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『ファンタシースター30周年作品』の正体は『ファンタシースターV』か。ファンタシースターの歴史を振り返りつつ、新作の正体を予想

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セガより突然に発表された『ファンタシースター』シリーズ30周年記念RPG。
カウントダウンサイトを見る限り7月24日に詳細が発表されるようだが、ここは過去シリーズを振り返ってテンションを上げつつ、発表前に内容を予想してみたい。
というか、もうこれは絶対『ファンタシースター V』でしょ。間違いない(勝手に確信)。

1987年『ファンタシースター』
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セガマークIIIというハードで発売された3DダンジョンRPG。
滑らかな動きの3Dダンジョン、アニメーションするエネミーと、当時の技術の粋が詰まった最先端RPGだったとセガ老人から聞かされた。
なお、リメイク版はプレイしたがさすがに今遊んで積極的に面白いといえるかと言うと……「FF7は発売当時、ポリゴンRPGってだけですごかったじゃろ?それと同じぢゃ」とはセガ老人の弁。

1989年『ファンタシースターII 帰らざる時の終わりに』
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ここからリアルタイムで遊ぶ。これはすごかった。3つの惑星をまたにかけて冒険する世界のスケール観、多重スクロールで動く立体感あるダンジョン(でも広すぎ複雑すぎでややクソゲー)、さらに味方キャラクターがアニメーションする感動!
最愛の妹の死、後を託された主人公が最後にとる行動……エンディングの後味は一級品。物語性で言ってもシリーズ随一。

1990年『ファンタシースターIII 時の継承者』
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結婚があるRPGと言えば『ドラゴンクエストV』だが、それより早く結婚システムが入っていたうえ、親によって子供の能力は大きく変化。親子3代にわたって冒険が続くため、血筋によって使いやすい主人公と使いづらい主人公がいてさあ大変。
ダビスタのように配合を試して、遊びやすい主人公を探したのは良い思い出。なお、ダンジョンがやっぱり辛かった記憶しかない。

1990年~『ファンタシースターテキストアドベンチャー』
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ファンタシースターのテキストメインなアドベンチャーゲームなのだが……何がすごいって、1990年にメガドライブでオンライン配信形式でゲームを出していたこと。ダウンロードプラットフォームを始めたのはSteamでも、MSでもない。このセガだッ!

1993年『ファンタシースターIV 千年紀の終わりに』
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『ファンタシースター』はすごい。けど、面白くはなかった。いや、当時やっている分には楽しかったけども、『ドラクエ』などと比べて遊びやすさで劣っていた。スムーズに多重スクロールするダンジョンもアニメーションも圧倒的だし、結婚システムも物語もすごいけど、すごさと面白さが釣り合ってなかった。
ところが『ファンタシースターIV』は遊びやすくて、演出も極上。コマ漫画のように展開する物語演出、戦闘だろうがフィールドだろうがアニメーションする視覚的表現は驚いた。バトルの合体技も見応えがあり、レベルアップも楽で、これまでの不親切さが嘘のように楽しかった。
なお、このときのディレクター“小玉理恵子”さんは後に好評を博すSS版『レイアース』、賛否両論だけど私は好きな『エターナルアルカディア』などを手がける。
この勢いで『ファンタシースターV』をセガサターンで出しても良かったのに、シリーズはこれで完結し、次に『PSO』が出るまで完全に眠るのだった。なんでや……。

2000年『ファンタシースターオンライン

もはや、名を知らぬ者なし。オンラインRPGの金字塔を打ち立てた作品。当時、美しい3Dグラフィックで家庭用オンラインアクションRPGが遊べるのは当時あまりに衝撃的だった。オンラインが一般的ではなく、「こんにちはって挨拶すると、相手も挨拶してくれたッ!」ってだけで楽しい時代に、こんな完成度の高いオンラインRPGを出したセガはやばい。これにはまって何人が道を踏み外したことか……。
この後、派生作として2002年『ファンタシースターオンライン EP 1&2』、2005年にPCで『ファンタシースターオンライン ブルーバースト』が登場する。
初代のプロデューサーは“中裕司”さん。後のシリーズで活躍するディレクター“見吉隆夫”さんは、アートディレクター“酒井智史”さんもこのときのスタッフ。

2003年『ファンタシースターオンライン EP3』
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EP1&2がそこそこ売れて、こんどこそ大型の新規タイトルがくるか……と思ったら、なぜかカードバトルゲームに!
当時、『マジック』や『遊戯王』が流行ったからか。『シャドウバース』より1年早くスマホ移植していたら意外に流行ったのではないかと思えるぐらい面白かったが、当時にプレイヤーが求めていたのは拡張マップだった。『ハースストーン』が世界的にはやるより先に対戦カードゲームを出したのは評価するぜ、セガ。

2006年、全てのRPGを過去にする……『ファンタシースターユニバース』
実のところ、ここまでの『ファンタシースター』は全て栄光の歴史で、どれをとってもある意味で時代の最先端で、ファンを満足させている部分はあった。
ところがPSUは……「すべてのプレイヤーが同じサーバーで遊べるMMORPG」としながら、想定を超えるプレイヤーのアクセスでサーバー分割を行う羽目になり、トラブルに次ぐトラブル。
アクションも大雑把。とはいえ、これは『PSO』の直球の続編を求めていたプレイヤーからの視点で、サーバーが安定した後は「6人で戦うMORPG」として残ったプレイヤーが普通に遊んで楽しまれていたように思う。後に拡張『イルミナスの野望』が出て、 2012年にサービスを終了する。

『ファンタシースターポータブル』

さて、トラブルで名を落とした『ファンタシースター』だが、不死鳥のように復活を果たす。
『モンスターハンターポータブル』が大ヒットを果たし、余にはマルチプレイ需要が生まれた(実際にはGBAの頃から携帯機のマルチプレイが流行る兆しがあったが、ここにきてブレイクする)。
そして、「モンハン以外に遊べるマルチプレイRPG」として、『ファンタシースターポータブル』、そして後続の2作品はスマッシュヒットを飛ばす(意外にも、1人用でも十分楽しめた)。
さらにこの系譜でVitaでもトライエース開発の『ファンタシースター ノヴァ』が出たが、こちらはハードの勢いの問題か、ブームが落ち着いたからか、そこまでのヒットとはならなかった。

『ファンタシースターZERO』

DS用に作られたマルチプレイ対応の『ファンタシースター』。低年齢を意識していたからか、丁寧な作りで評価は高かったようだ……が、まったくやってないので自分の評価は出せない。
プロデューサーは見吉隆夫さん。

2012年『ファンタシースターオンライン2』

そして、大ヒット作『ファンタシースター オンライン 2』のリリース。リリース前から異常に自由度の高いキャラクター制作が話題となり、日本のオンラインゲームとしては記録的なヒットとなった。
プロデューサーは“酒井智史”さん。
いろいろなトラブルもあったが、個人的には面白い時期に遊んで楽しめたし、遊んだ当時は「これが未来のMORPGか!」と感動もした。

以上、ざっとではあるが『ファンタシースター』シリーズの歴史を辿ってみた。
『ファンタシースターオンライン』、『ファンタシースターオンライン2』と日本のオンラインRPGの金字塔を打ち立てたことで有名だが、実は『ファンタシースター』本体もものすごく先進的なゲームだったし、今回もきっと何かを仕掛けてくれるに違いないのだ。
さて、それではついに本題。“ファンタシースター30周年”にふさわしい展開をいくつか予想してみよう。

本命:新シリーズ『ファンタシースター V』
個人的にはこれがイチオシ。今回の作品はファンタシースター30周年であり、PSO30周年ではない。
完結したシリーズを再び始動させる『ファンタシースター V』を何らかの形で出してくるのではないか。
プロデューサーは『ファンタシースターIV』を手がけた小玉理恵子さんだとすると、今もセガに在籍しているはずで違和感はない。
また、ロゴに存在するマスコットキャラクターは……。
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『ファンタシースター』のミャウ!
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セガに残っているスタッフ的にも、ロゴのシルエット的にも、ファンタシースター30周年という意味合いでも非常に可能性が高く思える。
内容は『アナザーエデン』のように基本無料だけども、シングルプレイRPGだと最高だが……。

対抗馬:『新PSO』
『PSO 3』ではないが、『PSO 2』でもない。スマホの新しいPSOを、酒井さんが提案。
いや、酒井さんはPSO2で忙しいからPSOのプログラムディレクターを務めた節政暁生さんが主体かもしれない。ややありそう。

万馬券:スクエニ×セガ夢の共同RPG
スクエニに転職した中祐司さんがパイプとなり、セガとスクエニが共同開発し、中祐司さんがまとめる新しい『ファンタシースター』が登場する。初代作品からプログラマーを務め、PSOもプロデュースした中祐司さんなら、きっと何かすごい物を作るに違いない!
これは、かなり夢がある。

大穴:まさかの『PSU 2』or『PS ZERO 2』
見吉さんを呼び戻し、『PSU 2』か『PS ZERO 2』を開発。これはさすがに見込みが薄いか。
PSU自体がなんだかネガティブにネットに残っているし、見吉さんはセガにはいないし、多角的に厳しい。

あり得ない:新ハード発売
セガ、突然の新ハード発表。その名はファンタシースター最強の剣からとって『エルシディオン』。
愛称は『エルスィ』として、外国人男性の渋く美しい英語風発音(エルスィディオン)で定着させれば究極のカッコ良さです(※PSOにまつわるネタなので、知らない方は無視して欲しい)。

以上。
いろいろとネガティブに考えることもできるが、残念だったときはそのときに言えば良いこと。
発表までは妄想を膨らませて、楽しんでいきたい。
発表当日……私が死んでいたら放っておいて欲しい。

関連リンク:

2018.7.22 21:20修正
PS3に関して、ダンジョンはシンプルという指摘を受けたため、複雑という記述を削除しました。