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『World of Guns』レビュー - 精巧に作られた銃を分解・組立するパズル。機械のロマンを凝縮

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“銃”。ゲームの世界ではおなじみの武器だが、「弾が出る」以上のことを知るプレイヤーは少ないのではないだろうか。
銃についてもっと知りたい。そんなプレイヤーにおすすめなのが、実物に基づいた銃の3Dモデルを分解しては組み立てるパズルゲーム『World of Guns』だ。
ゲームで使っている物体の詳細を知ればより楽しくなるはずだし、海外旅行で手元の銃が壊れても、テロリストにつかまって銃の組み立て競争をすることになっても大丈夫。メリットしかない。
ゲームを始めると銃のリアルな3Dモデルが表示される。この銃はIntratec-Tec9。数々の凶悪犯罪で使用された曰く付きのシリーズだが……これは掛け値なしに素晴らしい。金属感もたまらん。
しかし、こいつを試し撃ちすることはできない。なぜなら、プレイヤーはまだこの銃の真の所有者ではないからだ。
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銃を所有するのであれば、銃の構造を理解していなければならない。銃を撃つ前に、分解方法を学ぶのが『World of Guns』流。
画面に示されるとおりに銃のパーツをタッチするだけで、つぎつぎと銃がパーツに別れていく。このときにパーツの構造上、正しい流れで分解されるのがスゴイ。
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ゲーム内に実銃の紹介(英語)や分解動画へのリンクがあり、それと照らし合わせてもパーツのリアリティは十分。
PC版のレビューに「海外激安ツアーで(中略)このゲームで1日1度AKを分解していた僕のおかげで皆帰ってこれました。」などと書いてあったが、納得のクオリティである。


そして、完璧に分解すると「組み立てをしてみましょう」の表示。
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いやいや、俺こんなのさっき見たばかりだよ。タッチするだけで組み上がっていくし、簡単に決まってるじゃん!(死亡フラグ)
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……5分もかかってしまった。たった35パーツの銃なのに。しかし、1回分解して組み立てることで、プレイヤーは初めて銃の所有者として認められ、“動作確認”が行えるようになる。
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動作確認モードでは、銃を360度ぐるぐる回転させながら自由に見回すことができる。
それだけでなく、撃つのもリロードするのも自由。
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撃っている最中に“X線モード”をONにすると、弾を撃っている銃の内部の様子を確認できる。
わかる、撃ってから薬莢が排出されるまでの一連の流れが、内部機構の動きも含めて全部わかるぞ!
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分解と組み立てでパーツを見たからこそ、パーツが動いていることがよりよくわかる。ゲームではおなじみの武器だが、単体で見てもこんなに魅力的だったとは……これが、機械の神秘か。ゼンマイ式時計の中身を初めて見たときのような感動を覚える。
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これは面白い。パズルをクリアすることで銃をより深く理解して楽しめるのか!
これは次の銃を買うしかない。

で、メニューに戻って新しい銃を所有しようとして気づく。このゲーム、かなりアプリ内購入が多い。
簡単に銃を手に入れるなら860円程度のガンセット(10丁程度の銃がセット)で買うか、半年24.99ドル、1年で39.99ドルの全契約で全部の銃をプレイするかしないといけない。
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もちろん、無料で何とかする方法もある。そのためには、分解の達人にならなければいけない。
銃の分解・組み立てるたび、その速度に応じてEXPが加算される。そのEXPを消費することで、新しい銃を買えるのだ。よし、やってやろうじゃないか。

本作には3つのゲームモードがある。基本となるのは、単に分解と組み立てを行う“ゲーム”。最初にプレイしたのがこれだ。
そして、分解や組み立ての順序を暗記していないとクリアできない“スーパーゲーム”から本格的にマニア度が増していく(最初からマニアックではあったが……)。このモードでは、1度でも分解・組み立て順序を間違えると即終了。戦場で間違えを犯したら、死あるのみ!
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さらに、“ハードコア”ではパーツが干渉しない(物理的に同時に組み立て可能なら)なら複数のパーツを同時に組み立てることができ、時間を短縮してより多くのEXPを獲得できる。
ひたすら分解と組み立てを苦あり返し、銃の習熟度への習熟度していく。
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いつしか何も考えなくても分解が可能になり、そのときにゲームが次の段階を迎える。
パーツを暗記するレベルに到達すると、より銃の動作メカニズムが深く理解できるので動かしたときの感動度が上がるのだ。
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メニューから“アクティブパーツ”を選択すると動いているパーツだけがハイライトされ、「あのクソ小さい部品がこんなところで役立っている!」とか、「意外に大雑把なリロード方法なんだな」とか、そんなことがわかって感動するのだ。
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複雑になればなるほど難しいが、動かしたときの感動度も上がる。
機械ってこんな楽しかったのか!
一応、試し撃ちミニゲームもあるのだが、そんなの関係なく分解にハマってしまった。
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映画で見られるように、銃知識の有無はしばしば人生を左右する。
『香港国際警察』ではジャッキー・チェンが銃の組み立て競争で命をやり取りしたし、『ミッションイン・ポッシブル』では銃のスライドを瞬時に分解して銃撃を防いでいた。
そんなときのために『World of Guns』。
日ごろから銃にお世話になっている皆さんも、機械好きの皆さんも、ぜひ試してみて欲しい。

評価:6(要チェック)

おすすめポイント
リアルな銃を分解・組み立て可能
銃を動かしながら内部の機構を確認できる

気になるポイント
操作性がいまいち
日本語訳が怪しい

アプリDL:
World of Guns (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:Noble Empire Limited(ロシア)
レビュー時バージョン:1.0
課金:ガンセット(10丁程度の銃がセット)、全銃アクセス半年24.99ドル、1年で39.99ドル

ライター:ゲームキャスト トシ