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5社統一e-Sports団体、ストV、モンストなどのプロライセンスを発行し、闘会議2018で賞金付き大会実施を発表

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2017年9月、CESAとJOGA、さらにe-Sports団体のJeSPA、e‐sports促進機構、日本eスポーツ連盟を統合した新設のe-Sports団体が作られることが発表されていたが、その統合が2018年春に行われ、団体からプロライセンスを発行する最初の大会を2018年2月の闘会議で行うことが発表された。

闘劇2018で発行されるプロライセンスは下記の5タイトル。
『ウイニングイレブン 2018』
『ストリートファイターV アーケードエディション』
『鉄拳7』
『パズル&ドラゴンズ』
『モンスターストライク』
AMD(一般社団法人デジタルメディア協会)が1000万円の賞金協賛を行い、闘会議では賞金付き大会を準備しているという。
ただ、『パズル&ドラゴンズ』や『モンスターストライク』に関しては人気ゲームではあるが、対戦ゲームとして作られたものではないので競技性、対戦の公平性が低く、「オリンピック競技に!」と推薦されるe-Sportsとは根本から異なる。
こういったギャップをどう埋めていくのか、注目が集まるところだ。

さて、こういった動きには良い点と気になる点がある。
業界統一団体を作ることは、e-Sportsオリンピック競技化の第1歩(日本オリンピック委員会に加盟するためには複数あるe-Sports団体の統合が必須だった)なので、良いことだ。
また、ライセンス発行にも一定のメリットがある。

例えば、日本でもプロリーグが展開されている世界最大のe-Sportsゲーム『League of Legends』(LoL)では、外国人選手にビザを交付するためにプロe-Sports選手にアスリートビザが交付された例もある。これがなければ、その年のLJL(日本のLoLプロリーグ)は盛り上がりを欠いたかもしれない。
プロe-Sports選手が職業として認められ、社会的に認められることはe-Sports振興の上で重要と言え、プロライセンスを発行することは意味がある。
景品表示法など法律の制約で高額賞金の大会が開きにくかった国内の状況をクリアするために考え出された。
日本初、海外プロゲーマーに“アスリートビザ”発行へ 「プロスポーツ選手と認められた歴史的な出来事」 - ITmedia NEWS

また、プロライセンス発行によって景品表示法などで制限されていた高額賞金付きの大会も行えるようになるという(この仕組みは不明)。
プロライセンス発行についてはプロライセンスの発行の要件(未発表)を満たす選手に対して発行されるほか、過去に実績のある選手に対してもパブリッシャーの推薦を元に発行することを考えているとのこと。

一方で、現在プロ活動しているプレイヤー、統一e-Sports団体が扱わないゲームのプレイヤーについては気になる点がある。
日本でもプロリーグが運営されるe-Sportsの1つ『LoL』はこれに加わっていないし、『オーバーウォッチ』や『ハースストーン』などのBlizzardも日本のために特別にプロプレイヤーライセンスを発行することはないだろう。これらで今活動しているプレイヤーは、プロではなくなってしまうのだろうか?
プロライセンスを発行されないことで、既存のゲームのプレイヤーが不利にならないような仕組みが望まれる。

蓋を開けてみたら日本でローカルに人気なゲームのプロモーションに使われるだけとか、この新団体の思想に賛同しないゲームがプロライセンスが出せない不利を受け続けるような権力団体になってしまっても困るのだ。
2018年春の団体統合のときには、こういった問題がクリアになり、広くプロゲームシーンの利益になる仕組みが明かされることを期待しておきたい。