RSS

記事一覧

文明なき世界で宇宙葬を行う2人の物語ゲーム『OPUS: 魂の架け橋』レビュー。健気な少女とダメ男の行く末は?

opus-10
もし、人類が滅亡を迎え、最後の2人だけになったら……そこにはどんな世界が待ち受けているのだろうか。
『OPUS: 魂の架け橋』は、疫病で文明が滅んだ惑星で生き延びた2人……ロケット技師の息子ヨハンと巫女のフェイが困難に立ち向かう姿を描いた物語ゲームだ。

本作は宇宙葬を通じて変化するヨハンとフェイの心を描いたドラマである。
誰でも遊べる物語を重視のゲームで、サバイバル要素などはない。通常モードだと見づらいマップに時間を浪費するので、プレイの際はストーリーモードで遊ぶことをおすすめする。
opus-5

在りし日の惑星では、死者の魂をロケットに乗せて銀河に送る“宇宙葬”が華やかな祭りとして愛されていた。そして、ヨハン自身も将来はそのロケット製作部分を担う職人になることを夢見ていた。
opusr-5

それから25年。人類が死に絶えていく過程でヨハンの心はすり減り、ロケットを作る夢を失ってしまった。
だが運命はままならないもので、ヨハンは霊魂の声を聴く能力に目覚めてしまい「宇宙葬を行え」と責められ続けることとなる。
そして、「脳内で鳴り響く魂の声を止める」という消極的な理由から宇宙葬を行うことを決め、ロケット作りと向き合う。
opusr-7

一方、フェイは死者の魂を銀河に送る宇宙葬の方法を伝える若き巫女だ。
彼女は未熟な自分を知りつつも、生来の真面目さから巫女としての使命を全うし、魂のために宇宙葬を行うことを決意する。
opusr-4

ヨハンたちは、すでにロケット部品を作る技術を失っている。
しかし、宇宙葬のロケットを受注していたOPUSロケット工場の周辺にはロケット部品の工場跡があり、周辺を探索して部品を集めればロケットを組み立てられる。
そこで、プレイヤーはヨハンを操作して探索パートに臨むこととなる。
opus-13

探索パートは見下ろしのフィールドを移動するアドベンチャーとなっている。探索には時間制限があるが、危険はなく、何度でも挑める。単に隅々まで見て回るためのものだ。
opus-12
▲移動できる範囲がわかりづらいのだが、そもそもとして探索の難易度が低いので大きなストレスではない

物語の舞台としては作られただけあって、雰囲気は上々。フィールドは荒れ果てて雪が降り積もり、灯は落ち、かつて人間が存在した跡だけが残る。
静かなBGMも相まって、無常感ただよう世界を強く感じる。
opus-7

さらに、その世界には宇宙葬を求める霊魂が漂っており、ヨハンに語りかける。
「何故ロケットは我々を運ばない?」
「はじまったのか…?」
孤独な世界で、こうも責めるようにささやかれてはノイローゼ気味になるわけだ。荒廃しただけの世界よりも終末感が強く、このあたりの世界演出は素晴らしい。
opusr-8
▲霊魂は宇宙葬をせがむ者と、死ぬ前の思い出の地に縛られる地縛霊のようなものの2種類がいる。

廃墟にはロケットの部品だけでなく惑星が滅びゆくまでの様子を知る手がかりや、さまざまな魂の思いが込められた遺品が残されている。
こういった品物を通して、ヨハンとフェイのバックグラウンドが少しずつ明かされていく。
opusr-1
▲未練を残している霊魂もおり、特定のアイテムを見つけて修理してやるサブイベントもある。

そうこうして探索パートを過ごしていると時間が経過し、19:00なって日が落ちるとホームに帰ることとなる。
ホームでは部品の集まり具合に応じてストーリーが進み、ロケットが完成に近づいていく。
opus-4

本作は体験無料方式を採用しており、ある程度遊んでから安価にフルバージョンを購入する仕組みになっている。が、値段以上の価値はある。
opus-9
▲フルバージョンに上乗せして払うことで、ちょっとした装飾なども入手可能。

人類がいなくなり、天候の異変により生きていくことさえ難しい……そんな世界に取り残された演出は素晴らしく、世界に浸れる。
その中で不安を押し殺しながら宇宙葬を進めるフェイのひたむきな姿にも心打たれるものがあった。
opusr-3

前半からとことん寂しい世界を見せ、終盤に向けて演出と音楽で一気に盛り上げる流れもあった。
実際、ロケットの打ち上げで区切られるまで、私はプレイを止められなかった。
opus-11

一方で、私はヨハンに感情移入できなかった。フェイがひたむきに宇宙葬を執り行おうとするのに対して、年上のヨハンは駄々っ子のように文句を言い続ける。
世界にたった2人だけ(と思われる)生き残りのはずなのに、そういった状況に対する考えもない。プレイヤーがヨハンを見ている時間は長いのに、彼に関する描写が雑に感じてしまい、それが終始物語を楽しむ邪魔になった。
opus-14
▲皮肉屋を越えて駄々っ子にも見える。

ただ、ヨハンについても要所ではきっちり動いて物語は成立している。単に物語上の引っかかりになってしまっているだけで、致命的な問題点ではない。
世界観の作り方は見事だし、そこに浸りつつ物語を進めてフェイのけなげな姿を見るだけでも本作は十分に楽しめる。
お試し部分だけでも遊んで、気に入ればぜひ遊んでみて欲しい。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
崩壊後の孤独な世界
けなげな巫女フェイの物語

気になるポイント
ヨハンはわがまま過ぎるように見える
マップの雰囲気があるが見づらい

アプリDL:
OPUS: 魂の架け橋 (itunes 体験無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:SINOGO(台湾)
レビュー時バージョン:1.1.0
課金:フルバージョンアンロック240円、その他のアイテム(やり込みのみに影響。霊魂石を課金ナシに集めきるのは面倒)

ライター:ゲームキャスト トシ

動画:
  • コメント(0)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
凄い!!iPhoneゲームアプリコレクション
記事検索
最新コメント