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それは体感する物語。プレイヤーの死すら物語に組み込まれたアクション『INSIDE』レビュー

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『INSIDE』は、『LIMBO』を開発したPlaydeadが2016年に発売した作品である。
Playdeadは密度の高いゲームプレイを掲げ、約6年間の開発期間を使って最高に凝縮された5時間のゲームを作りだした。プレイ1時間あたり1年以上の製作期間を使ったその成果は……間違いなくあった。
本作はあらゆる場面で妥協ないビジュアル、サウンド、謎とアクションを提供し、スタートから終わりまでプレイヤーの興味をかき立て続ける最高の1作である。

本作の概要は、オールドな横スクロールアクションに過ぎない。
左右に移動し、上スワイプでジャンプし、画面長押しで物をつかんで動かしたりする……なんと本作の基礎は6年以上前に発売されたPlaydeadの前作『LIMBO』と全く変わらない。
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それどころか、陰鬱で危険な世界を進み続ける点もまた『LIMBO』と同じだ。
冒頭で主人公は何かから逃げるように登場し、常に弱者として世界の支配者(と思われる人々)から逃げ続ける。見つかれば射殺されるなんて良い方で、猟犬に食い殺されたり、バラバラにされたりと悲惨な死が待っている。
即死トラップにかかってはリトライして進む仕組みまで、そっくり6年前に確立された『LIMBO』のフォーマットを使っているのだ。
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ただし、「前作と同じ」という評価は通常マイナスだが、『INSIDE』は『LIMBO』フォーマットを極限まで研ぎ澄ますことで、名作と言われた前作をはるかに上回る体験を提供している。
まず、世界への没入感が違う。3Dで描かれる『INSIDE』の風景は常に美しく、それを見ること自体がエンターテイメントになっている。
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そのうえで、画面奥から迫る敵、主人公が進み続ける背後で動き続ける"何か"、とにかく"不穏"や"恐怖"が立体的なサウンドと共に表現される。
目が離せないほど美しい世界を用意したから、プレイヤーは注意深く背景を見回す。それは同時にプレイヤーが自ら進んで世界の薄気味悪さを注視するということでもある。
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このゲームをプレイしている間、なんど見えないところからの恐怖におびえ、ピンチをしのいだ時に叫んだだろうか。この背景と音のコンビネーションは、それほどの没入感を生み出している。
ゲーム性はスマホに優しい2Dのまま、背景の情報量の多い3Dを採用し、前作を越える世界を作りだしているのである。
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また、その没入感を損なわないため、全体の難易度を下げつつ「死」により深い意味を与えている特筆に値する。
『INSIDE』には、初見殺しと言われる初めてのプレイで回避困難なトラップが数多く存在する。しかし、多くの場所では少しの試行錯誤で乗り切ることが可能だ。そのため、倒れてもストレスがない。
さらに、毎回異なるシチュエーションで無残な死を迎えることにより、本作の世界で命の扱いが軽いのかを端的にプレイヤーに突きつける。
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多くの死にゲーにおいて、死とは克服すべき障害である。しかし、『INSIDE』においては死すら開発者が意図した物語の一部なのである。
開発者の思うように残酷に倒れ、プレイヤーからは少しずつ他人の死に対する抵抗も失われていく。
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さらに、言葉を使わずに背景だけで世界を説明する手法もあいまって「なぜ、こんな残酷な世界が存在するのか?」、「この先に何があるのか?」という興味をかき立る。
死すら計算した物語は、エンディングまでプレイヤーの興味を引いて離さないだろう。中盤に少し中だるみがあったように思うが、それにしてもそこらのゲームより内容は濃いほどである。
クリアまではおよそ5時間。『INSIDE』は深い世界観にどっぷりつかり、一気に遊ぶべきゲームだ。
言葉を使わずに背景だけでストーリーを類推させる手法のため、終わったあとでは物語を解釈する楽しい時間が待っている。
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また、タッチパネルでも指に吸い付くような気持ちいい反応の操作感を実現していて、プレイヤーのイラつかせることはまずない。
本作は体感する物語であり、その体感を損ねない操作性は見事だ。
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散々褒めてきたが、本作で1点だけ気に入らなかった点もある。
それは衝撃的なエンディングについてだ。これは、人によっては納得するものだろうし、人によっては私と同じように納得できないか、納得するために2周目のプレイで解釈を探そうとするような賛否両論出そうなものだ。
そのため、筆者のお気に入り度である評価はエンディングによって1点だけ下がっている。
とは言え、『INSIDE』は衝撃的なクオリティで、終わりまで通してプレイしてしまうほど(翌日仕事なのに!)没入感があった。iOSユーザー……とくに、iPadを持っていれば絶対に体験すべきゲームの1つと断言できる。

評価:9(傑作)

おすすめポイント
美しく、情報が詰まった背景
息をのむサウンド
プレイヤーの死すら組み込んだ物語
適度な難易度のゲーム

気になるポイント
エンディングには賛否がある(しかし、価値もある)

アプリDL:
INSIDE game (itunes 体験無料 iPhone/iPad対応)

開発:Playdead(デンマーク)
レビュー時バージョン:1.0
課金:完全版840円

ライター:ゲームキャスト トシ

動画:
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コメント一覧

    • 1.
    • 2017年12月16日 01:01
    • × 所見殺し
      ○ 初見殺し

      あとカテゴリーで9点だと分かりますが、本文に点数を書き忘れてますよ
    • 2. ゴイス
    • 2017年12月16日 01:42
    • いや〜驚いた。
      ゲームでこんなにドキドキする事ってそうないよ。
      映像表現、不気味なほど自然な操作感、衝撃の展開、全部凄い。

      LINBOほどハードで繊細な操作を必要としない点も良い。
    • 3. 名無し
    • 2017年12月16日 11:42
    • 死に様や解決法がどれも唸らされる出来なんだよね
    • 4. 4
    • 2017年12月16日 11:58
    • とてもいい出来だとおもいます
      残念な点はpadだと画面がぼやける事かなあ
    • 5.  
    • 2017年12月17日 23:02
    • どんなゲームか知らず、お試し部分が面白かったから買ったんだけど、後半、生理的に受付けない、操作性も突然悪くなり、イライラするだけだった。
      買って後悔しました。
    • 6. 寝不足
    • 2017年12月19日 21:16
    • 基本的に楽しいんだけど操る系のクリアの仕方が今ひとつしっくりこないかなあ
      つまるとヒントがすくない分、全く進めなくなるような

      カンが悪いのは自覚してますが開始20分くらいで完全に止まってしまったw

      数年は遊べそう!

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