も積もれば山となる」ということわざがあるが、少額にしかならない資源でも需要がある限り出品し続ければ売却益は貯まり、結果として数十万のゲーム内通貨を稼ぐことができる。
だから、最高性能で超高額な装備でもためらわずに購入できる(私の体験談)。
④ペット

ゲーム開始時に冒険のお供としてワンコを連れて行くことができる。
犬種はシェパード、ドーベルマン、ラブラドール・レトリーバーの3種から選択でき、自宅の番犬にして侵入者を捕捉させたり、採集に同行させてアイテムを発見させたりと役割を設定すると活躍してくれる。
⑤職業

大きくは採集系・制作系・戦闘系の3種に分類され、そこからさらに3種に分類された計9種類の職業がある。
採集系にしか獲得できない資源、制作系にしか作り出せない品物があり、戦闘系は戦闘時に少し能力が強化されたりする。
しかし、特定の職業でしか使えない装備はなく、手に入れられない資源は交易で獲得できるため職業ごとの違いは目立ちにくい。
⑥課金要素
基本無料ゲームだし、ここが気になる方も多いだろう。
繰り返しになるが本作ではガチャで装備がそのまま出てくることはない。
「装備を作るための設計図」はランダム排出のガチャ要素に当たるが、完成した装備が交易でも入手可能なため、必ずしも自分で制作する必要はない。

▲設計図ガチャはある。しかし、製作する装備自体が交易で買える。
課金通貨ではアバターやアクアリウムなどの豪華家具の購入ができるほか、課金通貨をゲーム内通貨に変換して様々な用途で使用することも可能だ。

▲中国ではアバターをプレゼントできたようだ。
…
…ん?ちょっと待て、「課金通貨をゲーム内通貨に変換」だと…?
そう、勘のいい方は気付いたと思うが、これが可能ということはリアルマネーをつぎ込めば高品質な装備ですら労力をかけて制作しなくとも購入できてしまうのだ。
なんてこった…終末世界でも「世の中金、金こそが正義」だったとは…生々しすぎる。
これを聞いてしまうと、課金はほどほどで遊ぼうと思っていた方はドン引きしてしまったかもしれない。でも、悲観しないでほしいのだ。
私は中国版で課金できなかったゆえ無課金で遊び続けていたが、TPSという形式なのでプレイヤースキルを磨いたり、仲間との共闘で差を埋めることもできる。なにより、交易を頑張ればゲーム内通貨が十分に稼げるので、プレイヤーがどれだけ努力を継続できるかのほうが重要。
どんな装備もいつかは壊れるので、装備購入は時短の1種として受け取ることもできた。
自由度の高さはピカイチ!
MMORPGの特徴や売り文句として「自由度の高さ」はしばしば挙げられるが、本作ではそこが際立っている。
ゲーム内でも生きている証としてなんと排便もできる。いやー、いくらなんでも生活感ありすぎやろ……。

と、そんな自由度だけでなく、プレイの自由度も高い。
例えば、プレイヤー同士で戦う“PK”機能。自宅への襲撃を除けば、PKが可能なエリアとそうでないエリアが完全に独立して存在しているし、PK可能なエリアでしか入手できないアイテムは存在しない。
つまり、PKするもしないもプレイヤーの自由だ。
対人戦が苦手でも採集を頑張って家を増築する楽しみ方もあるし、もちろん「対人戦大好き!」という方ならば、PK可能エリアに入り浸って殺戮の限りを尽くしてもいい。
だいたい何をしても許されるし、いろんな部分に楽しみを見いだせるはずなので、自ら主体的に「今日はこれをして遊ぼう」と目標を設定できるタイプの人には非常にオススメできる作品だ。
長々と書いてきたが、『ライフアフター』は今までの見おろしMMORPG、簡易な体験のスマホゲームとは明らかに一線を画しており、多くのプレイヤーがその斬新さを経験できると信じている。
気の合う仲間と穏やかに暮らすもよし、PvPで名をあげ人々から恐れられるもよし。
必ず何かしらの楽しみ方を見つけられるはず。
正式にサービス開始となれば、私も眠れない日々がまた始まる。だが、そうまでしてでもやりたいと思えるほど面白いのだから仕方ない。
私は日本で『ライフアフター』が遊べる日を、首を長ーーーーーーーくして待っている。
この記事を見て興味を持てたら、事前登録をして一緒に待って欲しい。
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コメント一覧 (7)
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- 2019年04月11日 19:06
- 荒野にマンネリを感じたり、少し変わった荒野行動を遊びたいならこれって感じで隙が無いですね。
少なくとも、荒野層が「なんか出たからやろう」で初期は遊びまくりそう。
あとは面白ければそれで流行る。
上でリネレボの名前が出ていますが、重課金少数のリネレボと違い、マスに広がったゲームはこれで戦える強さがある。
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- 2019年04月12日 10:16
- >>空欄さん
荒野層はこれより、いま同時事前中のネットイース新作のサイバーハンターいくんじゃないでしょうか?
日本で回りと一緒にやって流行るゲームって、とにかく早く勝負が決まるゲームが主軸なんで、荒野層が時間かかる系のジャンルに飛びうつることはないかと
これのターゲットはタイトルにあるようにMMO系プレイヤーだと思うんですが、既存の韓国系とかなり特色が違うので客が奪えるかどうかは全く不透明なんですよね、いままでにないので、どうなるか全く予想がつかない
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- 2019年04月12日 14:37
- これも荒野と同じで、PCには存在していたがスマホには無かったタイプのゲームなので、
ワンチャンあるかもしれませんよ。
どうせ駄目だろうと思って一歩も踏み出さないというのも愚かな行為ですし。
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- 2019年04月12日 18:06
- 似たようなスマホゲームはARKですかね
ただARKは鳴かず飛ばずでしたけどこれはツイッター等でも広告出してるので流行る感じはしますね。正直ゲーム内容よりもどれだけ広告費をかけるかが重要な気がします。荒野行動もバトロワ初見の人がこぞって雪崩れ込んだわけですし
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- 2019年04月15日 12:06
- ここの運営作見てると
エラントゥ = ファンタジー系
荒野 = リアル系
ライフアフター = ゾンビ
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- 2019年04月27日 13:15
- やることが多くて何をやればいいかわからないとか荒野行動となぜか比較してる人が多くこのジャンルは日本ではまだ早すぎたんじゃないかなという感じがしますね。サバイバルゲーム自体コアゲーマーしか寄り付かないようなジャンルなので一般には理解すら難しい。紹介にあるようにゲームは面白いですしrustや7dtd等にハマった人ならすんなり入れると思います
作業の片手間にオート放置したい人たちが集まるジャンルなんでこれは果たしてどうなんでしょうねぇ
MMOの出会い系狙いの人たちはすでにリネレボで固定されてますし
若年層だとそれこそ自社の荒野に固まってるような
教室のお友だちでわいわいやるこが、時間かかりそうなこれを果たしてやるのかな?