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救世の手紙を届ける運命の子、ぐーたらフェステを見守るアドベンチャー『Message Quest』レビュー

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ぐーたらな男の子フェステが、世界の命運を託されて手紙を運ぶ……子供向けの絵本のような物語を、ステンドグラス風の世界で描いたアドベンチャーゲームが『Message Quest』だ。
開発したのはロシアのインディー開発者Royal Troupeで、1時間程度で終わる短いゲームながら、PC版は暖かい世界観と紙芝居を見るようにテンポ良く遊べる手軽さでプレイヤーの評価は高かった。
そんなゲームがスマホ版のみ日本語に対応したので、この機会に紹介したい。

本作は、滅び行く世界で、教団の使命を帯びた男の子、フェステが世界の命運を分ける手紙を英雄に届ける絵本風の物語で、ステンドグラス風のグラフィックを特徴としている。
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本作は一本道の物語の絵本的ゲームではあるが、面白いことに登場人物がプレイヤー……つまり、読み手の存在を認識しており、プレイヤーが明確にゲームの展開を進めるところにある。
ゲームの開始時から「プレイヤーさん、ロウソクをつかんでランタンに灯りをつけてください」と頼まれるのだ。
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やることとしては、ロウソクをドラッグしてランタンと重ねる「気になるところをタッチして調べ、アイテムを使う普通のアドベンチャー」なのだが、登場人物に語りかけられるのは意外な体験だ。
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また、ゲーム内のシステムもユニーク。
会話シーンでは主人公のフェステだけでなく、プレイヤーが全キャラクターの会話選択肢を選ぶこともできる。何を選んでも結果は変わらないが「ごく潰しに居場所はありません」など、かなり気合の入った選択肢もあり、プレイヤーの操作次第で登場人物の人格が変わって見えてしまう。
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まれに挿入される意志力バトルでも「子犬のような目」で相手を見つめて敵意を弱めたり、「死んだふり」で相手の言うことを無視したりと演出が面白い。やっていることは普通のターン制RPGのバトルなのに、駄々っ子と大人のやり取りを見事に再現。
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ゲームとしてはタッチ&パズルの普通のアドベンチャーゲームではあるが、怠け者のフェステが少しずつ使命に目覚めて困難に立ち向かっていく様子にそれらのシステムがシンクロし、「フェステ、頑張れ!」と応援しながら遊べる作品となっている。
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▲ステンドグラスを完成させるパズルなども多い

なお、本作は Steam でも配信されているが、スマホ版のみ日本語対応となっている。遊ぶならできればタブレットで。お子さんのいる親御さんは、お子さんと一緒に遊ぶのも良いだろう。
もちろん、大人だって童心に返って楽しむこともできるので海外の童話を読む気持ちでどうぞ。

評価:6(面白い)

ゲーム概要
ステンドグラス風の世界が紙芝居のように展開するアドベンチャー

おすすめポイント
怠け者フェステの成長を見守る物語とシステム

注意点
ヘルプ機能を使わないと触る場所がわかりづらいときがある

アプリリンク:
Message Quest (itunes 240円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay / Steam)

開発:Maria Kravtsova(ロシア)
レビュー時バージョン:1.65
課金:なし
公式ページ:http://message-quest.com/
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: