ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

ソシャゲを有料で復活させたら驚くほど面白くなった『ワンダーブロック』レビュー。確かなパズルと隠し要素だらけの立体絵本世界が君を待つ

wonder
2015年に『ワンダーブロック』というゲームがあった。
大魔王が倒れた後の世界で、一般人が頑張って残ったモンスターを退治するというゆる~い世界観で、パズルが面白くて、つくりが売り切りゲームっぽいので無課金でも遊べて、一部で非常に人気のあったゲームだが、あまりにも無課金で遊べたためか9カ月で惜しまれつつ終了になったのだが……。
なんと、これがスタミナ制を廃止して、オンライン要素を廃止してバランス調整し、ガチャはゲーム内通貨で回すようにして、追加課金なしの完全売り切りゲームとして2018年になって復活した。
しかも、想像を超えるほど素晴らしく、面白い形で。本日は、そんな『ワンダーブロック』をお勧めしたい。

『ワンダーブロック』を起動して最初に思ったのは、「あ、これソシャゲじゃない」ということ。
タイトル画面からメニューまでビジュアルが統一され、遊び心があふれていて、完全にエンタメしているのだ。
まず、立体絵本風のビジュアルに「おっ」と思い、それに触ってみると実に様々なギミックが隠されて度肝を抜かれる。
wanb-2

例えば、キャラクターをタッチするとくるくる回ってメッセージが見られるし、扉は開くし進行状況によって背景も変わる。
スクロールすれば酒場が出てきて、ソシャゲ版では単なるガチャだった仲間との出会いが「酒場で紹介する」という形で提供されているのも確認できる。単にソシャゲを有料にしたのではなく、すべてが作り直されている。
cr-1

発見難易度の高いものでは、ゲーム筐体が隠されていてファミコン風の新作パズルゲームを遊べる要素、ソシャゲ版に存在したメンテナンス画面(3Dで動く)を出す要素など、とにかく隠し要素豊富。
いじっているだけで最初は時間が過ぎてしまう。
wonblo
▲メンテ画面はなぜか3D。しかもクオリティ超高い。新作パズルも面白い。

そして、メインのゲーム部分はというとボードゲーム『ブロックス』をモンスターとのバトルにアレンジした、ステージクリア型のバトルゲーム。
まず、プレイヤーは固有の形のブロックを持つ6人のキャラクターでパーティーを組む。
wanb-8
▲ソシャゲ的な女性キャラクターの媚びがないイラストが良い。また、全キャラフレーバーテキスト付。

そしてバトルが始まるとこのキャラクターたちがスピード値の順番に登場し、プレイヤーはドラッグ操作で画面中央の盤面にそのキャラ固有ブロックをはめ込む。
このとき、盤面の黒いマスにはブロックがはみ出さないように配置する必要がある。
wanb-9

うまくブロックをはめ込むと、ブロックと重なったマスは黒マスとなり、代わりに敵モンスターにダメージはダメージを受ける。
モンスター側はパーティーのキャラクターが行動を終えるとプレイヤーに攻撃してくる。これを繰り返し、モンスターのHPを先に減らし切ればステージクリアとなる。
wonder01
▲ブロックは回転可能。

基本ルールはこれだけで、非常にシンプルなのだが、実際に遊んでみるとかなりの歯ごたえを楽しめる。まず、ブロックの形が変則的なため、慣れないと数回の手番で盤面が穴だらけになって、ブロックを置けなくなってしまう。
すると、“BREAK”が発生し、盤面は初期状態に戻るが大ダメージを受けてしまう。
wanb-12

一方、盤面の縦か横に一列を完全に消すと盤面の列が補充され、同時にモンスターに大ダメージを与えられる。しかも、同時に多数の列を消すと2倍、4倍と倍々で敵にダメージが与えられる。
wanb-11

BREAKしないように盤面に穴をあけつつ、ギリギリで列の大量消しを狙うパズルはかなり面白い。ステージ数も多いうえ、進めるほどに新しいギミックも次々と登場し、難しかったり、コンボが狙いやすかったり、と変化をつけて飽きずにずっと遊べる。
ソシャゲ版ではキャラ集めや育成の問題があったが、有料版では全キャラ簡単に集まるし、育成も容易で面白さに集中できるのが嬉しい。
唯一、キャラクターの持っているスキル(ターン経過で利用できる)が少し存在感がないことは気になるが、パズルの面白さと比べれば大した欠点でもない。
wanb-4
▲ステージ選択画面もそれぞれ立体絵本風になっていて、進めてビジュアルを見るのも楽しみの1つ。

面白いステージクリア型のバトルゲーム、遊び心あふれるメニュー画面、それだけでも『ワンダーブロック』はおすすめなのだが、もう1つパズルゲーム好きに見逃せない点がある。
それはゲームの進行で解放される“デイリーモード”である。
デイリーモードとは、選択したキャラクターの持つブロックを使って、盤面を完全に消し切る「詰めブロック」だ。

このモードの特徴は、パーティー構成に応じてステージがランダム生成されるので、プレイヤーが難易度を決められること。
使いやすい形の固有ブロックを持ったキャラクターだけでパーティーを組めば簡単になるし、複雑な形の固有ブロックのキャラクターを混ぜればどんどん難しくなる。
プレイヤーの気分に応じて、好きな難易度で遊べるため、ソシャゲ版の時代から「もっと遊びたい」といわれるほど評価が高かった。実際、これは今プレイしても面白いし、無限に遊べる。
パズルゲーム好きなら、見逃せない内容になっている。
下記の動画はソシャゲ版のものだが、見て雰囲気が合いそうならぜひダウンロードしてみて欲しい。


その他にもエンドレスバトルの“夢想モード”、賭けバトルを楽しむ“カジノモード”なども搭載されており、480円の買い切りと思えないほどボリュームは豊富。
ソシャゲが有料になったのではなく、なぜか基本無料を採用してしまった面白いゲームが本来の形に戻ったようなゲームで、ソシャゲ的な違和感も感じない。
パズルゲーム好きなら間違いなくハマれるし、そうでなくても楽しめる良作で、内容的に1,000円~1,500円ぐらいのダウンロードゲームとも比べても遜色ない。
自信をもってお勧めできる1作だ。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント

遊び心が詰まった画面
立体絵本風のビジュアルと化学調味料のような媚びがないキャラ
パズルゲーム部分も面白い
デイリーモードと、ファミコン風ゲームも別建てで面白い
ジャジーな音楽

気になるポイント
スキルの影が薄い
終盤は運が必要なほど難しい

アプリリンク:
WonderBlocks (itunes 480円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:シリコンスタジオ(日本)
レビュー時バージョン:1.0.3
課金:なし

公式ページ:公式Twitter
ライター:ゲームキャスト トシ