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RPGのように発見し上達するシューティング『Black Bird』レビュー

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今日は PC と Nintendo Switch 向けのシューティング『Black Bird』を紹介する。
本作は『Million Onion Hotel』など木村 祥朗さん率いる Onion Games の新作。
木村さんはスクウェアの『ロマンシング・サガ3』でマスコンバットを作ってデビューしてから、RPGやアドベンチャーを作り続けてきたゲームデザイナーなのだが、シューティングは初めて。
どんなゲームになるかと思ったが……さすがベテラン。なんと、RPGのように段階を踏んでプレイヤーが成長して遊ぶ、アーケードシューティングと異なる味の独特のゲームがそこにあった。

本作には、世界観を重視する Onion Games の伝統を受け継がれており、ゲーム開始時に目を引くのは、まず残酷で独特な世界である。オープニングでは少女が雑踏の中で、誰にも助けられることなく死んで……。
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謎の紳士によって、人々を殺す災厄の黒い鳥“ブラックバード”としてよみがえるまでが描かれる。
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そして、ミュージカルのような音楽が鳴り響き、ブラックバードが自分を見殺しにした人々を殺し、文明を破壊し始める。
ここでまた衝撃的なのは「敵を倒している」というより、「復讐している」ニュアンスがゲームから放たれていたことだ。
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『Moon』などのドット絵を担当した倉島一幸さんにより命を吹き込まれた敵キャラクターは、実に生き生き動く。
ブラックバードが近づくと無抵抗で逃げ出す一般人も多く、それを殺していく様子には(自分でプレイしながらも)ちょっとした背徳感を感じる。
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ゲームとしては、自由移動の横スクロールシューティングとなっており、プレイヤーが移動した方向に向かって画面がスクロールする。
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武器はショットとボムのみで、ショットは画面上に合計3発までしか出せない。つまり、古典的な「敵に近づいて撃つと攻撃速度が上がる」仕組み。
また、ボムは一定時間無敵になって体当たり攻撃できる「緊急回避技」だが、COMBO MAX(一定時間内に敵を30以上連続して倒す)時に使用するとスコアが跳ね上がる稼ぎアイテムの特性も持っている。
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敵を倒すと宝石が出てきてパワーアップ。
ゲームは全4ステージで、コンテニューは不可。各ステージのボスを撃破するとデモシーンが流れて、物語が垣間見える。
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ノーマルモードでのプレイは、本当に一瞬で終わった。
私自身、初めて遊ぶシューティングは2~3面で終わる程度の腕なのだが、それでも40分でクリアしていたのだ(1回だけゲームオーバーした)。
この40分、4つのステージそれぞれに物語性が見え、街を破壊すると隠しアイテムなどがでてきて、シューティングというよりRPGの街を4つ探索したような満足感があった。
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とはいえ、短すぎる。これで1,980円の元が取れるのか。
不安になったが、1周クリアすると出現する True Mode はその不安を吹き飛ばした。ノーマルモードは True Mode に向けた伏線でしかなかったのだ。

True Mode では1面からノーマルの最終面より敵の攻撃が激しい。実際、私は2面で簡単にゲームオーバーになってしまった。
ただ、その攻撃に理不尽な感覚は全くない。それはノーマルモードのパターンを基本にしているからで、予測不能な攻撃が少なく、難しくても納得はできるようにできていた。
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また、True Mode 出現時に「ステージの隠し要素が増える」と明示されるので、それにつられてステージを探索すると、ここで攻略のコツに気づく。
ステージ内には隠し要素に負けないほどツボ(パワーアップアイテムが出る)がたくさん隠されており、隠し要素を探していると、いつの間にかツボの位置を覚えて攻略が進むようになっているのだ。
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さらに、True Mode ではステージ間のカットシーンも完全変更されており、進むほどに少女の身に起きる出来事が気になる仕掛けも用意されている。
単に難易度が変わるのではなく、1周目の続きとして True Mode の難易度を作り、ご褒美要素もまったく別個に用意しておく。
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魔王を倒すと真のボスが出てきて、複雑な構造の街(ステージ)が出てきて、これまで行った街を再度訪れて攻略する……昔のRPGのような構造である。
このゲームのノーマルモードは単なるシューティングの1周目ではなく、ゲームとしての面白さを追求した2周目へ導く贅沢で楽しい40分として設計されていたのだ。
これが実によくできていて、ステージが複雑になっても基礎を学習しているから、新たな攻略に要素を覚える負荷が少なくてすむ。4ステージしかないから繰り返しも楽。
さらに、物語もそれまでのストーリーを伏線としてさらに続いているから、単に攻略する以上のモチベーションでゲームが続く。

クリアまでで、大体5時間以上は濃密に遊べるはずだ。
たった5時間かと考えることもできるが、RPG的な嗜好で作られた段階的なご褒美と、上達のガイドが非常によくできていて、True Mode クリアまでは本当に濃密だった。
そして、ふとしたときにスコアアタック初めて見ると、これまたさらに濃密。考えるほど、知識を蓄えるほどに尻上がりにスコアが上がり、「こんなに、プレイが簡単にスコア上昇に繋がっていいのか!」という爽快なレールが敷かれている。
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▲敵を倒すと緑の宝石が出て、これを集めると自機が強くなる。ボムを稼ぎに使用するようになると宝石が簡単に集まるのでパワーアップのテンポも少し良くなる。

すべての要素が段階的に出現し、プレイヤーが無理なく学習し、ゲームも進む。
RPGを作り続け、ソーシャルゲームでチュートリアル改善を学んだ木村さんの経験が『ブラックバード』には生きているし、それが他のシューティングにはない体験を生んでいる。
1,980円の定価はちょっと高く見えるが、そんなことはない。
『Black Bird』はレトロな見かけから想像もつかないほど近代的なメカニズムを備え、新しい導線を持つシューティングだ。
ビジュアルに惹かれたプレイヤーをステージ探索にいざない、短時間熱狂させ、魔法のように自然にスコアアタックまで誘う。
『ファンタジーゾーン』などにハマった世代なら「今のテクノロジーで作ったファンタジーゾーンリスペクトゲーム」として、買って損はしないはずだ。

概要:
人間、人間の帝国(?)を破壊する物語のダーク・シューティングゲーム。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
シンプルだがテクニックで成果が出るSTGシステム
ボムを利用した熱いスコアアタック
短時間で遊べ、誰でもノーマルがクリアでき、段階的に上達する家庭用的なつくり

気になるポイント
総プレイ時間は短め(ただし、やる気を持って遊べばいくらでも極められて楽しい)

アプリDL:
Black Bird (Steam / Switch)

開発:Onion Games(日本)
HP:http://oniongames.jp/blackbird/
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ

動画:
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