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100人が同じ館にこもって1人になるまで逃げる大規模鬼ごっこ『青鬼オンライン』レビュー。100人ってだけで楽しい可能性を見せたカジュアルゲーム

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不気味な青鬼から逃げつつ、洋館の謎を解く人気アドベンチャー『青鬼』シリーズ。
『RPGツクール』のチープな見た目ながら、そこに奇妙な“青鬼”を放り込むことで見事なホラーテイストを演出し、フリーゲームから小説、映画、漫画とマルチメディア展開されるシリーズ最新作『青鬼オンライン』の主人公は……なんと100人!
そう、100人が同じ場所に集められ、青鬼から逃げてッ!
最後の1人になるまで生き延びるサバイバルゲームだッ!
え、どこかで聞いたことがあるコンセプトだって?大丈夫、全然違うゲームだから。

本作は100人のプレイヤーが鬼から逃げ続け、最後の1人になるまで続く鬼ごっこだ。
現時点のモードはランダムマッチングのみ(フレンドマッチも追加予定)で、時間帯にもよるが30秒も待てば100人が集まる。
CPUも混じっているようだが、待ち時間が長いよりだいぶマシ。
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ゲームは2Dの見下ろし画面で、操作はスワイプによる移動と、画面タッチで目の前を調べるだけ。
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これを理解したら、あとは青鬼から逃げるべし!
青鬼はCPUによって操作されており、『PUPG』など近年人気のサバイバルゲームのようにプレイヤー同士での争いではない。あくまで鬼から逃げる100人鬼ごっこ。
青鬼は結構高性能で、プレイヤーと同じ速度で移動し、ターゲットにしたプレイヤーをミスなく追い続ける。
つまり、ターゲットになったが最後、ミスなく操作しないと距離を縮められ、いつかは捕まってしまう。
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そんな青鬼から逃げる方法は3つ。
1つは、青鬼に狙われたら他のプレイヤーの近くに行ってターゲットをなすりつける方法。
これによって、青鬼に狙われたプレイヤーが他のプレイヤーを巻き添えにすべく動く展開が頻繁に生まれ、熱い足の引っ張り合いが生まれる。
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2つめは、20秒に1回アイテムを排出する宝箱。
これにはスピードアップアイテムなどが入っていて、運が良ければ青鬼から逃げる手助けになる。
ただし、足が遅くなるアイテムやガチャを引くために利用する“青銭”などが出現し、時間の無駄(宝箱を開いてから一定時間動けない)どころかマイナスになることも。
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▲正直、宝箱は機能していない。

そして3つめは……ロッカー。ロッカーを調べると中に入ることができ、ここに入っている間は完全無敵。青鬼には絶対捕まらない。
ただし、中には入れるのは1人だけ。よって、ロッカー前には数少ない人間が操作するキャラクターが集まり、熾烈な競争が行われる。
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▲ロッカー前の死体は、ロッカーを占拠しようとして失敗したランカーの山。

というか、ロッカー前からうまく他のプレイヤーを排除(最後にロッカーに入ったプレイヤーが他のプレイヤーを押し出す)すると、生存ランキング1桁は行くので、ここを制するプレイヤーが現状ランカー。
ロッカーオンライン……つよい。
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▲ロッカー前に横たわる他のプレイヤーの死体。

ただし、そのロッカーも無敵ではない。
時間と共にフィールドには紫の毒霧が広がり、その範囲にいる人間は10秒で死亡となる。最後の最後は、体を晒して青鬼とガチで競争するタイミングがやってくるわけだ。
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▲ロッカーにいるだけで3位。

失格となった段階で順位に応じたスコアと“青銭”が加算され、シーズンランキングが上昇していく。
また、死亡後に観戦することも可能だ。
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課金要素は見た目を変えられるアバターガチャのみ。青銭でもガチャができるが、現金でガチャをすることも可能となっている。
ガチャによるゲームの有利不利は存在しないカジュアルゲームとなっている。
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正直、ただの鬼ごっこでも100人ともなると数の暴力で面白くなる。
最初にコンセプトを聞いたときは、「ああ、流行に乗ってきたな」と思ったものだが、CPUから逃げるコンセプトや、大勢でバタバタ倒れていく様子はなかなか面白い。

欠点は、宝箱が上手く機能しているとは言えないとか、ロッカーが露骨に強いとか、とにかく100人で逃げることだけが面白さになってしまっていて、その他の部分が適当なこと。
他のプレイヤーが動かなくなったり、画面が暗くなったり、青鬼が他のプレイヤーを捕まえても終了しなかったり……バグも、システムも、適当。
現時点でも2~3プレイは楽しめる明快な面白さを見せており、本作は“面白さの可能性”を見せつけることには成功している。
それだけに、もう少しちゃんと作っていれば……と思ってしまう。
惜しい。

概要:
100人のプレイヤーがCPUの操作する青鬼から逃げるオンライン鬼ごっこ

評価:5(楽しめる)

おすすめポイント
わちゃわちゃと人が多い中で逃げ惑うのは楽しい

気になるポイント
バグが多く、明らかに動きが同期していないオンライン
100人で逃げるコンセプトに甘えて、面白さが追求されていない

アプリDL:
青鬼オンライン (itunes 無料 / GooglePlay)

販売:GOODROID(日本)
開発:UUUM(日本)
HP:https://www.uuum.jp/
レビュー時バージョン:1.0.1
課金:ガチャなど

ライター:ゲームキャスト トシ