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ワクワクの心を補充する大人のびっくり箱『GNOG』レビュー。触るたび、進むたびに心がときめく体験

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予想もつかないワクワクでいっぱいのおもちゃ箱のようなゲーム。『GNOG』ほどこの表現が似合うゲームはないだろう。
本作は箱型モンスターのふたを開けて、頭の中をのぞいて悩みを解決して笑顔を取り戻すパズルゲーム……なのだが、頭の中に広がるのは謎の異空間。
全9ステージどこにも似た世界はない。どこを開けてもオドロキ、どこを触っても反応が面白い。心の栄養剤になる笑顔のパズルだ。

プレイヤーの目の前には、9つの段ボール箱がある。
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この中から1つを選んで(最初に空けられる箱だけは決まっている)、矢印の通りにスワイプしてペリッと開封すると……。
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中にはFRG-Yという名前の箱。この箱はモンスターの封印だ。
この箱がまた凝っていて、毎回デザインを見るのが楽しくなる。操作するたびに「いい感じの物体」が出てくるのがほんとにたまらん。
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で、さらにぺらっと箱をめくると、厳つい顔の箱形モンスターが登場。このモンスターを笑顔にするのが我々の役目である。
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プレイヤーはまずモンスターに心を開いてもらって、悩みを打ち明けてもらわないといけない。
モンスターの悩みは頭の中(箱の中)に詰まっているのだが、最初は心の壁という名のシャッターが降りている。
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▲モンスター裏面

そこでまず、プレイヤーはモンスターの顔を触って反応する場所を探していく。ボタンのようになっている鼻を押せたり、目玉を押せたり、その仕掛けは様々だ。
ヒントはないが、触ったときのフィーリングでここはなんとかなる。大丈夫。
で、上手くモンスターの反応を引き出せたら、シャッターを開けてモンスターの頭の中とご対面。
って、中に家があって、さらに生き物が!?
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そう、モンスターの頭の中は異世界になっていいるのだ。しかも、モンスターは何もしゃべらないので、異世界をタッチして調べて、なんとなく問題と解決方法を類推するしかない。
その作業は総当たりになってしまうのだが、これがなんと楽しい。
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タッチに反応する触感がとても丁寧に作られており、仕掛けに触ればかならず音と動きで返してくれる。だから総当たりで調べまくっても楽しいのだ。むしろ「クリアできそうだけど、今のうちに関係ないとこ触っておこう!」と思うほどだ。
そうして謎を解いて、頭の中の住人の悩みを解決するとモンスターは笑顔になり、喜びの音楽とともに再び箱が閉じる。
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あとはこの繰り返し。
動物たちが暮らす世界もあれば、泥棒が潜むマンションもある。宇宙が広がっていることもあるし、ファンシーなお菓子屋もある。
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▲個人的にこれが一番好き。

死んだ目をした動物たちが腹ぺこで座っている部屋なんか、見た瞬間に笑ってしまった。
どんな状況なんだ、これは!
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1回、1回、触るたびに楽しい。謎を解くたびに嬉しい。
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触れて楽しいだけでなく、モンスターそれぞれに用意された固有の音楽をバックにゆっくりモンスターを調べるのは癒しの体験でもある。
だいたい2~3時間程度で終わり、飽きる前に満足するボリュームも良い。
ちょっとワクワク成分を補充できる大人の知育ゲームといった感じで、どなたにもおすすめできる。

なお、本作はPSでも出ていて、個人的に一番おすすめなのはPSVR版である。360度箱を見まわしてびっくり箱を開ける作業はよりワクワク感を増幅する。しかし、PSVRを持っていないならiOS版は2番目にお勧めだ。
iOS11以降ならARゲームにも対応していて、現実世界にこの箱型モンスターを浮かべてプレイできるのだ。もともと動きが少なめのゲームなので、プレイの相性も悪くない。
なにより、現実世界に不思議な箱を浮かべるなんて遊び心たっぷりでいい。
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最初から最後まで、謎と機能すべてに遊び心が詰まっている。『GNOG』はそんなゲームである。
日常に不思議やワクワク成分が不足していたら、これを手に取って補充するするべきだ。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
ワクワクの詰まった触感と展開
心地良い音楽と多少の試行錯誤で終わる難易度
ユニークなモンスターと頭の中の世界
ARが意外に良い

気になるポイント
ARの操作はちょっと大変

アプリDL:
GNOG (itunes 600円 iPhone/iPad対応)

開発:KO_OP(?)
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: