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第2次世界大戦の戦闘機で戦う『War Wings』レビュー。絶妙なバランスとテンポに止められない中毒性アリ

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第2次世界大戦をモチーフとした戦闘機対戦ゲームは多くあるが、その中でも革命的にプレイしやすいゲームが登場した。『War Wings』である。
本作は初心者でもエースパイロットかのように敵に機銃を当てられる間口の広さを持つ。
そして、対戦の勝敗は実力で決まるのに、敗北側も精神をおられるような圧倒的な負けを経験することは少ない。気持ちよく撃って、楽しく勝って、負けても打ちのめされずにテンポ良くまた遊べる。止めどきが見つからない絶妙なバランスの対戦ゲームである。

『War Wings』は4対4で対戦し、先に10機撃墜されたチームが敗北となるシンプルなゲームだ。
操作は基本バーチャルスティックとショットボタン、加速と減速のみ。プレイヤーは撃墜されても数秒後には再出撃できるので、暇な時間なしに気持ちよく遊べるカジュアルゲームとなっている。
が、同時に上達を志す上級者も楽しめる驚きのバランスを特徴としている。
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まず、本作では誰でも遊べるようにショットボタンがとても強力になっている。
ショットは単に機銃を発射するだけではない。ボタンを押すと照準が動き、敵機のスピードを計算して高い精度で当たるように狙いを定めてから機銃を掃射する。はっきり言って、押せば当たる。
しかも、照準がずれていて敵に当たらないときは弾が出ない親切設計。ウルトラショットボタンと名付けても違和感ないほど強力である。
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▲重課金ゲームの課金アイテムと言っても違和感ない強力さ。

この高性能なショットボタンのおかげで、初心者だって慣れたプレイヤーに弾を当てられる。
飛行機戦闘ゲームの一番の肝であり、難しい操作でもある「狙う」が簡単なので間口がとても広くなっているわけだ。

それでいて、プレイヤーの腕の差もはっきりと勝敗に影響する。
最初に気づくのは微妙な部位狙いの操作。自動照準で当てることは簡単だが、飛行機の弱点を狙う精密射撃はプレイヤーの微調整を要求する。
コックピットを狙うなど、飛行機の弱点を狙う細かな操作ができれば撃墜率が変わってくる。
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▲コックピットを貫いて倒す「グラインダー」。即死させられるし、即死できる。

続いて、少し慣れると回避能力で差がつく。レーダーで敵との位置関係を把握し、フリック操作でローリングを行って敵の照準からある程度は逃れられるようになるのだ。
そして最後に、移動の位置取りや仲間との連携でまた大きく差がつく。
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これらの要素を積み重ねていけば、勝率がどんどん上がる。つまり、『War Wings』は上手いプレイヤーが効率よく敵を倒して勝つ「実力差が出る」対戦ゲームになっているのだ。
一方で、プレイヤーが下手でも一方的に負ける敗北感は感じづらい。
強力なショットボタンによってチーム全体で合計10回撃破されるまでの間には活躍することもある。初心者でも上手いプレイヤーに弾を当てて撃破できることもあり、無力感を噛みしめて負けるような事件はおきづらい。
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このバランスは驚異的で、「今回は仲間が悪かったなぁ」とか他人のせいにしてひたすらプレイできてしまう。
格闘ゲームなどでは技術の差が出すぎて負けたプレイヤーが絶望するほど何もできないこともあるが、本作は実力で勝負していているのに弱い側が一方的に負けた印象を持ちづらい。
だから、「次こそは…」と何度もプレイしてしまう。

で、何度もプレイしていると試合を通じてRPとシルバーコインが手に入り、これらを消費して新しい機体を買ったり、手持ちの機体をアップグレードしたりできる。
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▲撃墜数や被撃墜数も重要だが、仲間を助けたり、撃墜数が高い敵を落としたりすることが評価される。

機体はアメリカ、イギリス、ドイツ、ソ連の4カ国のツリーに分かれており、技術を開発していくとよりランクの高い戦闘機を開発していける仕組みになっている。
これで新しい戦闘機を買うと「少し試すか……」と、またプレイして止まらない。恐ろしい。
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なお、日本の開発ツリーは存在しないが、アメリカに課金専用機として鹵獲型の零戦は用意されている。
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で、こういった対戦ゲームは課金で勝負がついてしまう心配があるが、本作はそこもばっちり配慮がある。普通に遊ぶ分にはとても安い。課金要素は、大きく分けてVIPと課金機体の2つ。
大きく差がつくのはVIP。本作ではプレイごとに使い切りの回復アイテムや強力な弾薬などが大きな戦力になるが、これらの消耗品を好き放題に使うとプレイするたびに赤字が膨らむ。これを解消するのがVIPで、VIPアカウントを購入すると有効期間中は試合報酬が倍になり、消耗品をたくさん使える。
VIPは30日間で900円ほどと安い。もちろん、ゲーム内イベントで課金通貨を手に入れてVIPになることもできるので実際はもっと安い。
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▲消耗品を使わないと、火災やパイロットの重傷などの状態異常にやられて死ぬ。

課金専用の戦闘機は通常機体よりも少しだけ性能が優遇されているが、こちらの差は少し。
フリープレイでは同ランクの相手とマッチされるし、ランクを競うリーグモードではプレイヤーのランクに応じた性能の機体しか使えないので、課金専用の機体で大きく差がつくことはない。
ただ、ランクの高い機体は開発にコストがかかるので、VIPでも最上位の機体を製作するには時間がかかる。
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VIPさえ買ってしまえば、ひたすら消耗品使いまくりで楽しく対戦できて、やめど気が見つからない。
中国大手の対戦ゲームはこういった対戦と課金のバランス感に優れている印象がある。
こういったアクション性の高い対戦ゲームジャンルでは、性能の高いキャラをガチャで獲得する仕組み主体の日本は追いつけないかもしれない……などと、少し寒い想像もしてしまうほどいい感じにできている。
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▲本文中では触れなかったが、敵の旗艦に爆弾をぶち込む対戦モードもある。ただ、少しマッチングしづらい。

やり応えのある対戦ゲームを探しているなら、本作はなかなかおすすめだ。友達と組んで戦術を駆使するのも楽しい(2機でお互いをフォローし合うだけでもかなり変わる)ので、友達とプレイできるなら本当に止められなくなるだろう。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
カジュアル操作で簡単に遊べる
腕の差が出るのに、一方的に負けた印象も持たない絶妙のバランス

気になるポイント
VIPが切れるとつらい

アプリDL:
War Wings (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:Sixjoy Hong Kong(中国)
レビュー時バージョン3.0.0
課金:課金機体、VIPなど。VIPがあればプレイは続けられる

ライター:ゲームキャスト トシ

動画: