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漫画描きがアプリ制作に転身して作ったRPG風ギャグゲーム『魔王に聖剣隠された』レビュー

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WEBマンガ家からアプリ制作者に転職し、自ら絵を描いて作った異色のファンタジーギャグ脱出ゲーム。それが『魔王に聖剣隠された』だ。
タイトルこそ『ママにゲーム隠された』のパロディだが、ゲーム内容は「ストーリー主導のRPG風ギャグ脱出ゲーム」として完成されており、コミックを読むように不条理ギャグを楽しめる(やや下ネタあり)怪作。15分で終わるので、隙間のお楽しみにオススメできるゲームになっている。


冒頭から魔王に戦いを挑む勇者。
しかし、頼みの聖剣は速攻で折れ、即落ち2コマの如く敗北。
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落ち込む勇者を見かねた魔王は「今から魔法をかけて試練の世界へ飛ばすから、儂をを倒せる聖剣達を集めてくるが良い」と、勇者に試練を与えて異世界に飛ばす。
タイトルが『魔王に政権隠された』なのに、実際は“魔王が勇者を見かねて聖剣のありかを教えてくれた”に。
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やたら親切な魔王と、それを平然と受け入れる勇者にツッコミを入れつつ、気がつくとそこは寂れた村。
そして目の前にはスライム。試しにタッチしてみると、簡単に倒せてゴールドがドロップ!
まずはコレを倒せってことだな……。
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と、テンポ良く倒していくと、画面一番上のスライムをタッチした瞬間「レベルマックスのスライムだった」と、返り討ちにあってゲームオーバー。不条理。
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気を取り直して画面下の矢印ボタンからシーンを切り替えると、武器屋の親父が「お金持ってきたら聖剣売ってやるぜ」と。
スライムを倒して手に入れた金をドラッグすると、無事聖剣をゲットしてステージクリア!
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という感じでゲームは進んでいく。
最初こそ「ゲームオーバーの理由が不条理すぎる」と思っていたものの、少し進むと変なエンディングが増えてゲームオーバー自体も楽しくなる。
例えば、防具屋の可愛い女の子に話しかけると「俺とつきあわないか」という選択肢が出てくる。
まあ、1回ぐらいは選択したくなるわけでポチッと押して見ると……。
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「貴様!何をしている!このロリコンがぁ!」
と、とがめられてゲームオーバー。
「誤解だ!」と弁解しても「勇者=ロリコン説」が広まりすぎ、最後には本物のロリコンになってゲームオーバー。
むちゃくちゃ過ぎて笑える。
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▲このゲームは、ロリコンと言われた時点で詰む。ロリコンに厳しいゲームだ…。

ゲームオーバーしてもすぐやり直せるので、ゲームオーバーになっても気にならないし、むしろ「ゲームオーバー集をコンプリートできてラッキー」ぐらいの勢いになっていく。
また、登場人物も段々と変態になっていき「聖剣が欲しければ、ダークエルフの族長のパンツを持ってきて」などと下ネタも出てくる。
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▲一人等身の高い人が族長。ダークエルフ族長ラブで、ぱんつをとって来いと言う。

ただ、そういった展開になっても、印象が汚くならないところがこのゲームの良いところ。
勇者はノリが軽く、先程の女の子に声をかけたときも「俺とつきあえ」とか考えてしまったり、気の強そうな女騎士を助ければ「こいつ、俺に気があるかも」とか考え出してしまうのだが、実際にゲームを進めていくと「煩悩があるけど、最終的に正しいことをする」好感の持てる人物になっているからだ。
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RPGのお約束を茶化してみせたり、小ネタを挟んできたりを楽しんで、気づくと最終ステージ(おそらく15分で終わる)。そこでまた大ネタが炸裂して笑えて、とても楽しくプレイできた。
脱出ゲームではあるがヒント機能がいらないほどに簡単で、RPG好きに向けたギャグ漫画を読ませている……そんな気持ちで遊べる1作。
過去に『ドラゴンクエスト』などのRPGを遊んだことがある皆さんに、コミックを読むつもりで遊んでみてほしいと思う。

評価:6(面白い)

おすすめポイント

どこかで見たRPGネタギャグ
下ネタは多いが、主人公の好感度は落ちない描き方

気になるポイント
ネタにばらつきがある

アプリリンク:
脱出ゲーム-勇者が魔王に聖剣隠された (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:nitopu(日本)
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
公式ページ:http://blog.livedoor.jp/perohaiiko-nitopu/
ライター:ゲームキャスト トシ