ソシャゲを有料で復活させたら驚くほど面白くなった『ワンダーブロック』レビュー。確かなパズルと隠し要素だらけの立体絵本世界が君を待つ
- パズルゲーム
- 2018年05月22日
2015年に『ワンダーブロック』というゲームがあった。
大魔王が倒れた後の世界で、一般人が頑張って残ったモンスターを退治するというゆる~い世界観で、パズルが面白くて、つくりが売り切りゲームっぽいので無課金でも遊べて、一部で非常に人気のあったゲームだが、あまりにも無課金で遊べたためか9カ月で惜しまれつつ終了になったのだが……。
なんと、これがスタミナ制を廃止して、オンライン要素を廃止してバランス調整し、ガチャはゲーム内通貨で回すようにして、追加課金なしの完全売り切りゲームとして2018年になって復活した。
しかも、想像を超えるほど素晴らしく、面白い形で。本日は、そんな『ワンダーブロック』をお勧めしたい。
『ワンダーブロック』を起動して最初に思ったのは、「あ、これソシャゲじゃない」ということ。
タイトル画面からメニューまでビジュアルが統一され、遊び心があふれていて、完全にエンタメしているのだ。
まず、立体絵本風のビジュアルに「おっ」と思い、それに触ってみると実に様々なギミックが隠されて度肝を抜かれる。

例えば、キャラクターをタッチするとくるくる回ってメッセージが見られるし、扉は開くし進行状況によって背景も変わる。
スクロールすれば酒場が出てきて、ソシャゲ版では単なるガチャだった仲間との出会いが「酒場で紹介する」という形で提供されているのも確認できる。単にソシャゲを有料にしたのではなく、すべてが作り直されている。
発見難易度の高いものでは、ゲーム筐体が隠されていてファミコン風の新作パズルゲームを遊べる要素、ソシャゲ版に存在したメンテナンス画面(3Dで動く)を出す要素など、とにかく隠し要素豊富。
いじっているだけで最初は時間が過ぎてしまう。

▲メンテ画面はなぜか3D。しかもクオリティ超高い。新作パズルも面白い。
そして、メインのゲーム部分はというとボードゲーム『ブロックス』をモンスターとのバトルにアレンジした、ステージクリア型のバトルゲーム。
まず、プレイヤーは固有の形のブロックを持つ6人のキャラクターでパーティーを組む。
そしてバトルが始まるとこのキャラクターたちがスピード値の順番に登場し、プレイヤーはドラッグ操作で画面中央の盤面にそのキャラ固有ブロックをはめ込む。
このとき、盤面の黒いマスにはブロックがはみ出さないように配置する必要がある。
うまくブロックをはめ込むと、ブロックと重なったマスは黒マスとなり、代わりに敵モンスターにダメージはダメージを受ける。
モンスター側はパーティーのキャラクターが行動を終えるとプレイヤーに攻撃してくる。これを繰り返し、モンスターのHPを先に減らし切ればステージクリアとなる。
基本ルールはこれだけで、非常にシンプルなのだが、実際に遊んでみるとかなりの歯ごたえを楽しめる。まず、ブロックの形が変則的なため、慣れないと数回の手番で盤面が穴だらけになって、ブロックを置けなくなってしまう。
すると、“BREAK”が発生し、盤面は初期状態に戻るが大ダメージを受けてしまう。
一方、盤面の縦か横に一列を完全に消すと盤面の列が補充され、同時にモンスターに大ダメージを与えられる。しかも、同時に多数の列を消すと2倍、4倍と倍々で敵にダメージが与えられる。
BREAKしないように盤面に穴をあけつつ、ギリギリで列の大量消しを狙うパズルはかなり面白い。ステージ数も多いうえ、進めるほどに新しいギミックも次々と登場し、難しかったり、コンボが狙いやすかったり、と変化をつけて飽きずにずっと遊べる。
ソシャゲ版ではキャラ集めや育成の問題があったが、有料版では全キャラ簡単に集まるし、育成も容易で面白さに集中できるのが嬉しい。
唯一、キャラクターの持っているスキル(ターン経過で利用できる)が少し存在感がないことは気になるが、パズルの面白さと比べれば大した欠点でもない。
面白いステージクリア型のバトルゲーム、遊び心あふれるメニュー画面、それだけでも『ワンダーブロック』はおすすめなのだが、もう1つパズルゲーム好きに見逃せない点がある。
それはゲームの進行で解放される“デイリーモード”である。
デイリーモードとは、選択したキャラクターの持つブロックを使って、盤面を完全に消し切る「詰めブロック」だ。
このモードの特徴は、パーティー構成に応じてステージがランダム生成されるので、プレイヤーが難易度を決められること。
使いやすい形の固有ブロックを持ったキャラクターだけでパーティーを組めば簡単になるし、複雑な形の固有ブロックのキャラクターを混ぜればどんどん難しくなる。
プレイヤーの気分に応じて、好きな難易度で遊べるため、ソシャゲ版の時代から「もっと遊びたい」といわれるほど評価が高かった。実際、これは今プレイしても面白いし、無限に遊べる。
パズルゲーム好きなら、見逃せない内容になっている。
下記の動画はソシャゲ版のものだが、見て雰囲気が合いそうならぜひダウンロードしてみて欲しい。
その他にもエンドレスバトルの“夢想モード”、賭けバトルを楽しむ“カジノモード”なども搭載されており、480円の買い切りと思えないほどボリュームは豊富。
ソシャゲが有料になったのではなく、なぜか基本無料を採用してしまった面白いゲームが本来の形に戻ったようなゲームで、ソシャゲ的な違和感も感じない。
パズルゲーム好きなら間違いなくハマれるし、そうでなくても楽しめる良作で、内容的に1,000円~1,500円ぐらいのダウンロードゲームとも比べても遜色ない。自信をもってお勧めできる1作だ。
おすすめポイント





気になるポイント


アプリリンク:
WonderBlocks (itunes 480円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)開発:シリコンスタジオ(日本)
レビュー時バージョン:1.0.3
課金:なし
公式ページ:公式Twitter
ライター:ゲームキャスト トシ
コメント一覧 (12)
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- 2018年05月23日 01:48
- いつのまにか有料ゲーム化してたんですね
ソシャゲ向きじゃないなとは感じてたので、最初からこうしておけばよかったのにとは思いますが
それだけソシャゲの形で販売したほうが売り上げいいんでしょうね、有料ゲームの形式でもゲームをガンガン販売できる環境になればいいんですが……
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- 2018年05月23日 02:17
- サービス終了したソシャゲを買い切りにするのが最近増えてきて、それを喜んだり褒めたりするのを見かけて思うのが
最初から買い切りで出せばいいのに!って言ってはダメなんですかね?
お金儲けは大事だけど、ソシャゲを買い切りにするのを喜ぶ風潮はなんか違う
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- 2018年05月23日 10:57
- 大好きなゲームだったから本当に嬉しいわ
復活ありがとう
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- 2018年05月23日 11:26
- 2年間かけて作り直してこの内容でこの値段で元が取れるのか、心配になる。
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- 2018年05月23日 13:04
- ※3
大分ソシャゲも良いものじゃないと売れなくなってきたしな
最近だと続編系がコケてばっかだし
買い切りで色々出す流れになって欲しいとは思う
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- 2018年05月23日 13:49
- ▼ななしさん
オンラインゲームである意味のあるゲームに対して、買い切りゲームで出せってのは違うとは思います。
ただ、そもそも作りが有料のゲームは「有料で最初から出しとけ!」とは思いますね。
まあ、有料だとそもそも予算が付かないからダメなんでしょうが!
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- 2018年05月23日 14:32
- 有料買い切りを基本無料にしたら利益出たパターン
基本無料を有料買い切りにしたら利益出たパターン
数年掛けて制作したのに鳴かず飛ばずだったアプリをコンシューマーに移植したら24時間で利益出たパターン
色々見てきたのでどれが正解なのかはわからないけど、本作に関しては有料にしてからランキング上位に今もいるので成功なのでは
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- 2018年05月23日 23:10
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ここの記事読んで面白そうだったからダンジョンメーカーと合わせて買っちゃった
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- 2018年05月24日 10:33
- ただ、初めから買い切りにしてたら多分誰の目にも止まらずに埋もれていたのではないかとも思う
難しいとこよね
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- 2018年06月01日 08:16
- 2Dメンテ画面は見れたのだけど、ここの記事内で紹介されている3Dのメンテ画面はまだ見たことがない
どこにあるんだろう
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- 2021年07月01日 06:04
- 最近のソシャゲはイベントと周回がきついのでぜひとも終了したソシャゲはこんな風に買いきりで出してほしいです。
そうすると無価値なスタミナや周回、期間限定イベントがなくなり、ストレスフリーに遊べます。
開発元も既存のゲームで開発費なしで売り上げが立つ、ユーザは嫌いなガチャ、周回がなくなる、みんな笑顔!
でもソシャゲとしてはどうやっても上手くいかなかっただろう事も良く分かったぜ
課金要素が何処にも作れなかったソシャゲはこうなっちまうんだなぁ…